留学経験者インタビュー

コンフォートゾーンを出て「想定外」へ

氏名:T・Tさん
所属学部・研究科(留学開始時):法学部第2類 4年
留学先大学名:カリフォルニア大学デービス校
留学プログラム名:UC派遣プログラム
留学期間:2016年9月~2016年12月

留学を決めたきっかけは何ですか。

大学入学後の周囲の環境は、想定内のことが多いと感じていました。そこで他の国に行き、想定外のことが起きる環境で自分は何がどこまでできるのかにチャレンジしたいという思いから、学部のウェブサイトで見つけたUC派遣プログラムに応募しました。中学・高校の頃には具体的に海外留学を検討したことはありませんでしたが、海外大学を受験し入学した高校の同級生がいたなど、海外への興味を潜在的に刺激してくれる環境は、影響していたと思います。

留学により卒業が遅れるといった迷いはありませんでしたか。

自分自身は、いろいろ決断を急ぐことこそがリスクだと感じていました。大学入学後、サークル活動に時間をかけていたこともあり、自分の中で充分整理できていない感覚があった「今後どのように生きていきたいのか」を見つめる機会が欲しかったことも、留学を決めた理由です。結果として、留学期間、そしてそれによって生じた休学期間が、将来について考える貴重な時間になったと思います。

キャリアに関して留学はどのような影響を与えたと思いますか。

留学により、自分と向きあって将来を考える時間が生まれただけでなく、日本で築いていた人間関係からも、いったん遮断されました。結果として、留学前から考えていた国家公務員というキャリアに変化はありませんでしたが、留学経験やその後のインターン経験も踏まえて、民間団体と協力して社会的な価値を生み出したいのだと、自分の興味関心が明確化しました。実際に仕事を始めてからも、英語での業務や諸外国の事例を参照することへのハードルが下がるなど、留学経験はきっとプラスに働くと思っています。

留学先は具体的にどのような点がお勧めですか。

買い物をするところもあり、治安も良いなどデービスの街は非常に暮らしやすいです。カリフォルニア大学デービス校はキャンパスが広く施設も充実しています。教科の幅が広く、自然科学から社会科学、さらに演劇など芸術系の授業もあるなど、学業面では様々な興味関心に対応しています。自分自身は比較的余裕をもって授業の数・内容を選びましたが、学業面でインテンシヴな体験がしたい人も、授業の選択次第で実現できると思います。

留学生活はどうでしたか。当初思い描いていたようなものでしたか。

留学先のデービスは海もなく、カリフォルニアと聞いて持っていたイメージではありませんでした(笑)。冬は寒く、夏は暑い砂漠気候です。また寮がなく、家主の家の別棟に住んでいたので、ホームステイや学生とのシェアアパートでもなく、その点は、住んでいる家でも現地の学生と交流して・・・というイメージとは異なりました。家探しは早めに開始することをお勧めします!ただ、電子レンジだけで作れる料理を工夫するなど生活の知恵がついたり、隣の部屋のアメリカ人学生と仲良くなって実家にお邪魔できたりと、楽しむことができました。

留学とはどのような意味をもつ経験だと思いますか。

留学先では、母語ではない言語に日常的にさらされるという、ある意味ストレスフルな環境です。そのストレスや、新しいことに対処しなければいけない環境に身を置くことで、いわゆる対処能力や課題解決能力などを向上させられると思います。さらに言うと度胸がつきます。多少の不安やリスクがあっても、とりあえずやってみてからじゃないか、というスタンスになれるでしょう。また、将来の話ですが、もし就職してから留学する制度を利用するとしても、その際に海外生活について感じるハードルが下がっているので、勉強やスキルアップにより集中できるだろうなという思いがあります。

今後留学を考える方にメッセージをお願いします。

自分は特に資金面では迷いがありましたが、有り難いことに親の同意も得られ、奨学金もいただけたので、留学することができました。留学して、お金以外の面で損することはありません。とにかく留学してみましょう。現地で何を得られるか、事前に目標を立てることは大事ですが、事前に完全に予測できることはありません。どれだけ新しい体験に向き合えるか、それを楽しめるかという気持ちで、まずは行ってみましょう!