PRESS RELEASES

印刷

記者会見「不織布製花粉用マスクに捕集されるスギ等の花粉に含まれる放射性セシウムの定量分析」について研究成果

記者会見
『不織布製花粉用マスクに捕集されるスギ等の花粉に含まれる放射性セシウムの定量分析』について

平成24年3月16日

東京大学アイソトープ総合センター

1.会見日時: 2012年3月16日(金)14:00 ~15:00

2.会見場所: 東京大学アイソトープ総合センター 2階講義室(別紙参照)

3.発表者: 東京大学アイソトープ総合センター  桧垣 正吾 助教

4.発表のポイント
・内部被ばく予防の観点から、東日本各県の一般の方が日常生活で着用したマスクに付着した放射能量と花粉量の調査を実施している。
・先行的に、福島県および東京都在住の方各10名が、今年2月19日~25日の1週間着用したマスクを測定したところ、一部のマスクから微量の放射性セシウムが検出されたため、概要を報告する。

5.発表概要:
東京大学アイソトープ総合センターの桧垣正吾助教は、ITEA東京環境アレルギー研究所およびユニ・チャーム株式会社の協力を得て、今年2月19日~4月14日までの間、東北6県、関東1都6県および静岡県の一般市民が日常生活で着用したマスクに付着した放射能量と花粉量の調査を行っています。
2月19日~25日の1週間に福島県および東京都の一般市民(それぞれ10名ずつ)が日常生活で着用したマスクの測定を行ったところ、一部のマスクに微量の放射性セシウムが付着していることが確認されました。なお、今回の調査における最大の数量は、福島県におけるセシウム134と137の合算で4.3ベクレルでした。

6.発表内容:
東京大学アイソトープ総合センターの桧垣正吾助教は、ITEA東京環境アレルギー研究所およびユニ・チャーム株式会社の協力を得て、今年2月19日~4月14日までの間、東北6県、関東1都6県および静岡県の一般市民が日常生活で着用したマスクに付着した放射能量と花粉量の調査を行っています。調査の概要は、以下の通りです。
  ■調査概要
   期間:2012年2月19日~4月14日
   エリア:東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)
       関東1都6県(東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城・栃木・群馬)、静岡
   調査協力:ITEA東京環境アレルギー研究所・・・マスクに捕集された花粉量の測定
         ユニ・チャーム株式会社・・・『超立体マスク かぜ・花粉用』の提供

昨年3月、福島第一原子力発電所の事故に伴って環境中に多量の放射性物質が放出されました。その際に、桧垣助教は、花粉用マスクによる放射性物質の防護効果を確認し、結果を昨年11月30日の日本放射線安全管理学会で報告しました。事故から1年を迎え、半減期が長い放射性セシウムによる被ばくが未だに懸念されています。大気中に放出された放射性セシウムは、土壌のみならず、スギ等の針葉樹の葉に比較的吸着されており、樹木の生命活動によって葉から樹木本体や花粉にも移行すると考えられています。そのため、春先には、放射性セシウムを含んだ大量のスギ花粉が飛散することにより、原発周辺に留まらず、その他の地域においても吸入による内部被ばくを引き起こす可能性があります。その一方で、スギ等の花粉の吸入を95%以上防ぐことができるフィルターを採用した花粉用の不織布製マスクが市販されています。

今回は本調査にて先行的に、2月19日~25日の1週間に福島県および東京都の一般市民(それぞれ10名ずつ)が日常生活で着用したマスクの測定を行ったところ、一部のマスクに微量の放射性セシウムが付着していることが確認されました。その最大の数量は、セシウム134と137の合算で4.3ベクレルでした。
今後、調査期間全てのマスクに関して付着した放射能量と花粉量の調査を行い、公表する予定です。

7.問い合わせ先: 東京大学アイソトープ総合センター
研究開発部 化学部門 助教
桧垣 正吾

記者会見当日の資料はこちら

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる