東京大学大学院工学系研究科　藤田誠教授 及び 大学院農学生命科学研究科　経塚淳子准教授がリサーチフロントアワードを受賞（2012年2月21日に授与式）記者発表

平成24年2月14日

東京大学大学院工学系研究科　藤田誠教授 及び大学院農学生命科学研究科 経塚淳子准教授が、トムソン・ロイターの第3回リサーチフロントアワードを受賞することが決定しました。

リサーチフロントアワードは、各学術分野から今後、飛躍的な発展が期待される日本の卓越したリサーチフロント（先端研究領域）をトムソン・ロイターのデータの分析結果から選出し、各領域を代表する研究者の業績を称えるものです。リサーチフロントとは、共引用分析の方法論に基づき、トムソン・ロイターの保有する直近約5年間に出版された論文データから先端領域でもっとも影響力のある研究を特定するものです。詳細は、以下ウェブサイトをご参照ください。
http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2012/rf2012/about_rf/

アワードの受賞イベントは、各国で実施されており、日本では2004年、2007年に続き3度目の発表となります。
本授賞式は、2月21日（火）トムソン・ロイター赤坂オフィスにて執り行われる予定です。

各受賞者に対して、トムソン・ロイター　引用アナリストのDavid Pendlebury（デービッド・ペンドルベリー）氏より以下の講評が届いておりますので、併せてご紹介いたします。

◎受賞者 藤田　誠　（ふじた　まこと）
　 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻・教授
＜藤田教授受賞についての講評＞
藤田氏は、先端研究領域「自己組織化によるナノメートルスケールの構造・空間・機能の創出」において非常に活発な研究活動が認められます。当該領域の論文16報のうち5報に日本の研究者がかかわっていますが、同氏はその5報すべてに著者として名を連ねており、それらの論文の被引用数は非常に高い水準です。また、論文数と被引用数とに基づいて研究者の科学的貢献度を示す「h指数」は62で、この数値は根岸栄一先生などノーベル賞受賞者と肩を並べるものであり、同氏の長年にわたる科学的貢献を裏付けています。
以上のデータから、藤田氏がこの分野の研究において国内外のリーダー的役割を果たしていることは明らかであるため、今回の受賞が決定しました。

◎受賞者 経塚　淳子（きょうづか　じゅんこ）
　 東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻・准教授
＜経塚准教授受賞についての講評＞
経塚氏は、先端研究領域「植物ホルモン機能の発見によるストリゴラクトン研究の新展開」において非常に活発な研究活動が認められます。当該領域の論文39報中13報に日本の研究者が参加しているなど、当該領域における日本の高い貢献があることが認められます。経塚氏は、その13報のうち4報に著者として名を連ねています。
特筆すべきは、同氏らが2008年にNatureに発表した論文（タイトル：Inhibition of shoot branching by new terpenoid plant hormones）です。同論文は、現在までに241回の引用が認められますが、これはこの分野の平均の48倍という高い被引用数です。また、この半年の間に被引用数が188回から急速に増加しており、最近になって本論文が特に大きなインパクトを与えたことも分かりました。
以上のようなデータから、同氏は質の高い論文を発表し続ける多大な影響力のある卓越した研究者であるといえるため、今回の受賞が決定しました。

＜研究内容に関する問い合わせ先＞
藤田誠 教授
東京大学大学院工学系研究科　応用化学専攻

経塚淳子 准教授
東京大学大学院農学生命科学研究科
生産・環境生物学専攻　栽培学研究室

＜受賞に関する問い合わせ先＞
トムソン・ロイター　マーケティング（担当：三輪）

＜関連URL＞
東京大学
　 藤田誠教授研究室　http://fujitalab.t.u-tokyo.ac.jp/
　 経塚淳子准教授研究室　http://papilio.ab.a.u-tokyo.ac.jp/cem/indexf1.html
トムソン・ロイター
リサーチフロントアワード2004年　http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2004/rf2004/
　 リサーチフロントアワード2007年　http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2007/rf2007/
　 リサーチフロントアワード2012年　http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2012/rf2012/
　 リサーチフロントの基本メソドロジー　http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2012/rf2012/about_rf/