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「無人航空機によるAED搬送公開実験」開催 ―突然の心臓発作を空から救う―研究成果

「無人航空機によるAED搬送公開実験」開催
―突然の心臓発作を空から救う―

平成27年1月19日

東京大学大学院工学系研究科
東京 瀧本ゼミ、技術協力 減らせ突然死プロジェクト

 

このたび東京大学大学院工学系研究科は、無人機航空機を用いたAED(自動体外式除細動器、Automated External Defibrillator)の緊急搬送の可能性を検討するため公開飛行実験を実施いたしました。

突然死のほとんどは心臓疾患によるもので、年間7万人以上、一日で約200人が心臓突然死で亡くなっています。心臓が止まってから1分毎に生存率が10%落ち、10分後には死にいたります。しかし、心臓突然死のほとんどは心室細動が原因のため、AEDを用いれば心臓突然死から救える可能性が高くなります。日本では、AEDが使用された場合、使われなかった場合に比べて救命率は4倍以上になります。このため、救命のためにはAEDができるだけ早く現場に到着し、使用される必要があります。しかし、AEDを配備できる台数は限られているため、より戦略的な設置と搬送手段の適用が重要になってきています。

無人航空機は、GPS(全地球測位網、Global Positioning System)受信機を搭載することで、決められたコースを自動で飛行することが可能で、特に複数のプロペラを用いたマルチコプター型の無人航空機は垂直離着陸が可能であり、緊急時に滑走路の無い場所でも使用が可能です。被災地での空撮や、自然環境モニタリングに加えて、医療品のような軽量荷物の搬送手段としてもその使用が注目されています。東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 鈴木真二教授・土屋武司准教授の研究室では、2005年から無人航空機による応用研究を進めていますが、今回、東京 瀧本ゼミ(注1)および「減らせ突然死プロジェクト」(注2)と協力して、AEDの搬送実験に協力することになりました。使用するマルチコプターはドイツ製のオクトコプター(8枚プロペラ)で、自動操縦ソフトウェアは同研究室のChristopher Raabe(クリストファー・ラビ)助教が開発しました。

今回、京葉カントリークラブのご協力により、ゴルフ場でのAED搬送飛行試験を実施することになりました。敷地が広く、高齢者が利用するケースが多いゴルフ場は、無人航空機によるAED搬送のモデルケースとなります。

注)注1 東京瀧本ゼミ:東京大学駒場キャンパスを活動拠点とする学生活動サークル
http://think-tank-tsemi-aed.blog.jp/
注2 減らせ突然死プロジェクト:AED普及を目的とした活動およびその組織 http://aed-project.jp/

 


日時:平成27年1月19日(月)13:00集合(天候により延期の可能性あり)
集合場所:京葉カントリー倶楽部 クラブハウス前
   〒265-0066 千葉県千葉市若葉区多部田町802 

 

【飛行試験に使用する無人航空機】


AED搬送を試験飛行するマルチコプター(鈴木・土屋研究室)

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