PRESS RELEASES

印刷

『水の知』(サントリー)総括寄付講座研究内容について記者発表

『水の知』(サントリー)総括寄付講座研究内容について

2008年7月4日

国立大学法人東京大学
サントリー株式会社

「水の知」(サントリー)総括寄付講座
研究内容について

国立大学法人東京大学(本部:東京都文京区、総長:小宮山宏)とサントリー株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:佐治信忠)は、7月4日(金)に「水の知」(サントリー)総括寄付講座設立記念シンポジウム「水の世紀に立ち向かう市民・政府・企業と大学」を開催し、研究内容について発表しました。

同総括寄付講座では、「水の知」の集約と情報発信によって「健康で文化的な暮らしを支える豊かな水環境の実現」に取り組みます。研究成果は、シンポジウム、講義やWEBサイトに加え、サントリーの次世代育成支援活動「水育(みずいく)」などを通じて公表していきます。

▼「水の知」(サントリー)総括寄付講座研究内容について

「水の知」の集約と情報発信
①人口増加および気候変動に伴う水循環・水資源需給量の変化への対応
気候変動、人口増加、経済発展および都市化に伴い、水循環や水資源の供給可能量・需要量が変化し、さらなる深刻な水不足が懸念されています。地域の特性を把握しながら水問題を多面的に捉え、課題の特定を行います。
②水のライフサイクルアセスメント(LCA)手法の構築
水利用は取水起源、利用形態、処理方法次第で、地球環境や水資源そのものの持続性に大きな影響を及ぼします。目先の水の消費量だけなく、これら一連のプロセス(ライフサイクル)および周辺環境への影響を包括的に評価することで、(エネルギー消費量やCO2排出量をベースにした)従来のLCAを拡張した概念・評価手法を構築します。

③水に関する最先端知識の発信
サントリーは、水に関する知見をまとめた「水大事典」をWEBサイト上で公開しています(http://www.suntory.co.jp/company/mizu/jiten/)。本講座を通じて得られた“解決すべき水問題”や“最新の知見や技術”を集約し、分かりやすく解説することで、「水大事典」を発展・増強していきます。

健康で文化的な暮らしを支える豊かな水環境の実現
①森林保全と水源管理の科学
気候変動に伴う降雨パターンや、樹木の種類、成長の変化などを踏まえ、健全な森林や水源を守りつつ、利用可能な水の供給量を評価します。良質な水を持続的に確保するための適正な森林保全と水源管理手法を研究します。
②都市水環境における汚染物質の動態解析とリスク管理
安全で安心な水への需要は、今後ますます高まると予想されます。一方、気候変動による渇水と都市域への人口集中により、水質の悪化や健康リスクの増加が懸念されています。都市水環境における様々な汚染物質の起源と動態を明らかにし、効果的な水処理技術の開発や汚染源別の削減対策の提案を行います。
③統合的水資源管理の実現へ向けた国内外の地域研究
水源地の管理や生活用水・工業用水・農業用水の用途間配分を行うには、治水・利水・環境を考慮し、流域全体を統合的に管理する視点が必要です。特に、複数の国を流れる国際河川の流域では、各国の政治・経済・文化・歴史などの社会的な背景を考慮することが必要です。国内外の代表的な流域を対象に、水資源の最適配分や管理方法を提案し、政策立案の支援を行ないます。

※「水の知」(サントリー)総括寄付講座について
国立大学法人東京大学とサントリー株式会社は、水に関する研究を推進するため、4月1日(火)に「水の知」(サントリー)総括寄付講座を開設しました。同総括寄付講座は、「水の知」を構造化して社会に発信し、水に対する社会的な関心を高め、水問題の解決と豊かな水環境の創成を推進することを目的としています。

▽本件に関するマスコミからのお問い合わせ先
東京大学総括プロジェクト機構
「水の知」(サントリー)総括寄付講座


サントリー株式会社
広報部         
大阪秘書室広報グループ 

 

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる