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東京大学大学院情報学環とフリービットとfreebit mobile、新世代ネットワーク技術 SDN / NFVを用いたMVNOの実証実験を開始記者発表

東京大学大学院情報学環とフリービットとfreebit mobile、
新世代ネットワーク技術 SDN / NFVを用いたMVNOの実証実験を開始
~利便性、コスト面などエンドユーザーのニーズに柔軟に応じることができる、
きめ細やかな次世代MVNOサービスのビジネスモデルを検証~

平成26年6月30日

東京大学大学院情報学環
フリービット株式会社


東京大学大学院情報学環(以下:「東大大学院情報学環」)とフリービット株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石田宏樹、以下「フリービット」)及びfreebit mobile(※1)とは、東大大学院情報学環にて開発した、SDN(※2)とNFV(※3)に対応したプログラマブル・ネットワーク・ノード(※4)FLARE(※5)を用いて、ネットワークオペレーターが柔軟にネットワークサービスを構築可能にする次世代の仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator, MVNO(※6))の実証実験を開始いたしました。


今回の実証実験では、国内全エリアでインターネットサービスが利用可能なスマートフォン(freebit mobile PandA 次世代開発機)を実験参加者に無料で貸与し、後述のように高度な付加価値サービスを動的に追加可能な、次世代のMVNOのビジネスモデルを検証いたします。


特に、従来のMVNOに見られるような低帯域・低価格のインターネット接続など画一的サービスの価格競争からの脱却を目指し、コストを抑えながらも付加価値サービスをエンドユーザーの需要に応じて柔軟に構成可能で、かつ継続的にサービスを向上し提供することが可能なビジネスモデルの検証を行います。例えば、アプリケーションの種別毎、また、アプリケーションの使用状況に応じた通信速度の制御や、異常通信を迅速に検知する高度なセキュリティ機能の提供など、従来にはなかったきめ細やかなネットワークサービス創成の共同開発に取り組んでまいります。

 

1.背景
東大大学院情報学環では、これまで、新たなアプリケーション創成を出発点とし、従来のインターネットのアプリケーションの概念にとらわれず、エンドユーザーの端末とネットワーク内で動作するネットワークサービス機能を連携させることが可能な、SDNとNFVに対応したプログラマブル・ネットワーク・ノード FLAREの研究開発を推進してきました。本共同研究では、FLAREを用いて、低価格競争が進むMVNOの分野へ応用し、差別化に繋がる様々な端末と網の連携技術の研究開発を進めていく予定です。このたび、従来では例がない試みとして、日本全国をカバーする実験用MVNOをフリービットと東大大学院情報学環で共同運用しながら、アプリケーション毎、あるいは、アプリケーションの実行状況に応じた通信の最適化や、異常通信を迅速に検知する高度なセキュリティ機能など、 実ネットワークに対応した新規技術の共同開発に取り組みます。

 

一方、フリービットグループは、2000年の創業時より「Being The Net Frontier! ~インターネットをひろげ社会に貢献する~」という理念のもと、全国のISP(インターネットサービスプロバイダー)事業者の皆様に対してインターネット接続環境を提供するサービスを日本最大(社数ベース)約400社のISP事業者様にワンストップで展開してまいりました。また、近年ではコンシューマー向けスマートフォン事業「freebit mobile」に参入するなど、日本のインフラサービスを下支えするサービスを提供しております。本共同研究により、大学発のアイデアをビジネスの観点から検討し、迅速に商用化を推進することで、従来のMVNOとは異なる、全く新しいサービスを継続的に投入できるビジネスモデルの検証に取り組みます。

 

2.実証実験の概要
貸与された端末やSIMカードを利用して、日本国内どこでも通信可能なLTE接続環境を利
用しながら、次世代のMVNOのパイロットサービスを体験可能な実験を行います。

東大とフリービットは、本実証実験を通じて、以下について検証いたします。

1.スマートフォンの利用におけるユーザーの不満や問題を解決するきめ細やかなサービスを、ソフトウェアによりダイナミックに随時実現が可能なSDN/NFV基盤技術の開発。
2.大学発のアイデアを迅速に商用化可能とする、キャリアと大学の産学連携の仕組みの確立。
3.次世代のMVNOのあり方とマーケティング戦略の共同開発。

・提供内容
  東京大学大学院情報学環:実験に参加する学生、LTE端末、東京大学の構内ネットワーク
フリービット:MVNO帯域、XiのAPN、freebit mobile PandA 次世代開発機
 
3.実証実験期間
期間:2014年6月15日~2015年3月31日


4.今後の展望
今後は、今回の実証実験により次世代のMVNO の基盤技術、および、新規ネットワーク
サービスなどを実際のインターネット環境で実証し、幅広く商用化するためのビジネスモデルの検討を積極的に進める予定です。

 

本実証実験は、東大大学院情報学環が研究を進めるSDNとNFVという先端技術を更に拡張し、通信基盤の根本を成す機構もプログラムにより変更可能にする「Deeply Programmable Networking」の概念を実現するプログラマブル・ネットワーク・ノードFLAREの研究開発の推進、特に、FLAREの実ネットワークへの展開を進めるための重要なステップという位置付けとなります。

 

本実証実験は、フリービットが掲げる中期経営計画「SiLK VISION 2016」に基づき、今後急成長が予想される「モバイル革命」に向けた重要施策であり、積極的にサービス開発に取り組んでまいります。
フリービットは今後も「Being The Net Frontier! インターネットをひろげ、社会に貢献する」という企業理念のもと、法人のお客様並びにエンドユーザー様に快適なサービスを提供できるよう努めてまいります。

 

※1:freebit mobile は、フリービット株式会社の子会社である株式会社ドリーム・トレイン・インターネットが提供するコンシューマー向けスマートフォン事業のブランド名です。サービスサイト:http://freebit.jp/
※2:SDN(Software-Defined Networking)
コンピュータネットワークを構成する通信機器を単一のソフトウェアによって集中的に制御し、ネットワークの構造や構成、設定などを柔軟に、動的に変更することを可能とする技術の総称。近年では、ネッ トワークのあらゆる構成や機能をソフトウェアだけで簡単に個別に設定できるようにすることを目指す、SDN に代表されるネットワーク仮想化の概念が注目されている。
※3:NFV(Network Functions Virtualization)
ネットワークを制御する通信機器の機能をソフトウェアとして実装し、汎用サーバの仮想化されたOS上で実行する方式。
※4:プログラマブルネットワークノード
通信基盤を構成する機能をプログラムにより 継続的に変更可能にするネットワーク機器
※5:FLARE
従来のインターネットのアプリケーションの概念にとらわれず、エンドユーザーの端末とネットワーク内で動作するネットワークサービス機能を連携させることが可能な、SDNとNFVに対応したプログラマブル・ネットワーク・ノード。
※6:MVNO(Mobile Virtual Network Operator)
  「仮想移動体サービス事業者」とも呼ばれる 他者のインフラを利用してサービスを提供している移動体通信事業者


以上

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