複合リスク・ガバナンスと公共政策研究

  • 目標2:飢餓をゼロに
  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標6:安全な水とトイレを世界中に
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろ
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標16:平和と公正をすべての人に
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
城山 英明
未来ビジョン研究センター
教授/公共政策学連携研究部 教授
複合的リスク・ガバナンスと公共政策に関する社会科学系を基軸とする俯瞰的政策研究を、自然科学系を含むアカデミズムと、実務の協働を伴いつつ展開し、社会的意思決定とマネジメントのあり方について、問題提起と提言を行っている。物理的事象や人間の社会経済活動が相互に連結した結果としてもたらされる複合リスクの具体的な対象としては、例えば、東日本大震災に由来する津波・原発事故に起因する避難リスクや食品安全の問題や、エボラ出血熱のように公衆衛生・保健にとどまらず、人道的・経済的・政治的危機に発展した国際的な感染症危機の問題などを取り上げてきた。前者については、3年間の調査結果を書籍にまとめるとともに、その知見等を踏まえ、緊急事態対処に係る法制度、国家レベルの事態対処・危機管理機能に係る制度・組織設計、重要インフラ防護・レジリエンス強化のための研究政策・制度と官民連携等の行政的課題について、14の政策提言にまとめ、シンポジウムを開催して広く社会に発信した。また、後者については、2016年のG7伊勢志摩サミットにおけるG7各国に対し、サーベイランスの仕組み、WHOにおける意思決定、国際機関間の調整枠組み、資金調達枠組みに関する4つの政策提言をPolicy Briefとして広く発信するとともに、関連する国内外の実務担当者等を集めた国際セミナーを開催して議論などを行った。これらは、ビジョンセンターが今後展開する国際政策プラットフォームの一つの事例である。さらに、質の異なる多様なリスク間への対応を検討するうえでは、リスク間の関係性を俯瞰的に把握・可視化・分析したうえで優先順位付けすることが必要であり、そうした試みの前提としてリスクマッピング調査も実施した。現在、こうした試みをさらにアジア地域、グローバルに展開していくためのネットワーク構築も展開している。
UNMEER, on Flicker
調査結果書籍「福島原発事故と複合リスク・ガバナンス」(東洋経済新報社)

プロジェクトに関するURL

共同実施者

谷口武俊(政策ビジョン研究センター 教授)、岸本充生(大阪大学データビリティフロンティア機構 教授)、松尾真紀子(公共政策大学院 特任講師)、三國谷勝範(前政策ビジョン研究センター教授・預金保険機構理事長)
勝間靖(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)グローバルヘルス政策研究センター(iGHP)グローバルヘルス 外交・ガバナンス研究科長、渋谷健司(東京大学大学院医学系研究科教授)グローバルヘルス政策研究センター(iGHP)センター長
Jonathan B. Wiener (Professor of Law at Duke Law School, Professor of Environmental Policy at the Nicholas School of the Environment, and Professor of Public Policy at the Sanford School of Public Policy, at Duke University), Kenneth Oye(MIT, Professor at the School of Humanities Arts and Social Sciences and School of Engineering,and Director of the Program on Emerging Technologies, PoET)

主な関連論文

城山英明編(2015)『大震災に学ぶ社会科学 第3巻 福島原発事故と複合リスク・ガバナンス』 Hideaki Shiroyama, Yasushi Katsuma, Makiko Matsuo (2016), "Rebuilding Global Health Governance - Recommendations for the G7,”PARI Policy Brief(査読なし)。 Japan Global Health Working Group (2016), Protecting human security: proposals for the G7 Ise-Shima Summit in Japan, the Lancet, Health Policy, Volume 387, No. 10033, p2155-2162 (Japan Global Health Working Groupのメンバーとして共著) 戦略的創造研究事業(社会技術研究開発)科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プロジェクト「市民社会・社会活動の安全確保政策のためのレジリエンス分析」研究開発実施終了報告書、p32-38、平成28年10月三國谷勝範、谷口武俊、城山英明、岸本充生、蛭間芳樹、松尾真紀子「日本のリスク・ランドスケープ 第2回調査結果」(東京大学ワーキングペーパーシリーズPariWP15、20巻、2015年、1-112頁)(http://pari.u-tokyo.ac.jp/publications/WP14_13.html) 三國谷勝範、谷口武俊、城山英明、岸本充生、蛭間芳樹、松尾真紀子「日本のリスク・ランドスケープ 第1回調査結果」(東京大学ワーキングペーパーシリーズPariWP14、12巻、2014年、1-114頁)(http://pari.u-tokyo.ac.jp/publications/WP14_12.html) 城山英明「複合リスクとグローバルガバナンス-機能的アプローチの展開と限界」(杉田敦編『岩波講座現代4:グローバル化のなかの政治』岩波書店、2016年4月、239-268頁) 城山英明「リスクの拡散と連動にどう対応するか」(遠藤乾編『シリーズ日本の安全保障8:グローバル・コモンズ』岩波書店、2015年11月、17-46頁)

問い合わせ先

  • 担当: 松尾 真紀子
  • メールアドレス: pari[at]pari.u-tokyo.ac.jp
    ※[at]を@に置き換えてください
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