○東京大学科学研究行動規範委員会規則
平成18年3月17日
役員会議決
東大規則第79号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、科学研究に携わる東京大学(以下「本学」という。)の教職員及び本学の施設設備を利用して研究活動を行う者(以下「研究者」という。)を対象として、本学の科学研究における行動規範(以下「行動規範」という。)に違反する不正行為(過去に研究者であった者が、研究者であった時期に行った不正行為を含む。以下同じ。)に対処し、行動規範の遵守を促すための委員会の設置及び不正行為に対する措置等について定める。
(定義)
第2条 「不正行為」とは、研究成果の作成及び報告の過程において、故意又は研究者としてわきまえるべき注意義務を著しく怠ったことによる、次に掲げる行為をいう。ただし、意見の相違及び当該研究分野の一般的慣行に従ってデータ及び実験記録を取り扱う場合を除く。
(1) 研究結果の捏造(存在しないデータその他の研究結果等を作成すること。)、改ざん(研究活動によって得られたデータその他の研究結果等を真正でないものに加工すること。)又は盗用(他者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該他者の了解又は適切な表示なく流用すること。)
(2) 前号に掲げる行為の証拠隠滅等の隠蔽行為又は立証妨害行為(追試又は再現を行うために不可欠な実験記録等の資料又は実験試料等の隠蔽、廃棄及び未整備、立証妨害の意図による虚偽の陳述を含む。)
(3) 前2号に掲げる行為の指示、命令又は強要
2 「部局」とは、東京大学基本組織規則(平成16年4月1日東大規則第1号)第3章及び第4章に掲げる組織のうち研究を実施する組織並びに附属病院をいう。
第2章 委員会
(科学研究行動規範委員会の設置)
第3条 第1条の趣旨に基づき、不正行為に対処するために科学研究行動規範委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。
3 委員長は、総長が任命する副学長をもって充てる。
4 副委員長は、委員長が委員の中から指名する。
5 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。
6 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
(1) 教育研究評議会の評議員 2名
(2) 行動規範について専門的知識を有する本学の教員 2名
(3) 行動規範について専門的知識を有する学外者 2名
(4) 法律の知識を有する学外者 1名
7 前項各号に規定する委員の任免は、教育研究評議会の議を経て、総長が行う。
8 第6項第2号から第4号までに規定する委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
9 委員に欠員が生じた場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。
10 委員長は、申立者又は被申立者との事案に係る共同研究 、特許又は技術移転等に係る直接の利害関係を有する委員(次条に規定する専門委員を含む。)及びその他の利害関係を有する委員を当該事案の調査その他の手続に従事させてはならない。
(専門委員)
第4条 委員会には、この規則に規定する調査その他の手続の適正を確保するため、委員の活動を補佐する専門委員を置く。
2 専門委員は、委員長が、次の各号に定める者のうちから委嘱する。
(1) 専門的知識を有する学外者
(2) 本学の教職員
3 専門委員は、委員長の求めに応じ、委員会に出席することができる。
4 その他専門委員について必要な事項は、委員会において別に定める。
(調査委員会)
第4条の2 委員長は、特定の事案について、第10条に定める調査を担わせるため、調査委員会を置く。
2 調査委員会の構成員は、委員長が委員及び専門委員の中から選任するものとし、調査委員会の半数以上の者は第3条第6項第3号及び第4号並びに第4条第2項第1号の学外者でなければならない。
3 その他調査委員会について必要な事項は、委員会において別に定める。
(守秘義務)
第5条 委員会の委員(第10条の3に規定する部局調査を実施する場合は、当該調査を行う構成員を含む。)、専門委員及び第10条の2第3項に規定する調査の立ち会い者は、本規則に基づく調査及び審理により知り得た秘密を漏らしてはならない。
第3章 申立て等
(申立ての方法)
第6条 不正行為の疑いが存在すると思料する者は、何人も、自己の氏名、不正行為を行ったとする研究者の氏名、当該研究者が行った行為の内容、関係する論文等の名称及び当該行為を不正行為とする科学的な合理性のある理由(以下「申立事項」という。)を明らかにしたうえ、書面、電子メール、電話又は面談等により、第18条に基づいて本部及び部局に設置される窓口(以下「窓口」という。)に申立てを行うことができる。
2 書面及び電子メールによる申立ては、申立事項を明記したうえで別紙様式に定める申立書を提出して行う。電話又は面談等による申立ての場合は、遅滞なく同様式の申立書を提出するものとする。
(申立書の処理等)
第7条 申立書が部局の窓口に提出されたときは、部局の窓口の責任者は、当該部局の長及び本部の窓口の責任者にその旨を報告する。
2 本部の窓口の責任者は、申立書が提出されたとき、又は部局の窓口の責任者から前項の報告を受けたときは、委員長にその旨を報告する。
3 委員長は、本部の窓口に提出された特定の部局に関する申立書について、前項又は第7条の3第2項の報告を受けたときは、当該部局の長に申立書の提出があった旨を通知する。
4 窓口の責任者は、申立書が窓口に到達したか否かについて申立者本人が知り得ない方法により申立書の提出が行われた場合には、申立者に到達した旨を通知する。
(申立書の受理)
第7条の2 委員長は、前条第2項による報告があったときは、速やかに申立書の確認を行い、申立事項 が全て記載されている と認められるときは、当該申立書を受理し、申立者に受理した旨を通知する。
2 委員長は、前項の確認により、 明記されていない申立事項があると認められる場合は、申立者に対して、相当の期間を定めてその補正を行わせた上で 、受理することができる。
3 委員長は、申立書を受理したときは、被申立者が所属し又は所属していた部局の長(以下「部局長」という。)に受理した旨を通知する。
4 委員長は、匿名による申立てがあった場合、当該申立書に申立事項が申立者の氏名を除き全て明記されていると認められるときは、部局長の意見等を勘案した上で、受理することができる。この場合において、調査結果が出る前に申立者が判明したときには、第1項の通知を行い、顕名による申立てがあったものとして取り扱う。
5 委員長は、申立事項を確認した結果、申立ての対象に係る研究活動が本学以外の研究機関で行われていたと認められる場合には、委員会の議を経て当該研究活動が行われた研究機関へ申立書を回付することができる。
(相談等)
第7条の3 報道、学会等により不正行為の疑いが指摘された場合又はインターネット上で申立事項が掲載されていることが確認された場合には、前条の規定を準用する。
2 次に掲げる相談又は申立てを受けた窓口の責任者は、第7条第1項及び第2項の規定に準じて報告する。
(1) 申立ての意思を有しない相談があった場合
(2) 不正行為が行われようとしているとの申立て又は相談があった場合
3 委員長は、前項第1号の報告を受けたときはその内容を精査し、相当の理由があると認めた場合には、申立事項を確認し、当該相談を行った者の了解を得た上で、匿名の申立書を受理した 場合に準じて次条の予備調査を実施 する。同項第2号の場合にあっては、部局長は、その内容に相当の理由があると認めた場合には、当該申立て又は相談の対象となった研究者に警告する等適切な処置をとる。部局長 がこれを行わない場合には、委員長がこれを行うよう、部局長に要請する。
第4章 調査手続き等
(予備調査)
第8条 申立書を受理した場合には、委員長は委員及び専門委員のうちから若干名を指名し、予備調査を行わせる。
2 予備調査は、申立書に示された不正行為を疑う理由に科学的な合理性又は論理性があるか否か及び申し立てられた論文等に係る研究活動の公表から申立てまでの期間が、生データその他の研究成果の事後的検証を可能とするものについての各研究分野の特性に応じた合理的な保存の期間内になされているか否か等について行う。
3 前項に規定する合理的な保存の期間は、国立大学法人東京大学における研究資料等の保存に関する指針(平成28年1月28日役員会議決)によるものとする。
4 取り下げられた論文等に対して申立てがなされた場合には、論文等が取り下げられたことのみを理由として予備調査を行わないこととはしない。
5 第1項の指名を受けた者は、第7条の申立てを受理した日から原則として30日以内に、予備調査の結果を委員長に報告する。
(調査に至るまでの手続)
第9条 委員会は、予備調査の結果に基づき、不正行為が存在する疑いがあると判断する場合には、調査委員会に、第5章に規定する調査その他の手続(以下「調査等」という。)を行わせるものとし、不正行為が存在する疑いがないと判断する場合には、調査等を行わない。
2 調査委員会は、調査等を行うことを決定した日から原則として30日以内に調査等を開始する。
3 委員長は、第1項に基づき不正行為が存在する疑いがないと判断する場合には、その旨を申立者、被申立者及び部局長に通知する。
4 委員長は、第1項に基づき調査等を行うこととした場合には、その旨を申立者、被申立者及び部局長に通知し、調査等への協力を求めるとともに、併せて当該調査等を行う調査委員会の構成員(第10条の3に規定する部局調査を実施する場合には、当該調査を行う構成員を含む。以下この条において同じ。)の氏名及び所属を申立者及び被申立者に通知する。
5 申立者及び被申立者は、調査委員会の構成員に異議がある場合には、委員長に対し、前項の通知を受け取った日から7日以内に異議を申し立てることができる。
6 委員長は、前項の異議申立ての内容を審査し理由があると認めるときは、異議申立てに理由があると認められる構成員に代えて別の委員又は専門委員を選任する。異議申立てに理由があると認められた構成員が部局調査を行う構成員である場合には、委員長は、他の構成員の選任を部局長に依頼する。
7 委員長は、前項の審査結果について、申立者及び被申立者に通知する。
8 委員長は、調査等の開始を決定した場合は、申立てに係る研究に研究資金を提供していた機関(以下「研究資金提供機関」という。)及び関係省庁に報告する。
9 委員長は、調査を行わないことを決定したときは、研究資金提供機関や申立者の求めがあった場合に開示することができるよう、予備調査に係る資料等を保存する。
(被申立者の追加)
第9条の2 委員会は、第8条の予備調査の結果に基づき、又は調査等の過程において、被申立者以外の研究者による不正行為が存在すると疑われる場合には、当該行為についても調査等を行うことができる。
2 前項の場合には、当該研究者については第7条の2第4項に定める匿名による申立てが行われたものとみなす。
3 第1項に定める調査等が、第8条の予備調査の結果に基づき開始されるときには、予備調査を行わないことができる。
第5章 調査
(調査)
第10条 調査委員会は、次に掲げる調査を行うことができる。
(1)  被申立者のうち調査等の開始された者(以下「対象研究者」という。)からの聴取
(2)  関係者からの聴取(ただし、前号に定める者を除く。)
(3)  関係資料、実験試料等(以下「関係資料等」という。)の調査
(4)  その他調査に関し合理的に必要な事項
2 調査の対象には、申立てに係る研究のほか、調査委員会の判断により当該調査に関連した被申立者の他の研究を含めることができる。
3 被申立者及びその他の学内関係者(第1項第2号の「関係者」のうち、第1条の「研究者」に該当する者をいう。以下、被申立者と合わせ、「関係者等」という。)は、調査委員会の調査にあたっては、誠実に協力しなければならない。
4 関係者等は、調査委員会から関係資料等の提出を求められた場合には、これに応じなければならない。
5 関係者等は、この規則に定める調査に関連して知り得た調査の手続き及び調査の内容等に係わる一切の情報について、委員会の許可無く関係者等以外の者に開示し又は漏らしてはならない。第11条に規定する裁定確認後であっても同様とする。
(保全等)
第10条の2 調査委員会は、関係資料等の入手が困難な場合又は関係資料等の隠滅が行われるおそれがある場合には、委員会の承認を経て、対象研究者の研究室における調査事項に関連する場所の一時閉鎖又は機器・資料等の保全を行うことができる。
2 前項の措置をとる場合には、必要最小限の範囲及び期間に止め、事前に部局長の承諾を得るとともに、委員長は、事後に教育研究評議会に報告しなければならない。
3 一時閉鎖した研究室の場所の調査及び保全された機器・資料等の調査を行う場合には、部局長が指名する教員2名以上の立ち会いを必要とする。
4 事案に係る研究活動が本学以外の研究機関で行われた場合は、委員長は、調査委員会の申出に基づき、当該事案に係る研究活動に関して証拠となる資料及びその他の関係書類を保全する措置をとるよう、当該研究機関に依頼するものとする。
5 調査委員会は、調査の実施にあたり、調査対象における公表前のデータ、論文等の研究成果又は技術上秘密とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう、十分配慮するものとする。
6 対象研究者が希望した場合等であって調査委員会が必要と認める場合は、委員会の承認を得て、不正行為の疑いに係る実験、観測、調査その他研究の遂行に必要とされる行為(以下「実験等」という。)について、対象研究者又は委員長の指名する者が再実験等を行うことを認めることができる。この場合委員長は、再実験等の適正性を担保するために必要な措置をとるとともに、他の調査又は審理及び第11条に定める裁定を行うに際し、再実験等に要する期間及び機会について配慮するものとする。
(部局による調査)
第10条の3 調査委員会は、第10条に定める調査の実施にあたり、部局長に調査(以下「部局調査」という。)を依頼することができる。
2 部局長は、前項の部局調査の依頼があった場合には、部局内調査班を設置する。部局内調査班の構成員には、学外者を含めなければならない。
3 調査委員会は、部局長に対して、調査委員会の委員又は専門委員を部局内調査班に加えることを求めることができる。
4 部局内調査班の調査については、前2条(第10条第2項を除く。)の規定を準用する。この場合において、同条中「委員長」とあるのは「部局長」と、「調査委員会」とあるのは「部局内調査班」と、前条第2項中「事後に教育研究評議会に報告しなければならない」とあるのは「事後に委員長に報告しなければならない」と読み替えるものとする。
5 部局長は、第1項の部局調査の依頼を受けてから原則として90日以内に部局内調査班の調査結果を調査委員会に報告する。
6 部局長は、前項に掲げる期間内に部局内調査班の調査結果を調査委員会に報告することができない合理的な理由がある場合は、その理由及び報告の予定日を付して委員長に申し出て、その承認を得る。
7 前各項に定めるもののほか、部局調査に関し必要な事項は、本部及び部局において別に定める。
第6章 裁定等
(裁定)
第11条 委員会は、第10条の調査等を開始した日から原則として150日以内に、調査委員会の調査結果(部局調査が行われた場合はその結果を含む。)に基づき、不正行為の認定の有無、不正行為が認定された場合はその内容、不正行為に関与した研究者とその関与の度合、不正行為が認定された研究に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究における役割その他必要な事項について審理し、裁定を行う。
2 委員長は、前項に掲げる期間内に裁定を行うことができない合理的な理由がある場合は、委員会の議を経てその理由及び裁定の予定日を付して総長に申し出て、その承認を得る。
3 委員長は、前項による承認を得た場合は、部局長、研究資金提供機関及び関係省庁に報告し、申立者及び被申立者に通知する。
4 委員長は、調査の終了前であっても、研究資金提供機関の求めに応じ、可能と認める範囲で調査の中間報告を当該研究資金提供機関に提出することができる。
5 裁定を行うにあたっては、対象研究者に裁定の案を通知し、書面又は口頭による弁明の機会を与えなければならない。
6 弁明の機会の付与は、対象研究者が前項の通知を受けた日から原則として14日以内に、書面の提出又は委員会への出頭を求めて行う。
7 委員会は、対象研究者が正当な理由なく書面の提出又は委員会への出頭を行わない場合には、対象研究者において裁定の案を認めたものとみなす。
8 委員会は、対象研究者の所在が不明又はそれに準ずる事由により、対象研究者と連絡が取れず弁明の機会を与えることができないときは、その時点での審理結果をとりまとめ、裁定を行うことができる。
9 裁定を行うにあたっては、委員の過半数が出席し、出席した委員3分の2以上の賛成によって行う。
10 委員長は、裁定の結果について、総長、部局長、研究資金提供機関及び関係省庁に報告し、申立者及び被申立者に通知する。
11 申立てに係る不正行為が認定できない旨の裁定を行う場合において、申立者が悪意(被申立者又は所属する機関等に損害を与えることを専ら目的とする意思をいう。以下同じ。)に基づく申立てを行ったものと判断される場合には、委員会は、第1項及び第5項から第9項までの規定に準じて悪意に基づく申立てと判断する旨の裁定等を行い、委員長は、当該申立者の所属する部局の長に対して、その旨を通知する。
(不服申立て)
第12条 不正行為が認定された旨の裁定又は通知を受けた被申立者は、前条第10項の通知を受けた日から原則として30日以内に、委員長に対し、不服申立てを行うことができる。ただし、当該期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返して行うことはできない。
2 委員長は、前項の不服申立てを受けたときは、その旨を総長、部局長、研究資金提供機関及び関係省庁に報告し、申立者及び被申立者(不服申立てを行った者を除く。)に通知するとともに、調査委員会に当該不服申立てに係る審査をさせる。不服申立ての審査において新たな専門性を要する判断が必要となる場合等、調査委員会の構成の変更等を必要とする相当の理由があるときには、委員長は、委員を交代させ、若しくは追加し、又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせることができる。
3 調査委員会、又は前項の規定に基づき調査委員会に代わって審査をする他の者は、不服申立ての趣旨、理由等について審査し、当該事案に係る再調査の要否に関する意見を速やかに委員長に報告する。
4 委員長は、前項の意見に基づき、委員会の議を経て再調査の要否を決定し、その決定を総長、部局長、研究資金提供機関及び関係省庁に報告し、申立者及び被申立者に通知する。
5 前項により再調査を行うこととした場合、調査委員会又は第2項により調査委員会に代わって審査をする他の者は、当該不服申立てを受けた日から原則として50日以内に、調査結果をまとめ、委員長に報告する。
6 委員長は、前項の調査結果について、第4項の規定に準じて報告及び通知する。
7 前条第11項により悪意に基づく申立てを行ったと判断された旨の通知を受けた申立者は、当該通知を受けた日から原則として30日以内に、委員長に対し、不服申立てを行うことができる。ただし、当該期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返して行うことはできない。
8 委員長は、前項の不服申立てを受けたときは、その旨を総長、部局長、研究資金提供機関及び関係省庁に報告し、申立者(不服申立てを行った者を除く。)、当該申立者の所属する部局の長及び被申立者に通知するとともに、調査委員会に当該不服申立てに係る審査させる。不服申立ての審査においては、委員を交代させ、若しくは追加し、又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせることができる。
9 前項に定める不服申立てに係る審査については、当該不服申立てを受けた日から原則として30日以内に、調査結果をまとめ、委員長に報告する。
10 委員長は、前項の調査結果について、委員会の議を経て、総長、部局長、研究資金提供機関及び関係省庁に報告し、申立者、当該申立者の所属する部局の長及び被申立者に通知する。
(裁定の確認後の措置)
第13条 委員長は、前条第1項の不服申立てが行われなかった場合又は不服申立てが行われた場合において同条第4項により再調査を行わない旨を決定したとき若しくは同条第5項の再調査を行ったことにより不正行為の存在が確認されたとき(以下「不正行為が確認された場合」という。)は、次に掲げる措置をとることができる。
(1) 懲戒事由等に該当する可能性のある場合、総長及び部局の長への報告
(2) 教育研究活動の停止措置等に関する総長又は部局の長への勧告
(3) 研究費の使用停止・返還措置等に関する総長又は部局の長への勧告
(4) 論文等の取下げ・訂正措置等に関する対象研究者への勧告
(5) 定期的な報告の義務付け等委員会による継続的な指導
(6) 研究資金提供機関・関連論文掲載機関・関連教育研究機関等への通知及びこれらの機関との協議
(7) その他不正行為の排除のために必要な措置
2 不正行為が確認された場合において、知的財産の保護等不開示に合理的な理由がある部分を除き、次の各号の内容について調査結果を公表する。ただし、第11条第8項に定める場合及び当該不正行為を行った者が行為時に学生であった場合には、当該不正行為が行われた状況や教育的配慮の必要性等を考慮した上で公表しないことができる。
(1) 不正行為に関与した者の氏名及び所属
(2) 不正行為の内容及び当該不正行為が認定された研究に係る論文等に関する情報
(3) 公表時までに行った措置の内容
(4) 委員長、委員及び専門委員の氏名及び所属
(5) 調査の方法、手順等
3 前項の本文の規定にかかわらず、研究活動上の不正行為が認定された研究に係る論文等が、申立てがなされる前に取り下げられていたときは、当該不正行為に関与した者の氏名及び所属を公表しないことができる。
4 研究活動上の不正行為が存在するとの認定がなされなかった場合(予備調査の結果に基づき委員会として不正行為が存在する疑いがないと判断した場合を含む。)には、原則として調査結果を公表しない。ただし、被申立者の名誉を回復する必要があると認められる場合、調査事案が外部に漏洩していた場合その他の公表することが適切であると認められる場合には、被申立者の承諾を得て、調査結果を公表することができるものとする。
5 不正行為が存在するとの認定がされなかった場合であって、調査等の対象となった論文について取下げ又は訂正を行うことが科学的見地から適当と委員会が認めたときは、委員長は、対象研究者に対して当該論文の取下げ又は訂正を勧告することができる。
6 委員会は、裁定又は前条第5項の再調査の結果において不正行為の存在が確認されなかった場合には、被申立者の教育研究活動の正常化及び名誉回復のために必要な措置をとるものとする。
(申立者及び調査協力者等の保護)
第14条 委員長は、不正行為に関する申立者、被申立者及び調査協力者に対し、その秘密を守るために適切な措置を講ずるとともに、申立者、被申立者又は調査協力者となったことを理由として不利益な取扱いを受けないように十分な配慮を行うものとする。
2 申立者又は被申立者が学生である場合には、調査等に際し適切な教育的配慮を行わなければならない。
(裁定の変更)
第15条 不正行為が確認された場合は、裁定の変更は原則としてこれを行わない。ただし、不正行為に関与したことが認定された者は、次の各号のいずれにも該当する場合には、委員長に対し裁定の変更のための調査(以下「裁定変更に係る調査」という。)を申し出ることができる。
(1) 不正行為に係る裁定の確認が行われた時点までに提出されていなかった新しい客観的な証拠であって、裁定の結果の変更の必要性を強く示唆するものを提出すること。ただし、裁定が複数の不正行為を認定している場合であって、提出された証拠がそのうちの一つ又は少数のもののみにかかわり、それらについての評価が異なっても裁定の全体としての結論に影響を及ぼさないことが明らかである場合はこれに該当しない。
(2) 前号の証拠を、自己の責によらざる事由によって提出し得なかった正当な理由を挙示すること。
(3) 不正行為が認定された研究活動の公表から申し出までの期間が、生データその他の研究成果の事後的検証を可能とするものについての各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間を大きく超過していないこと。
2 委員長は、前項の申出を受けた場合は、申出の内容を検討し、裁定変更に係る調査が可能であり、かつ、その必要があると判断する場合は、委員会の議を経て、裁定変更に係る調査委員会を設置する。裁定変更に係る調査委員会については、第4条の2及び第5条の規定を準用する。
3 裁定変更に係る調査については、第10条及び第10条の2の規定を準用する。この場合において、「対象研究者」とあるのは、「裁定変更に係る調査を申し出た者」と読み替えるものとする。
4 裁定変更に係る調査委員会は、第2項により裁定変更に係る調査が必要と判断した日から原則として50日以内に、調査結果を委員長に報告する。
5 委員会は、前項の調査結果に基づき、不正行為に関与したとする旨の認定を変更する明らかな理由があると認める場合は、裁定を変更する。変更の決定にあたっては、第11条第9項の規定を準用する。
6 委員長は、裁定を変更した場合は、裁定変更に係る調査の結果を総長、部局長、研究資金提供機関及び関係省庁に報告し、裁定変更に係る調査を申し出た者に通知する。
7 委員会は、裁定を変更した場合には、第13条第6項の規定に準じて、裁定変更に係る調査を申し出た者の教育研究活動の正常化及び名誉回復のために必要な措置をとるものとする。
(悪意の申立者に対する措置)
第16条 悪意に基づく申立てを行った者については、その氏名及び所属を公表するとともに、その他必要な措置を講ずる。
(関係機関との連絡協議)
第17条 委員会は、必要に応じて、学内の関連する組織又は外部の機関と情報交換等の連絡協議を行うことができる。
第7章 窓口
(窓口の設置)
第18条 委員会は、不正行為に関する申立てや情報提供及びこの規則にかかわる相談・照会等に対応するための窓口を、本部及び部局に設置しなければならない。
2 本部における窓口の責任者は、研究推進部長とする。
3 部局における窓口の責任者は、部局において定める。
4 本部及び部局の窓口の責任者は、相互に連携協力を行うものとする。
5 本部及び部局の窓口の業務に携わる者は、自己との利害関係のある事案に関与してはならない。
第8章 その他
(庶務)
第19条 委員会の庶務は、本部研究倫理推進課において処理する。
(補則)
第20条 この規則に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、公的な指針等に留意しつつ、委員会において別に定める。
附 則
この規則は、平成18年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成18年9月26日から施行する。
附 則
この規則は、平成19年7月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成22年4月1日から施行する。
附 則
1 この規則は、平成22年11月25日から施行する。
2 施行日前に行われた申立てに係る手続については、なお従前の例による。
附 則
この規則は、平成23年1月1日から施行する。
附 則
1 この規則は、平成26年4月1日から施行する。
2 施行日前に行われた申立てに係る手続については、なお従前の例による。
附 則
この規則は、平成26年7月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成27年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成28年1月28日から施行する。
附 則
この規則は、平成28年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成31年2月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成31年4月1日から施行する。
附 則
1 この規則は、令和2年1月1日から施行する。
2 施行日前に行われた申立てに係る手続については、なお従前の例による。
 
別紙様式(第6条様式)