香港の喧噪の中で、日本を再発見

氏名:S・Kさん
所属学部・研究科(留学開始時):教養学部2年
留学先大学名:香港大学
留学プログラム名:全学交換留学
留学期間:2016年8月~2017年5月

留学を決めたきっかけは何ですか。

2008年の金融危機の際、ウォール街に興味を持って海外のエリート層の教育について調べたのがそもそものきっかけです。高校卒業時にはアメリカのアイビーリーグを受験するなど、海外に出て学びたいという強い憧れがありました。その時の経験から、海外の大学ではアウトプットが求められる授業が多く、実践的であることも知っていました。自分自身はまずは日本で法曹界を目指そうと考えていたので、3,4年生では専門教育や司法試験に向けた勉強に時間を割くため、2年生のうちに留学することを決めました。

どうして留学先として香港大学を選んだのですか。

まず、英語で実践的な学習ができる環境を探して、候補の国を考えました。さらに、Faculty of BusinessやFaculty of Lawで学部のうちからなるべく専門的な教育を受けられる大学を考え、さらにこれからはアジアの時代だと感じたので、香港とシンガポールで迷いました。その中で、英国領であった歴史的経緯や中国本国との距離感から、自身の専門である法律分野に関して興味深い状況が生まれていること、さらに慣れた都会での生活ができること、将来のビジョンのためにビジネス界とのつながりを得られる環境があること、などの理由から香港大学に決めました。

 

実際の留学生活はいかがでしたか。

留学先での学部としてはFaculty of Businessを選びました。東大では法学部進学予定でしたが、せっかく世界のビジネス・金融街である香港で学べる機会でしたし、もともと会社法に興味があったので、ビジネス方面から会社法を見る良いチャンスだと思ったからです。実際の授業は予想していた通り、双方向型の授業でアウトプットの機会が多く、さらに日本では考えられないくらい、実在する具体的な企業名を用いたプレゼン課題が課されるなど、刺激的でした。抽象的で論理的に突き詰めた思考が求められている日本の授業とは対照的でした。どちらも重要なスキルですが、将来キャリアを積む上で、自身の考えを伝える力を磨く貴重な機会だったと思います。

キャリアに関して留学はどのような影響を与えたと思いますか。

日本の良さを再発見し、自分が将来したいことを具体化させることができました。優れた製品を生み出し顧客思いである日本企業の魅力に気づき、例えば、弁護士として日本企業の海外への事業拡大、進出を主導するということも、将来の選択肢の一つとして描いています。また、競争意識の高い香港での生活は、利益だけを追求して生きることが本当に良いことなのか、など将来の生き方を考える契機にもなりました。

留学先は具体的にどのような点がお勧めですか。

香港はアジアでもありながら欧米の要素もある魅力があります。街並みも両方の特徴がありますし、人種や言語(英語のアクセントも含めて)も多様性に満ちています。英語・中国語・広東語を一気に学べるお得感やアジア、欧米の文化を同時に味わえる楽しさは、他の場所には無いと思います。街全体が商店街で、「おもちゃ箱をひっくり返したような」と形容される通り、アジアの勢いを感じられる場所でした。外食も安くて食費を気にせず常に満腹まで食べられましたし、豪華なプールやジムも手頃な料金で使えたうえ、街にも大学にも親日的な人が多く、楽しく健康的に過ごせた留学期間でした。

今後留学を考える方にメッセージをお願いします。

多国籍の友人ができて、言語にとどまらず様々な学びや経験が得られるので、留学に行ったほうが良いというのはもちろんです。ただ、強調したいのは、日本という場所・環境がダメで、海外の方が優れているから行くというわけではなくて、海外に行くことで、日本と他国の違いを経験し、日本の強み、凄さ、素晴らしさ、独自性を再発見することができるということです。こうしたことを自分自身にも言い聞かせて、これからも過ごしていきたいと思います。