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記者会見「米澤明憲教授がソフトウェア開発技術の分野で世界で最も権威のある『ダール・ニゴール賞』を受賞」記者発表

記者会見「米澤明憲教授がソフトウェア開発技術の分野で世界で最も権威のある『ダール・ニゴール賞』を受賞」

1.発表日時:2008年6月19日(木曜日)14:00~15:00(受付 13:30)
      (記事掲載につきましては、記者会見終了後にお願いいたします。)

2.発表場所:東京大学工学部11号館講堂(1階)

3.発表タイトル:
米澤明憲教授がソフトウェア開発技術の分野で世界で最も権威のある
「ダール・ニゴール賞」を受賞

4.発表者(予定):
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授、情報基盤センター長 米澤 明憲
東京大学 理事(副学長) 岡村 定矩
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授・研究科長 下山 勲
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授・副研究科長 坂井 修一
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授・コンピュータ科学専攻長 石川 裕

5.発表概要:
米澤明憲教授(大学院情報理工学系研究科、情報基盤センター長)が、オブジェクト指向技術(*1)の分野において世界で最も権威のある賞「ダール・ニゴール賞(*2)」を国際オブジェクト指向技術協会(AITO)より受賞することになりました。本年7月10日にキプロスで開催されるヨーロッパオブジェクト指向プログラミング学会(European Conference on Object-Oriented Programming 2008)で授賞式があり、受賞講演が行われます。

6.発表内容:
米澤明憲教授が「ダール・ニゴール賞」を国際オブジェクト指向技術協会(AITO)より受賞することになりました。「ダール・ニゴール賞」は、2004年に創設され、オブジェクト指向技術の分野において、卓越した功績を残した人物に与えられる世界的に最も権威のある賞です。米澤教授は歴代で4人目の受賞となり、日本はもとよりアジアから初めての受賞者になります。
オブジェクト指向技術は、ソフトウェア開発において現在最も広く普及している技術であり、今日のソフトウェアのほぼ全てが、オブジェクト指向技術に基づいたプログラミング言語、もしくはそれに基づいた開発手法を用いて設計・作成されています。
今回の受賞は、長年に渡る米澤教授のオブジェクト指向技術に対する理論的・実践的研究の成果が、世界的に高く評価されていることを示しています。

7.米澤教授略歴:
  1947年6月生、1970年東京大学工学部計数工学科卒、1977年マサチューセッツ工科大学(MIT)計算機科学科博士課程修了(Ph.D. in Computer Science)。1988年東京大学教授に着任。現在、東京大学情報基盤センター長、(独)産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター副センター長、情報システム研究機構監事を兼務。2001年3月から2004年3月まで内閣府総合規制改革会議委員。2006年より米国マイクロソフト社のTCAAB(Trustworthy Computing Academic Advisory Board)メンバー。米国計算機学会(ACM)フェローおよび日本ソフトウェア科学会フェロー。「並列オブジェクト(*3)」の概念のパイオニアとして国際的に知られている。

8.問い合わせ先:
増原英彦 東京大学大学院総合文化研究科 准教授

前田俊行 東京大学大学院情報理工学系研究科 助教

米澤明憲 東京大学大学院情報理工学系研究科 教授、情報基盤センター長

木戸冬子 東京大学 大学院情報理工学系研究科 特任助教 

9.用語解説:
(*1) オブジェクト指向技術:
ソフトウェアやシステムを「もの(オブジェクト)」の集まりとして考え、その「もの」の間の相互作用によりソフトウェアやシステムの動作を分析・設計・実装する技術。1960年代半ばにDahl教授とNygaard教授によってその起源となる研究が発表され、1970年代初めから活発に研究がされるようになりました。1980年代以降、この技術に基づくC++、Java、やRubyなどのプログラミング言語が普及し、今日ではほとんど全てのソフトウェアがオブジェクト指向技術に基づいて開発されています。

オブジェクト:
ソフトウェア開発の世界では、データとそのデータを使う手続き群を一纏めにしたカプセルのようなものが「オブジェクト」と呼ばれています。このようなオブジェクトを組み合わせてソフトウェアシステムを開発するのが、オブジェクト指向ソフトウェア開発です。

(*2)ダール・ニゴール賞:
国際オブジェクト指向技術協会(AITO)が与える、オブジェクト指向技術の分野で世界的に最も権威のある賞。オブジェクト指向技術へ長年に渡って多大な貢献をした研究者・実践者一名および若手研究者一名に毎年与えられます。『ソフトウェア・デザイン・パターン』の提唱で知られるErich Gammaらは2006年の受賞者です。1960年代後半に、今日のオブジェクト指向技術の起源となる研究を発表したOle-Johan Dahl教授とKristen Nygaard教授の名にちなんで創設されました。
URL: http://www.aito.org/Dahl-Nygaard/

(*3)並列オブジェクト:
データと、それを使用する手続き群と、その手続きを実行するCPUとを一纏めにしてカプセル化したものが「並列オブジェクト」です。すなわち、
「並列オブジェクト」=「オブジェクト + CPU」
並列オブジェクト指向で開発されたソフトウェアシステムでは、一つ一つが独立した処理・計算能力を持もつ「並列オブジェクト」の集まりが、お互いにメッセージを遣り取りしながら同時・並行的に動作し、情報処理(計算)や問題解決が進行する。並列コンピュータ上で複雑な計算を実行するソフトウェアや、ネットワーク上に分散した多数のコンピュータを用いるソフトウェアを作成するために有効です。

10.添付資料:
米澤教授のウェブページ
URL: http://www.yl.is.s.u-tokyo.ac.jp/~yonezawa/
ダール・ニゴール賞のウェブページ
URL: http://www.aito.org/Dahl-Nygaard/

 

 

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