SYMPOSIUM

  • 日印交流プラットフォーム構築プログラム
    Japan India Exchange Platform Program
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パネルディスカッション

講演レポート

パネルディスカッションでは、堀田昌英東京大学新領域創成科学研究科教授の司会のもと、小林憲枝長岡技術科学大学IITM-NUTオフィスコーディネーター、小山博之岐阜大学グローカル推進機構副機構長/地域国際化推進部門長、大谷利行松江市産業経済部まつえ産業支援センター長、中村哲也日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ専務・チーフデジタルイノベーションオフィサーがパネリストとして登壇しました。
パネルディスカッションでは、まずパネリストが自身の所属先の取組について事例紹介を行い、その後ディスカッションを行いました。
小林氏は、長岡技術科学大学とインド工科大学マドラス校(IITM)と企業の間で締結されている三者間協定によって実務訓練やインターンシップが行われていることや、長岡技術科学大学とIITMの間で行われている博士課程共同指導の取組を紹介しました。
小山氏は、岐阜大学とインド工科大学グワハティ校(IITG)との間で行われているジョイント・ディグリーについて紹介し、それが日印の大学間の緊密な関係形成や、地域経済との連携によって行われていることを紹介しました。
大谷氏は、中村元博士(東京大学名誉教授、インド哲学)が松江市出身という縁から始まったケララ州との留学生受け入れ事業について紹介しました。この取組においては、県境を越えて地理的なつながりのある複数の市が共同して、地元企業や島根大学と連携しながら実施していることを説明しました。
中村氏は、自身が所属するTCSの説明およびTCSと本学との連携について紹介し、そのうえで、インドこそが日本を成長に導くベストパートナーであり、インドについて正確な知識を持って日印が「がっぷり四つに組む」ことが必要であると説明しました。
その後のディスカッションでは、堀田教授から、多様な日印交流の取組がある中で、その協働が可能になるような枠組の構築にはどのような方法があるのかという問題提起がなされました。続けて小山氏からも、多様な取組をどのようにして、どのような方向性でつなげていくのか質問があがりました。これに対し、中村氏から、分野を決めて関わりを深めることや、スピード感の重要性が指摘されました。小林氏からも、インドと日本のスピード感の違いについて説明がありました。そのうえで、インドと日本の相互理解が重要であり、インドの学生に日本を知ってもらうための取組として、日本留学が効果的であることが説明されました。大谷氏からは、インターンシップで来日したインド人学生を受け入れるうえでは、英語力やスピードアップといった日本企業側の変化が必要であるという指摘がありました。
ディスカッションの最後に、連携をよりしやすくするための方策について堀田教授より問いかけがあり、これに対して各パネリストから次のような応答がありました。
小林氏は、今回のシンポジウムが自身にとって有意義であったことに触れ、情報交換の機会を増やすことの重要性を強調しました。小山氏は、大企業との連携のみならず、ファミリービジネスを行っているような経済界の人々とも連携する枠組みを作っていくことが今後は必要と指摘し、それに加えてシンポジウムなどの情報交換の機会を増やすことが重要と述べました。大谷氏は、インターンシップで来日したインド人学生や、島根大学の学生に日印交流の橋渡し役になってほしいという期待を述べました。最後に中村氏からは、現在は日印交流を加速させるフェーズにあるという現状認識を示すとともに、日印間で相互理解を深め、交流を続けていくことが重要と指摘しました。