災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究
古村 孝志
地震研究所
所長
地震・火山災害の軽減に貢献するため、関連大学や研究機関等と連携し、地震・火山現象の解明、地震や火山噴火の発生の予測を目指した研究を実施するとともに、災害の引き起こす元となる地震動、津波、火山灰や溶岩の噴出などの災害誘因予測の研究も実施する。研究成果を地震・火山災害軽減に効果的に活用するため、地震・火山の理学研究だけでなく、防災に関する工学や人文・社会科学の研究も連携して実施し、安心・安全な人類社会の構築に貢献することを目指す。 近年の成果の例としては、2024年能登半島地震の発生の際には、速やかに緊急研究計画を実施し詳細な震源分布を明らかにして、この地震の複雑な破壊過程等を解明した。成果は国の地震調査委員会などに報告し、この地震の評価に貢献し、災害発生過程の解明のために基礎資料を提供した。また、2021年福徳岡ノ場噴火では大量の軽石が広範囲に漂流し漁業等に影響を与えたが、大量の軽石を生み出したメカニズムを解明した。京都大学防災研究所と連携し、震源過程、地震波伝播、建造物破壊などを一連の過程として統合的に評価して、南海トラフ巨大地震のリスク評価を研究した。
加藤愛太郎
前野深
プロジェクトに関するURL
共同実施者
北海道大学大学院理学研究院、弘前大学大学院理工学研究科、東北大学大学院理学研究科、東北大学災害科学国際研究所、秋田大学大学院国際資源学研究科、新潟大学災害・復興科学研究所、東京大学大学院理学系研究科、東京大学大学院情報学環、東京大学史料編纂所、東京大学大気海洋研究所、東京大学地震火山史料連携研究機構、東京工業大学科学技術創成研究院、千葉大学大学院理学研究院、名古屋大学大学院環境学研究科、富山大学学術研究部都市デザイン学系、京都大学防災研究所、京都大学大学院理学研究科、国立文化財機構奈良文化財研究所、神戸大学海洋底探査センター 、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科、鳥取大学大学院工学研究科、高知大学理工学部、九州大学大学院理学研究院、鹿児島大学大学院理工学研究科、立命館大学総合科学技術研究機構、情報通信研究機構、防災科学技術研究所、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所地質調査総合センター、国土地理院、気象庁、海上保安庁海洋情報部、北海道立総合研究機構環境・地質研究本部エネルギー・環境・地質研究所、山梨県富士山科学研究所
主な関連論文
- A. Kato, Implications of fault-valve behavior from immediate aftershocks following the 2023 Mj6.5 earthquake beneath the Noto Peninsula, Central Japan, Geophys. Res. Lett., 51, https://doi.org/10.1029/2023GL106444, 2024.
- F. Maeno, T. Kaneko, M. Ichihara, Y. J. Suzuki, A. Yasuda, K. Nishida, and T. Ohminato, Seawater-magma interactions sustained the high column during the 2021 phreatomagmatic eruption of Fukutoku-Oka-no-Ba, Commun. Earth Environ., 260, https://doi.org/10.1038/s43247-022-00594-4, 2022.
- H. Kobayashi, K. Koketsu, H. Miyake, and H. Kanamori, Similarities and differences in the rupture processes of the 1952 and 2003 Tokachi-Oki earthquakes, J. Geophys. Res. Solid Earth, 126, https://doi.org/10.1029/2020JB020585, 2021. [4] T. Kaneko, F. Maeno, M. Ichihara, A. Yasuda, T. Ohminato, K. Nogami, S. Nakada, Y. Honda, and H. Murakami, Episode 4 (2019–2020) Nishinoshima activity: abrupt transitions in the eruptive style observed by image datasets from multiple satellites. Earth Planets Space, 74, 34, https://doi.org/10.1186/s40623-022-01578-6, 2022.
問い合わせ先
- 担当： 加藤 尚之
- 内線： 25812
- メールアドレス： nkato[at]eri.u-tokyo.ac.jp
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