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記者会見「東京大学大学院情報学環「戦争とメディア」研究プロジェクトデジタル・アーカイブ「第一次世界大戦期プロパガンダ・ポスター コレクション」のインターネットでの一般公開」記者発表

記者会見「東京大学大学院情報学環「戦争とメディア」研究プロジェクトデジタル・アーカイブ「第一次世界大戦期プロパガンダ・ポスター コレクション」のインターネットでの一般公開」

2006年4月4日
東京大学大学院情報学環

東京大学大学院情報学環「戦争とメディア」研究プロジェクト
デジタル・アーカイブ「第一次世界大戦期プロパガンダ・ポスター コレクション」の
インターネットでの一般公開

東京大学 大学院情報学環(東京都文京区本郷、学環長: 吉見俊哉)は、所蔵する貴重な歴史資料と先端的なデジタル技術の統合を目指し、その第一弾としてデジタル・アーカイブ「第一次世界大戦期プロパガンダ・ポスター コレクション」を、2006年4月4日より情報学環ウェブサイト上*にて一般公開すると発表しました。

*http://archives.iii.u-tokyo.ac.jp/

当学環には、第一次世界大戦期にアメリカやヨーロッパで作成されたプロパガンダ・ポスター、661点が所蔵されています。このコレクションは、第一次世界大戦期に情報戦の発達や国内大衆に向けたプロパガンダの役割の高まりを受けて当時の外務省情報部が収集したものが、第二次世界大戦後に東京大学新聞研究所(社会情報研究所を経て、現 大学院情報学環)に移管されたとされています。今日、これほど大量の第一次世界大戦時のポスター類を所蔵している国内機関は稀で、海外のアーカイブでも所蔵が確認されていない稀少なポスターが含まれるなど、貴重なコレクションです。印刷技術の転換期にあたる第一次世界大戦期のポスターは、19世紀末の職人芸的な印刷技術と当時最新の工業的な印刷技術とが混在しており、このコレクションを通して印刷技術が推移していく様をみることができます。1枚のポスターに様々な技術が混ざり合い、女性や労働者についての当時の新しいイメージを含みこんだ、20世紀の貴重な証言者です。20世紀の印刷技術やインダストリアル・デザインの発展の歴史を考える上で、この上なく貴重な資料であるといえましょう。長らく大学の書庫の奥深くに眠ったままの状態で、その存在も一部の専門家のみ知るものでありましたが、今回、インターネットを介し、世界に向けて発信していくことになります。

東京大学大学院情報学環では、これまでこの貴重な文化遺産の保存と修復、テキストの解読と基礎データ調査、版式調査と画像データベース構築の作業を進めて参りました。特に20世紀初頭のポスター印刷技術についての知識は、わが国ではすでに失われてしまったものも多く、森啓教授(女子美術大学)、宗村泉氏(凸版印刷株式会社 印刷博物館)らの協力を得ながら、初めてこの作業を進めることができました。デジタル・アーカイブの作成にあたっては、研究室のスタッフが自力で作成できるだけでなく、項目やレイアウトの追加や変更など、研究者のさまざまな要求に柔軟に応えるデータベース・ソフトウェアが必要であったため、FileMaker Pro 8 を選択しました。またインターネット公開に際してFileMaker Server 8 Advanced を使用し、ファイルメーカー株式会社の助言と協力を得ることができました。

【本件に関するお問い合わせ先】
東京大学大学院情報学環 吉見俊哉研究室(担当:山本)
Tel & Fax: 03-5841-5920 E-mail:info@yoshimi-lab.org

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