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学習に困難のある児童生徒にICTを活用した合理的配慮の提供を推進 最新Windows 8タブレットなどを無償提供 「DO-IT School」プロジェクト 実証研究参加教員・指導者を募集記者発表

学習に困難のある児童生徒にICTを活用した合理的配慮の提供を推進
最新Windows 8タブレットなどを無償提供
「DO-IT School」プロジェクト 実証研究参加教員・指導者を募集

平成26年8月4日
東京大学先端科学技術研究センター
日本マイクロソフト株式会社
株式会社東芝

 

東京大学先端科学技術研究センター(所長:西村 幸夫 、以下 東大先端研)、株式会社東芝(本社:東京都港区、取締役 代表執行役社長 田中 久雄、以下東芝)、および日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:樋口 泰行、以下日本マイクロソフト)は、障害や病気による困難を抱える若者を支援する「DO-IT Japan」プロジェクトの一環である「DO-IT School」を実施します。今回の「DO-IT School」は、学習に困難のある児童生徒の学校教育における ICTを活用した合理的配慮の提供を推進することを目指し、実証研究に協力いただける教員・学校・教育委員会を募集します。

 

2014年1月、日本は国連の「障害者権利条約」に批准しました。2013年には「障害者差別解消法」が成立し、2016年4月から施行されます。これらには、障害のある人々に対し合理的な配慮を提供しなければならない、と明記されていますが、現在教育の現場において、合理的配慮の提供は進んでいないのが実状です。
  例えば学力をはかるテストで、鉛筆では解答の筆記が難しくても、キーボードで入力できれば解答できる肢体不自由や書字障害のある子ども、目で問題文を読むことは苦手だけれど、タブレットの音声読み上げ機能を使い、問題を耳で聞けば理解できる子どもがいても、多くの場合、ICT機器の利用は許されていません。
  このプロジェクトでは、日本に多く在籍する(注1)学習に困難のある児童生徒が、困難のある部分をICTで補い、本質的な学びを実現するために、合理的配慮の提供を推進することを目指します。


今回提供されるWindows 8タブレットは、学習に困難のある児童生徒向けの基本機能が標準搭載されていることに加え、日本語入力機能をカスタマイズして設定した学年で習う漢字以外は変換できないなど、多様な児童生徒の学習に合理的配慮を提供する機能を備えています。


「DO-IT School」は、研究への参加を希望する教員・教育委員会を募り、10月にICT機器の無償提供と導入セミナーを行います。各プログラムに採択された教員・教育委員会は、授業や学力テスト等におけるICT機器を活用した実践を行い、中間報告へ参加いただくとともに、終了時(2016年3月)の実践報告書を提出していただきます。


東大先端研は「DO-IT School」での実証研究の監修・指導を行い、学術的な研究成果としてまとめます。

日本マイクロソフトは、Kinect for Windowsなどの機材等を提供し、導入・活用にあたっての技術支援、知見の提供を行います。
東芝は、「DO-IT School」に対し、最新Windows 8タブレット「dynabook tab」などを提供します。今回このプロジェクトに新たに参加し、多様な児童生徒のICT活用についての研究成果を、今後の製品開発や教育現場でのICT活用推進に役立てます。

 

3者は「DO-IT School」プロジェクトを通じ多数の研究成果と知見を収集・公開することで、学習に困難のある子どものたちの、ICTを活用した合理的配慮の提供をさらに推進します。

 

 

注1:特別支援学校および学級に約28万人在籍 (文部科学省「特別支援教育資料」(平成23年度))。通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある小中学生6.5% (文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」(平成24年)


<「DO-IT School」概要>


<アクセシブル テスティング プログラム>
読むことや書くことに困難があったり(ディスレクシア)、発達障害、肢体不自由、視覚障害など、学習するうえで困難のある小中学生が対象。障害の種別は問いませんが、教科学習を行っている、または行う予定がある小中学生が対象。
最新のWindows 8タブレットと適切なアプリ等で学習を行い、合理的配慮が提供された環境で学力テストを行い、その学習効果をはかる。
1研究例につき、教員・指導者用1台、児童生徒用1~6台のWindows 8タブレットを提供。

 

<OAK プログラム>
肢体不自由などの理由により、通常の方法では能動的活動や意思表出が難しい小中学生が対象。
Kinect for Windows と、ソフトウェア OAK(Observation and Access with Kinect)、Windows PCを利用し、文字の入力や、機器の操作など、コンピューターを通じた意思表出やコミュニケーション、学習を支援する。
1研究例につき、Windows 8のノート PC 1台、Kinect for Windows 1台、OAK Pro 1ライセンスを提供。

 

応募対象:自校・施設の協力のもと、プロジェクトの趣旨に添い担当する児童生徒の指導が実施できる教員、または教育委員会。
募集数:各プログラムにつき最大10例ずつ。計20例。
※応募にあたっては、所属する学校や施設の責任者と、担当する児童生徒の保護者による同意が必要です。
応募締切:2014年9月22日(当日消印有効)
実証研究期間:2016年3月末まで
詳細な応募要項、応募用紙は以下のウェブサイトで公開します(8月下旬を予定)。
DO-IT Japan ウェブサイト:http://www.doit-japan.org/


<「DO-IT Japan」プロジェクトとは>
東大先端研中邑賢龍教授(人間支援工学)が会長を務める任意団体「DO-IT Japan」が主催する、障害や病気による困難を抱える若者を支援するプロジェクトで、2007年にスタート。全国から選抜された中高校生や小学生が東大先端研に集まり、自らの困難を克服するためのICTを学ぶ夏季プログラムや、障害者の社会参画を考える大学生プログラム、重度障害児向けプログラムなどを実施しています。

 

Microsoft, Windows, Kinectは、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
* Windows の正式名称は、Microsoft Windows Operating System です。
* その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

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