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東京大学生産技術研究所と福島県西白河郡矢吹町の「震災復旧及び復興に向けた連携・協力に関する覚書」の締結及び締結に伴う「まちむすびプロジェクト」の始動について記者発表

東京大学生産技術研究所と福島県西白河郡矢吹町の
「震災復旧及び復興に向けた連携・協力に関する覚書」の締結
及び締結に伴う「まちむすびプロジェクト」の始動について

平成24年7月8日

東京大学生産技術研究所
福島県西白河郡矢吹町

東京大学生産技術研究所(所長 中埜良昭)と福島県西白河郡矢吹町(町長 野崎吉郎)は、平成24年7月8日、「震災復旧及び復興に向けた連携・協力に関する覚書」を締結いたします。
また、同覚書締結を受け、東京大学生産技術研究所 村松 伸 教授と腰原 幹雄 教授らは、住民と協力し、矢吹町にて「まちむすびプロジェクト」※1を本格始動させます。「まちむすびプロジェクト」とは、地域住民が主体となった活動を、行政や大学の研究機関が技術・学術・人材・資金など、さまざまな側面からサポートしていく試みです。

■覚書の趣旨■
覚書締結は、矢吹町の震災復旧及び復興に向けて東京大学生産技術研究所と矢吹町の両者が相互に連携・協力して取り組むことを目的としています。
津波の被害にあった太平洋沿岸部に比べ、注目される機会も少ない福島県中通りにある矢吹町の持続可能な復興を目指します。

■発表概要■
覚書締結により、東京大学生産技術研究所は同町における被災建物の修復活動や今後のまちづくりに向けて専門的な助言を行い、また矢吹町は最大限それに協力することで、両者が連携・協力し被災地矢吹町の持続可能な復興を目指します。また、覚書を締結する2012年7月8日には、矢吹町中央公民館において覚書調印式を開催いたします。式には東京大学生産技術研究所の中埜良昭所長と福島県西白河郡矢吹町の野崎吉郎町長が出席する予定です。

■発表内容■
①背景
福島県西白河郡矢吹町は、福島県中通りに位置する自然豊かな田園のまちです。しかし、昨年発生した東日本大震災により、町内全世帯の半数を超える約3500戸が損壊するなど大きな被害を受けました。また、福島第一原子力発電所の事故に伴う放射能汚染の問題や、従来からの高齢化、町中心部の空洞化などの問題が重なったことで、地域全体が複合的な打撃を受けています。

②内容
東京大学生産技術研究所と福島県西白河郡矢吹町は、昨年来有志の研究者が矢吹町を
訪問し被災建物の修復や今後のまちづくりに関する意見交換を行いながら、同町の復旧及び復興に向けた連携体制を模索してきました。

そして今回、矢吹町の震災復旧及び復興に向け、東京大学生産技術研究所と矢吹町が相互に連携・協力して取り組むことを目的とし、「震災復旧及び復興に向けた連携・協力に関する覚書」を締結することになりました。覚書締結により、東京大学生産技術研究所は同町における被災建物の修復活動や今後のまちづくりに向けて専門的な助言を行い、また矢吹町は最大限それに協力することで、被災地矢吹町の持続可能な復興に寄与することを目指します。

また、両者が覚書を締結する2012年7月8日には、矢吹町中央公民館において覚書調印式を開催いたします。式には東京大学生産技術研究所の中埜良昭所長と福島県西白河郡矢吹町の野崎吉郎町長が出席する予定です。また、同日には、大正ロマンの館※2第一期修復工事完成および写真展「矢吹百年百景・大正ロマンの館展」開催記念式典※3※4が開催されます。

③社会的意義・今後の予定
津波の被害にあった太平洋沿岸部に比べ、内陸部は注目される機会が少なく、その被害の甚大さにもかかわらず、対応・対策が遅れてきました。矢吹町が位置する福島県中通りもそうした地域のひとつです。中長期的な視点にたち矢吹町の復興を目指すだけでなく、そこで得た知見を周辺地域にも活かすことができるよう、情報発信や普及啓発に努めていきます。

■覚書調印式■
日 時:2012年7月8日(日)13:30~14:15
場 所:矢吹町中央公民館二階講義室(矢吹町曙町17番地)

出席者:東京大学生産技術研究所 中埜良昭所長 村松伸教授 腰原幹雄教授 他関
     係者
     矢吹町 野崎吉郎町長 他関係者
内 容:趣旨説明(復旧・復興の現状、今後の活動)、覚書締結、写真撮影

■問い合わせ先■
東京大学生産技術研究所 村松研究室(担当:岡村)
福島県西白河郡矢吹町企画経営課(担当:阿部)

■用語説明■
※1:「まちむすびプロジェクト」
「まちむすびプロジェクト」とは、矢吹町任意団体おむすび※5が主体となり、まち(矢吹町)の中の人々を結ぶこと、さらには、まちの内と外(近隣のまち)の人々を結ぶことで、震災後の福島県中通り地域の一体的再生を目指すプロジェクトです。地域住民が主体となった活動を、行政や大学の研究機関が技術・学術・人材・資金など、さまざまな側面からサポートしていく試みです。津波の被害にあった太平洋沿岸部に比べ、注目される機会も少ない福島県中通りにある矢吹町の持続可能な復興に寄与します。
詳細はこちら(URL:http://www.shinlab.iis.u-tokyo.ac.jp/yabuki/about.html)をご参照ください。

※2:「大正ロマンの館(旧屋形医院)」
矢吹町の駅前商店街にある大正ロマンの館は、大正9年(1920年)に建てられた洋風建築物で、昭和40年代まで「屋形医院」として使われていた建物です。戦時中、治療代の払えない農家の方を、お金の代わりに野菜で診察をしていたことから、町民に「かんぷら(じゃがいも)医者」と呼ばれ慕われていたエピソードと、当時を想わせる外観によって、長く地域に愛されてきました。
東日本大震災後、損傷の激しさから解体が危ぶまれていましたが、所有者のご厚意により、町の復興のシンボルとして、再び地域に役立つ場所としての再利用を目指し、改修が進められることになりました。

※3:写真展「矢吹百年百景・大正ロマンの館展」
「まちむすびプロジェクト」の小さな第一歩として、また、改修を終えた大正ロマンの館の多くの方々へのお披露目の機会として、2012年7月8日(日)から16日(月・祝)にかけて、大正ロマンの館(旧屋形医院)において住民の皆さまが撮った思い出の写真を集めた写真展を開催します。また、合わせて大正ロマンの館の耐震改修、活動拠点のサイドハウスを活用した復興まちづくりに関する展示も行います。
詳細はこちら(URL:http://www.shinlab.iis.u-tokyo.ac.jp/yabuki/event_info.html)をご参照ください。

※4:大正ロマンの館第一期修復工事完成および写真展「矢吹百年百景・大正ロマンの館展」開催記念式典
2012年7月8日(日)の覚書締結式に引き続き、矢吹町中央公民館二階講義室にて大正ロマンの館の第一期修復工事の完成および写真展「矢吹百年百景・大正ロマンの館展」開催を記念した記念式典を実施致します。
詳細はこちら(URL:http://www.shinlab.iis.u-tokyo.ac.jp/yabuki/event_info.html)をご参照ください。

※5「矢吹町任意団体おむすび」
東京大学生産技術研究所と矢吹町をむすび、「まちむすびプロジェクト」を推進する事務局です。矢吹町住民、行政職員と東京大学生産技術研究所関係者、各種専門家で構成されています。「まちむすびプロジェクト」では発見された課題に対して、矢吹町住民/行政職員と外部の専門家が協力して解決をめざしますが、おむすびはそのマッチングを行います。現状は任意団体ですが、今後は社団法人化/NPO化なども視野に入れ、活動を進めていきます。(代表:大木代吉(大木代吉本店会長))

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