大学の内外で奮闘したシンガポール留学

氏名:S・Kさん
所属学部・研究科(留学開始時):教育学部比較教育社会学コース3年
留学先大学名:シンガポール国立大学
留学プログラム名:全学交換留学
留学期間:2016年8月~2017年5月

留学を決めたきっかけは何ですか。

親の勧めや、海外旅行が好きなことから、海外留学に抵抗は無かったです。ただ、日本でのサークル活動や勉強を1年間ストップすることになるという迷いはありました。でも結局は、サークルの先輩から留学の魅力や生活の様子を聞き、留学を選びました。具体的にシンガポールを留学先に選んだ理由は、東南アジアと交流する活動をする学生団体でシンガポール班にいて、シンガポールの学生の勉強熱心さや頭の良さに刺激を受けていたから、そして、シンガポールを身近に感じる自分にしかできない経験・学びができるという気持ちがあったからです。

実際の留学生活はいかがでしたか。

実は最初はシングリッシュが聞き取れず、すごく辛かったです。例えば寮では、シンガポール人同士が出身高校の話など私がついていけない話題を、ものすごい速さで話していたので疎外感を感じていました。最初の1~2ヶ月は、がんばって友人をつくろうとして、それ自体に疲れていたのかなと思います。日本で培ってきた人間関係の貴重さを実感しました。そのうち、固定的に会うメンバーができ、自分の居場所になったので、最初の辛い時期を乗り越えられました。今振り返って考えると、留学先で友人をつくることに神経質になりすぎていたと思います。母国語で話しても話が盛り上がらない人はいるので、すぐに気が合う人が見つからなくても気にしすぎないことも大事なのではないでしょうか。

学生生活の面で、日本のとの違いは何かありましたか。

発言を求められるディスカッション、グループワークの多さが新鮮でした。グループワークでは、自分の英語力をメンバーにカバーしてもらう分、自分もできる部分で貢献しようと努力しました。グループで一つのエッセイを完成させる授業では、他の人の解釈や、見つけてきた論文を知ることができて、勉強になりました。予想通り授業外で必要な勉強量は多かったです。大学内の色々な場所でみんなが勉強していましたし、寮内でも試験前にはみんな夜遅くまで勉強しているといった状況でした。一方で、ヨーロッパなどから来た英語話者の留学生の中には、合否しか成績がつかない留学ではあまり勉強しない人たちもいたのですが、流されないように気をつけていました。

留学先は具体的にどのような点がお勧めですか。

シンガポールは多様性の点でとてもおすすめです。英語教育をしている国ではあるのですが、中華系、マレー系、インド系など多様な民族が暮らしている国なので、完璧な英語の文法で話さなくても許される大らかな雰囲気が良いなと思いました。宗教も多様ですし、他の人と自分は違うもの、という考え方は居心地が良かったです。逆に同じアジアだからなのか、勉強は机に向かって時間をかけてしっかりするもの、という姿勢が似ているのは興味深かったです。

課外活動も頑張っていたそうですが、どんな内容でしょうか。

教育格差に関心があったので、シンガポールでも貧困家庭の子どもを対象とした学習支援をするサークル活動に参加していました。子どもたちの学力を上げるということももちろんですが、彼らが普段接することのない「日本人」である私が毎週そこに行くことで、彼らの世界を広げるお手伝いができたという意味で少しは貢献できたかなと思っています。シンガポールでは、より多くの努力をして成果を残した者が評価されるべきだという考え方が一般的常識になっているため、みな勉強にとても意欲的な姿勢が印象的でした。そうしたマインドセットが染みついているため、社会経済的背景によってもともと不利な立場にいる人に対する配慮はまだまだ少ないのは課題だなとも感じました。

ご自身のキャリアに何か影響はありましたか。

民間企業を志望しているのですが、留学を経て、自分の興味は教育・人材分野だと明確化しました。もともと海外で働くことに興味はあったのですが、留学先で、海外勤務している日本人の方に会って、海外で働くことへのハードルが下がったように思います。その一方で、自身の語学能力のレベルを再認識したので、まずは日本で働いてビジネス経験を積んでから海外で働くのがよいと、踏むべきステップも分かったと思います。

今後留学を考える方にメッセージをお願いします。

留学は絶対しなければならないものではないです。ただ、学ぶ機会としての留学という選択肢は多くの方に知っていただき、各自で留学する、しないを決められるようになれば良いなと思います。