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特徴的な教育活動

後期教養教育科目について

 

東京大学では、東大憲章にも掲げてあるように、リベラルアーツ教育を基礎としています。後期教養教育科目とは、専門を学んだ後のリベラルアーツ教育です。以下に挙げる趣意書に基づき、知のプロフェッショナルとして柔軟かつ責任ある思考ができる素地を培います。



後期教養教育立ち上げ趣意書
 

総合的教育改革では、学士課程としての一体性の強化の1つとして後期教養教育を考え、1,2年生だけにとどまらない学部4年間を通しての教養教育の実施を構想する。リベラルアーツとは、人間が独立した自由な人格であるために身につけるべき学芸のことを指す。現代の人間は自由であると思われているが、実はさまざまな制約を受けている。日本語しか知らなければ、他言語の思考が日本語の思考とどのように異なるのか考えることができない。ある分野の専門家になっても、他分野のことを全く知らないと、目の前の大事な課題について他分野のひとと効果的な協力をすることができない。気づかないところでさまざまな制約を受けている思考や判断を解放させること、人間を種々の拘束や制約から解き放って自由にするための知識や技芸がリベラルアーツである。

これまで東京大学では前期課程の2年間で教養教育をおこなってきたが、教養教育は2年間で終わるものではなく、専門課程にすすんだあとも続くべきものと考えられる。むしろある程度の専門教育を受けたあとでこそ、はじめて意味をもつ教養教育もある。自分の専門が今の社会でどのような位置づけにあり、どういう意味があり、ほかの分野とどう連携できるかを考えることなどである。自分とは異なる分野を専門とし、異なる価値観をもつ他者と出会うことによって、自らを相対化する力を養う。そのためには、古典を読む、別分野の最先端の研究に触れる、詩にふれる、比較をしてみる、などさまざまな形がありえるだろう。日本は他国と比べて研究チームにおける専門分野の多様性が低い(つまり他分野との共同が少ない)傾向がデータとして示されている事実に鑑みて、このような相対化の能力は、これまでの専門教育の欠陥を補うものとしての必要性が認められる。

このようなリベラルアーツは、ただ多くの知識を所有しているという静的なものではない。また専門分野の枠をただ越えるだけではなく、枠を「往復」する必要がある。さまざまな境界(専門分野の境界、言語の境界、国籍の境界、所属の境界)を横断して複数の領域や文化を行き来する、よりダイナミックな思考が必要となる。ここで往復には二種類の意味がある。一つは、異なるコミュニティの往復という意味である。たとえば他学部聴講は、出講学部のバックグラウンドをもつ学生のなかに、他学部のバックグラウンドをもつ少数の学生、つまりアウェイの学生が入ることである。アウェイの学生にとっては、ホームの学部とアウェイの学部を往復することにより、自らの専門性を相対化する機会が与えられることになる。二つ目の意味は、学問の世界と現実の課題との間の往復、あるいは専門的知性と市民的知性との間の往復の意味である。後者は文系理系を問わず、学問に従事する者の社会的リテラシー、すなわち自らの研究成果が社会のなかにどう埋め込まれ、展開されていくのか想像できる能力にあたる。これは研究倫理を支える基盤ともなる。

自分とは異なる専門や価値観をもつ他者と対話しながら、他分野や異文化に関心をもち、他者に関心をもち、自らのなかの多元性に気づいて自分の価値観を柔軟に組み換えていく。そのような開かれた人格を涵養するリベラルアーツ教育を後期課程のなかで展開する。


学生への通知文(東京大学後期課程の皆さんへ)

2017年度 後期教養教育科目開講状況(2017年4月現在)
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