Go Global Gateway エッセイ1
「新元号」と世界
2019/05/08      

国際化教育支援室長・情報学環教授・総長特任補佐     
矢口祐人     


  みなさん、GWどのように過ごしたでしょうか。
  日本では新しい元号のニュースで一色でした。ところで「令和」の時代を迎える日本を海外のメディアはどう捉えたか興味あるでしょうか。
  アメリカを代表する新聞『ニューヨークタイムズ』の記事を紹介しましょう。同新聞のモトコ・リッチ東京特派員が4月30日の記事で注目したのは皇位継承と女性をめぐる話題です。
  記事のタイトルは“As a New Emperor is Enthroned in Japan, His Wife Won’t be Allowed to Watch”です。オンラインで読めるので、ぜひ見てみてください。そこにはこんな文章があります。

…the new empress, Masako, Naruhito’s wife of 26 years, will not be allowed to attend—another illustration of the diminished status of women in the imperial family, and of the challenges women face more broadly in Japanese society.

その後、この現実をめぐる様々な議論が、日本社会におけるジェンダーをめぐる問題と絡めて紹介されています。日本の世論の多くは実際には女性の皇位継承を支持していることも記されていますが、反対勢力も強く、それが実現する可能性は不明瞭であると結んでいます。
  さて、このような記事を読んだアメリカの人が皆さんに女性天皇やこの社会のジェンダーに関することを尋ねてきたら、どのように答えますか。内容だけではなく、英語で何をどのように言えば良いでしょうか。
  アメリカをはじめ、海外の諸大学では、学生はさまざまなことについて明確な意見を持つことが期待されます。反対でも賛成でも構いません。けれどもI don’t knowは感心されません。I don’t careはもっとがっかりされます。記事を読んでみて、ぜひ頭の中でこのトピックについての「対話」を想像してみてください。あるいは皆さんで話し合っても面白いかもしれません。

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