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東日本大震災 <東京大学の対応について>

ひょうたん島通信 第5回

 岩手県大槌町の大気海洋研究所附属国際沿岸海洋研究センターのすぐ目の前に、蓬莱(ほうらい)島という小さな島があります。井上ひさしの人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルともされるこの島は、「ひょうたん島」の愛称で大槌町の人々に親しまれてきました。ひょうたん島から毎月、沿岸センターと大槌町の復興の様子をお届けします。

「ひょうたん島通信 第5回」は、東京大学学内広報NO.1425 (2012.5.25)に掲載されたものです。

【かわべコラム】

被災地の子どもたち
  ―終わりなき旅 I Still Haven't Found What I'm Looking For―

 かわべコラム拡大版です!
国際沿岸海洋研究センター専門職員・川辺幸一です。2月から大槌町勤務に戻りました。 釜石市から提供を受けた仮設住宅に住み、そこから大槌町中央公民館内にある復興準備室に通勤しています。「ひょうたん島通信」が早くも連載5回目を迎えた記念として、今回は「かわべコラム」拡大版をお送りします。

 

 仮設住宅での生活で体が鈍らないよう、時間がある時には被災地をジョギングしています。そんな時、学校の部活帰りなのか、何人かの子どもたちとすれ違うことがあります。彼らは見ず知らずの私に対し、「こんにちは」と礼儀正しく挨拶をしてくれます。


5つの学校が集う仮設校舎

  岩手に遅い春が訪れ、ようやく桜が咲き始めた4月下旬。大槌町の小中学校仮設校舎を訪れました。ここは震災により使用できなくなった大槌小学校、安渡小学校、赤浜小学校、大槌北小学校、大槌中学校の計5校が合同で利用している校舎です。町の中心部から山側に遠く離れた不便な立地にあるこの校舎への登下校は親御さんによる送迎、もしくは町を巡回するスクールバスを利用しているとのことです。 そんな厳しい生活環境にも負けず、休み時間に校舎から飛び出してきた子どもたちは笑い声とともに元気いっぱい校庭を飛び回っていました。


授業風景


仮設校舎グラウンドで元気に遊ぶ子どもたち


 沿岸センターで私と一緒に働いている短時間雇用職員の伊藤弘恵さんも津波で自宅を失った被災者のひとりです。現在は釜石市の仮設住宅から大槌町の復興準備室に通勤されています。伊藤さんには3人のお子さんがいらっしゃいます。震災前には自宅の子ども部屋で兄弟別々に勉強をしていたそうですが、仮設住宅ではそうもいかず、狭い一室で生活時間の違う兄弟が「明かりが眩しくて眠れない(弟)」、「試験があるんだからガマンしろ(兄)」というようなやり取りを毎日して いるとのこと。家族全員ストレスのたまる生活が続いているそうです。
 一見すると元気いっぱいで明るい被災地の子どもたちですが、 彼らは多感な時期に未曾有の大地震と大津波を経験しました。多くの子が家や学校を失い、家族や友達を亡くしたりと想像を絶する数多くの悲しい出来事に遭遇したに違いありません。そんな被災地の子どもたちを思うと、ひとりの親として未来に幸あれと願わずにはいられないのです。

 
廊下にはられた全国からのメッセージ

 ◆仮設校舎に通う生徒数
 ・大槌小学校 197名
 ・安渡小学校  34名
 ・赤浜小学校 18名
 ・大槌北小学校 188名
 ・大槌中学校 269名
 計 706名

 

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「ひょうたん島通信」第5回
制作: 大気海洋研究所広報室
掲載: 東京大学学内広報 NO.1425 (2012.5.25)

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