東京大学教職員・学生の手記「柏地区における計画停電に対する対応について」

東日本大震災 - 東京大学教職員・学生の手記

平成23年3月11日に発生した東日本大震災発生時の様子やその後の行動、対応、感想等を本学関係者に手記として執筆してもらいました。

柏地区における計画停電に対する対応について

柏地区共通事務センター 副事務長 佐藤 典明

 東日本大震災の発生を受けて東京電力管内で実施された計画停電で、柏地区では平成23年3月15日(火)12時50分~15時40分、同16日(水)09時50分~12時30分の2度にわたり実際に停電が実施された。

 3月13日(日)の計画停電実施公表後、災害対策本部から「明日にも柏市で計画停電が実施される見込み」との情報提供を受け、柏地区では同日夕より、教育・研究活動への影響回避に向けた連絡調整及び実験機器等対応、施設設備対応の検討に入った。

 連絡調整先は柏地区各部局の他、柏どんぐり保育園や構内の各業務委託業者、納入業者、工事業者などに及んだ。調整の結果、保育園他の委託業者からは、保育時間の短縮や店舗営業の一時中止・時間短縮などの対応協力を得た。学生・教職員への計画停電に関する連絡は主としてメール(和文・英文)によった。また、停電前の対応として要所に貼紙を掲示し、直前には一斉放送(日本語・英語)により在館者への周知を図った。

 実験機器等対応のうち、消費電力の大きい物性研と宇宙線研のスーパーコンピュータについては災害対策本部の要請により、それまでに運転を停止していた。その他の重要機器については各部局から、受変電設備年次点検に伴う停電の際の対応と同じく、発電機の設置と一部自家発電設備による対応を求められた。しかし今回は停電実施まで時間がないうえに、被災地対応等の影響で発電機の確保及び自家発電設備の燃料の確保の見通しが立たない中で、十全な対応はほぼ不可能な状況であったため、最終的には各部局に説明のうえ、停電中の機器停止措置という最低限の対応のみを取るしかなかった。

 施設設備対応のうち、各建物の受変電設備については、要員数の不足から入切操作は行わず、送電側の停復電に委ねる措置を取った。その他の設備については電力危機対策チームからの節電要請を受け、空調設備等の使用停止措置を開始したところであったが、なお運転中の設備のうち、エレベーターとネットワーク設備については事前の停止措置を取った。入退室管理設備、水道設備、照明設備等については入切操作を行わず、送電側の停復電に委ねた。その他の一般機器等については復電時の一斉始動による過電流を防ぐため、直前の放送により可能な限り事前に電源を切るよう在館者に依頼した。また、正門の入構ゲートについては開放措置を取った。

 15、16日の計画停電時における対応は、概ね以上のとおりであった。

 これ以降は、生命系の実験装置で自家発電設備を停電時対応可能な状態としたほか、関係者の連絡網、役割分担やローテーション等の体制を整備したうえ、次の停電に備えた。この体制は柏地区が計画停電対象地域から外れた3月28日(月)まで維持された。

 最後にこの場を借りて、当時の関係者の方々のご協力とご尽力に対し感謝申し上げるとともに、2度の停電により教育・研究上の大きな制約を強いることになった学生・教職員の方々に対し、当時の対応が十分にできなかったことを深くお詫び申し上げ、結びとさせていただく。



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