記者会見 開催のお知らせ「理想の教科書 Todai-eTEXT 発表」記者発表

平成24年2月6日

東京大学大学総合教育研究センター

東京大学大学総合教育研究センターと株式会社情報技研が共同で開発した「理想の教科書
（Todai－eTEXT)」の機能と利用形態についての発表をいたします。
報道関係の皆様方におかれましては、ご多忙の折とは存じますが、ぜひご出席、ご取材賜
りますようお願い申し上げます。

1．会見日時： 2012 年 2 月 6 日（月）14：30～15：30

2．会見場所： 東京大学本郷キャンパス 工学部2 号館3 階 303・304・305 号室

3．出席者：
佐藤愼一（東京大学 理事・副学長）
吉見俊哉（東京大学 副学長・大学総合教育研究センター長）
藤原毅夫（東京大学大学総合教育研究センター 特任教授・東京大学名誉教授）
大瀧友里奈（東京大学大学総合教育研究センター 准教授）
辻秀典（株式会社情報技研 代表取締役社長・情報セキュリティ大学院大学 客員准教授）
松崎智広（株式会社情報技研 技術開発主任）
白形洋一（株式会社SpinningWorks 代表取締役社長）

4．発表内容：
「理想の教科書（Todai－eTEXT)」は東京大学における知を公開し、海外を含めて広い利用に供することを目的とした、電子教材を提供するためのシステムです。また、ネット教材ならではのソーシャル性を実現するために、株式会社SpinningWorks のQlippy Platformと連携しています。（注1：Qlippy Platformは、ソーシャルリーディング機能を提供するプラットフォームです。この機能を使って、コメントや質問、議論などを読者相互で共有することができます。‘ソーシャル’とは、1 対1 ではなくて集合的に共有することを意味しています。）

本システムでは、講義のビデオ記録、講義を文字化したテキスト、講義資料（動画を含む）を中心として、参考資料や関連した情報、アニメーションなどの補助情報を、すべて連携させて提供します。利用者が、教員の学問に対する姿を直接目にしつつ、テキストや講義資料その他を操作しながら学習する電子教科書システムです。本システムは、英語版も提供でき、さらに読者がコメントや質問の書き込みをし、相互に解答を与えあるいは議論のできるコミュニケーション機能（ソーシャルリーディング機能）を備えています。

さらに本システムは、講義資料等の登録・公開等、運営管理者のためのコンテンツ管理システムに加え、講義資料等に含まれる著作物利用のための許諾作業をサポートし、許諾情報を一括管理・記録する機能を備えています。

本学では、このシステム上に「学術俯瞰講義」のいくつかを掲載し外部利用に提供するとともに、UT OpenCourseWare (UT OCW)、Todai-TV、iTunesU で公表しているすべての学術資料の著作権許諾作業の管理を行っています。
（注2：学術俯瞰講義は、教養学部1，2 年生に対して開設されている講義です。この講義では、「知」の大きな体系や構造を提示し、それによって学生が現在学んでいる講義の位置付けを認識し、将来への展望を見出すことにより、学びへの動機を高めることを目的としています。
また、UT OCW、Todai-TV、iTunesU のURL は以下の通りです。
UT OCW: http://ocw.u-tokyo.ac.jp
Todai－TV: http://todai.tv
iTunesU: http://itunes.apple.com/jp/institution/the-university-of-tokyo/id382733273)

本システムを通じて、我が国における学術資料の教育目的利用が抱える著作権管理の問題が軽減され、大学をはじめとする教育機関が本来行うべき教育資料内容の質的向上等に力を注ぐことができることを期待しています。東京大学は、このシステムを他の国立大学法人あるいは私立大学等に有償で提供し、同様なシステムを独自開発するために費やす時間と経費の無駄を無くしていきたいと考えています。また発表会場で、機能を実際にデモンストレーションします。

5．問い合わせ先： 東京大学大学総合教育研究センター 特任教授 藤原毅夫