Aging in Place実現のための地域包括ケアシステム構築 -多職種連携による在宅医療推進のモデル化-

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろ
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
飯島 勝矢
高齢社会総合研究機構
機構長/教授
平均寿命の延伸により、人生は100年時代となった。高齢者が最期まで生活者として生き切ることができるように、在宅医療を含む地域包括ケアが定着した社会づくりが不可欠である。その社会づくりは、団塊の世代が75歳を迎える2025年までを目途に、日本全体の課題であり、残された時間は少ない。よって、地域包括ケアシステムの構築の中心的な役割を担う市町村行政と地域の医療を面的に支える存在である郡市医師会が核となって、「医療」を含む真の地域包括ケアシステムを構築することが重要となる。

そこで、東京大学高齢社会総合研究機構は、今後も高齢者人口が増え続ける首都圏の千葉県柏市において、柏市・UR都市機構とともに、2009年から在宅医療介護連携推進のモデル構築を試みた。そして、このモデルは柏市行政は多職種が連携する土台を作り、柏市医師会は組織として多職種の専門職団体が連携する体制づくりに関与することが不可欠であると基本認識して構築された。

柏市の在宅医療介護多職種連携の体制は、厚生労働省医政局施策の在宅医療連携拠点事業(平成23年度・24年度)と在宅医療推進事業(平成25年度より)により、全国の「多職種連携体制モデル」となった。これらの事業実施と成果を踏まえ、介護保険法に制度化された(平成27年度より)。

これから推測されている地球規模の高齢化は、特にアジア地域では日本より急速で人口規模が大きい。世界の超高齢社会のトップランナーである日本で開発された「多職種連携体制のモデル」は、高齢化する世界のあらゆる地域でのモデルとなることが期待される。

多職種連携体制のモデル開発と実装

共同実施者

・柏市
・UR都市機構
・福井県

主な関連論文

・Igarashi A, Yamamoto-Mitani N, Yoshie S, Iijima K. Patterns of long-term care services use in a suburban municipality of Japan: a population-based study. Geriatr Gerontol Int. 2017;17(5):753-759.
・Kimura T, Yoshie S, Tsuchiya R, Kawagoe S, Hirahara S, Iijima K, Akahoshi T, Tsuji T. Catheter replacement structure in home medical care settings and regional characteristics in Tokyo and three adjoining prefectures. Geriatr Gerontol Int. 2017;17(4):628-636.
・Kimura T, Yoshie S, Tsuchiya R, Kawagoe S, Hirahara S, Iijima K, Akahoshi T, Tsuji T. Cooperation between Single-Handed and Group Practices Ensures the Replacement of Gastrostomy Tubes and Tracheal Cannulas in Home Medical Care Settings. Tohoku J Exp Med. 2017 Mar;241(3):189-199.
・東京大学高齢社会総合研究機構(編), 地域包括ケアのすすめ: 在宅医療推進のための多職種連携の試み. 東京大学出版会, 2014.

問い合わせ先

  • メールアドレス: info[at]iog.u-tokyo.ac.jp
    ※[at]を@に置き換えてください
カテゴリナビ
アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる