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東京大学IRT研究機構が薄膜3軸触覚センサを実現
―フランス、パリで開催される国際学会MEMS2012にて発表―

平成24年1月26日

国立大学法人 東京大学(総長:濱田 純一、以下、東京大学)IRT研究機構(機構長:下山 勲、以下、IRT)の下山 勲 教授および高橋 英俊 特任研究員らは、2012年1月29日から2月2日にかけてフランスのパリで開催される国際学会MEMS2012(The 25th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)で、「薄膜3軸触覚センサ」について発表します。

触覚センサは、面に対して垂直な方向の圧力と平行な2方向のせん断力(摩擦力)を検知することが要求されており、従来のせん断力を計測する触覚センサは、平面構造の上に突起や直立したカンチレバーを必要とし、これらの構造と平面との間の変形を検知していました。

今回発表する研究では、SOI(Silicon on Insulator)シリコン基板の厚み20 μmのデバイス層内に形成したビーム(両持ち梁)の側面にピエゾ抵抗層[注1]を形成し、そのビームが摩擦力によって基板平面内で変形する量を検知してせん断力検出素子とします。基板上に出っ張った構造をもつ従来の触覚センサに比べて、高さ方向に制約がないため、より薄いセンサを作ることができます。また、構造が単純なため、全ての工程を半導体プロセスで行うことが可能で、低コストで個体差のないセンサが製作できます。

本研究では、図1の写真に示すような触覚センサチップを試作しました。図2のコンセプト図に示すようにせん断力検出素子として側面にピエゾ抵抗層を形成した2対のビームと、圧力検出素子として表面にピエゾ抵抗層を形成した1対のビームがシリコーンゴムで覆われています。せん断力検出素子の1対のビームに、ビームの側面方向からせん断力を加えた場合、2本のビームが図3に示すように変形します。このとき対になったビームの対称な側面にピエゾ抵抗層が形成されているため、それぞれの側面が伸長及び圧縮されて、抵抗値がそれぞれの伸縮にあわせ正負逆方向に増減します。その抵抗値変化を計測して、せん断力を検出することができます。また、2本のビームの抵抗値変化を計測しているため、温度変化や他軸方向の変形の影響をキャンセルすることが可能です。

IRTでは、JST若手研究者ベンチャー創出推進事業の支援を受けて触覚センサチップの事業化を推進するとともに、中井 亮仁 特任助教が、路面に対するタイヤの滑りの予知、すべり感覚をもつロボットハンド、携帯電話のポインタなどの入力インターフェースに、この微小な触覚センサチップの応用を進めています。

[注1]変形によって抵抗値が変化する素子。金属ひずみ素子の100倍に近い感度を有する。

参考:
MEMS2012 website: http://www.mems2012.org/
H. Takahashi, A. Nakai, K. Matsumoto and I. Shimoyama, ”Triaxial tactile sensor using piezo-resistive beams by sidewall-doping,”

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図1:試作したセンサチップの写真


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図2:センサチップのコンセプト図


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図3:提案する触覚センサの原理

<本件に関するお問い合わせ先>
東京大学IRT研究機構
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 下山 勲
URL: http://www.leopard.t.u-tokyo.ac.jp/

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