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G8大学サミットの開催結果について記者発表

G8大学サミットの開催結果について

平成20年7月1日
G8大学サミット運営会議

G8大学サミットの開催結果について

 6月29日~7月1日に札幌市で開催されたG8大学サミットは、歴史上初めての試みであり、地球の持続可能性(サステイナビリティ)を達成するための調査・研究や教育等大学の役割を認識し、また、大学自らのサステイナビリティの達成に向けての取り組みを約束するとともに、G8北海道洞爺湖サミットに参加する首脳たちに対して気候変動問題等に対する科学的で適正な政策の実施を求める「札幌サステイナビリティ宣言」を採択しました。
 本G8大学サミットは、「グローバル・サステイナビリティと大学の役割」をテーマとして、国内の14大学からなるG8大学サミット運営会議(議長 小宮山宏東大総長)が実施主体となり呼びかけたものであり、G8諸国及び非G8主要国の大学並びに国連大学の合計14カ国、35大学の総長・学長など約140名が参加しました。
 今後もサステイナビリティに向けての取り組みを他の大学に広げる努力をするとともに、政策レベルでの対応の促進を図っていくこととしており、次回G8大学サミットが、イタリアで開催することが合意されました。

1 開催趣旨
 日本の呼びかけによりG8諸国等の主要大学長等が一堂に会し、国際社会が直面する喫緊の課題について学問的また中立的な立場から議論する枠組みは、歴史上初めての試みである。
G8北海道洞爺湖サミット開催を機に合計14カ国、35大学の学長等(27大学長及び代理8大学)が参集し、地球規模での持続可能性実現のために大学が果たすべき責務とそれらを達成するための具体的な取り組みについて議論し、学術界から国際的な努力を促進し、また、それに対して貢献することを目指して開催された。

2 参加大学等
 G8各国27大学(うち日本14大学)及びその他6か国(中国、韓国、インド、オーストラリア、南アフリカ、ブラジル)7大学並びに国連大学の合計35大学から、約140人が参加した。(別紙1参照)
 
3 会議の概要と結果
 メイン・テーマは「グローバル・サステイナビリティと大学の役割」であり、「グローバル・サステイナビリティを支える新しい科学的知識と国際研究ネットワーク」(分科会A)及び「グローバル・サステイナビリティのためのナレッジ・イノベーション(Knowledge Innovation)と教育」(分科会B)の2つのサブテーマを設けた。
 会議の開催に当たっては、福田総理大臣と渡海文部科学大臣からのメッセージが寄せられた。
 続いて総会において問題提起が行われ、午後からは上記のサブテーマごとに分科会を開催して、議論を深めた。(別紙2参照)。
会議結果は、1日の総会において「札幌サステイナビリティ宣言」としてまとめられた。(別添)

4 開催日・場所
 平成20年6月29日~7月1日 札幌市(京王プラザホテル札幌)

5 運営体制
 小宮山宏東京大学総長が議長、佐伯浩北海道大学総長、安西祐一郎慶應義塾大学塾長が副議長に選出された。佐伯総長と安西塾長は、それぞれ分科会A、Bの議長となった。また、インディラ・ヴァサンティ・サマラセケラ アルバータ大学長(カナダ)とフランチェスコ・プロフーモ トリノ工科大学長(イタリア)が分科会副議長となった。

6 今後の対応
 近日中に小宮山東京大学総長、佐伯北海道大学総長、安西慶應義塾大学塾長、フランチェスコ・プロフーモ トリノ工科大学長及びグザヴィエ・ミシェル エコール・ポリテクニーク学長が首相官邸を訪問し、宣言の手交及びG8大学サミットの報告を行う予定である。
これを通して、G8首脳にG8大学サミットの成果の支持を働きかけるとともに,G8首脳サミット等における地球温暖化問題の議論等グローバル・サステイナビリティの実現に向けた国際的な合意形成プロセスに反映されるように努力することとしている。
 また、今回会合のフォローアップとして、イタリア大学学長協会(CRUI)から、2009年G8首脳サミットがイタリアで開催される機会に第2回G8大学サミットを開催したいとの提案があり合意された。
    
問い合わせ先:G8大学サミット実行委員会事務局
北海道大学国際企画課長         川野辺 創 
東京大学国際企画グループ長       清水 宣彦 
慶應義塾大学国際連携推進室事務長 隅田 英子

別紙1 参加大学一覧
別紙2 G8大学サミット会議プログラム 

 


 

2008年7月1日

G8大学サミット札幌宣言概要

I.共通の認識
G8大学サミットに出席した、G8 諸国の大学の学長及びその他の主要国から参加した学長たちは、地球規模での持続可能性と大学との関わりに関し、以下の認識を共有した。
1. 21世紀におけるグローバルレベルでの持続可能性(サステイナビリティ)の重要性
2. サステイナビリティの問題は今や最も重要な政治課題
3. サステイナビリティの課題解決に向けて拡大しつつある大学の責任
4. 科学的知識の再構築の必要性
5. 個別の研究ネットワークを束ねるネットワーク・オブ・ネットワークス(NNs)の必要性
6. 知識と社会双方に変革をもたらすナレッジ・イノベーション(Knowledge Innovation)の必要性
7. サステイナビリティ実現に向けた高等教育の役割
8. 社会の実験的モデルとしての大学キャンパスの機能の重要性

II.我々の決意(コミットメント)
以上の認識を踏まえ、本サミット出席大学の学長たちは以下のとおり約束する。
・ 21世紀において、科学的知識が政策と社会を方向付けすることを認識し、政策と社会、アカデミアがサステイナビリティ実現のために共に変革していく原動力となるべく、大学の新しい使命を果たしていく。
・ 持続可能性に関する課題に対応するNNsの実現に向け、行動計画を策定する。
・ NNsを活用しつつ、共同研究と教育を通じて開発途上国の研究機関との連携、支援を強化する。
・ これらに必要な組織・体制整備、予算確保等に努める。
・ 大学キャンパスをサステイナビリティの実現に向けての実験の場として、社会とともに次世代モデルの創造に従事する。
・ 上記コミットメントに関し認識を共有し共に行動することを、他の大学に対して呼びかける。

III. G8首脳への要請
G8諸国の大学の出席学長たちは、G8首脳に対し、サステイナビリティに関する研究と教育に携わる大学人として、以下のとおり要請する。国連大学およびG8メンバー国以外の大学の出席学長はこれを支持する。
・ ナレッジ・イノベーション、NNsなど大学の取り組みを理解し、支援すること。
・ サステイナビリティ実現に向けた政策の立案、実施にあたり、大学との連携を深めること。
・ 低炭素社会、資源循環型社会、自然共生社会の達成等持続可能性のための課題に関する科学的知識を正しく認識し、国民に周知し、科学的に正当性のある政策を進めること。
・ とりわけG8北海道洞爺湖サミットで中心的議題となる気候変動対策に関し、国際社会が早急に科学的に適切な政策を実施し、行動を開始するようリーダーシップを発揮すること。
・ 食料問題とエネルギー危機のように、グローバルな問題は相互関連していること、気候変動によって一層悪化していくことを認識し、科学的研究の成果と知識を踏まえて、これら問題を総体的に解決するための政策を各国の協力体制の下に早急に実現すること。

 

 

 

 

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