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駒場博物館 特別展 「本書く派(ほんかくは)戸田盛和」

掲載日:2016年8月30日

基本情報

区分 展示
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生
開催日(開催期間) 2016年9月10日 10時 — 2016年10月2日 18時
開催場所 駒場地区
会場 目黒区駒場3-8-1
大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館1階展示室北側
参加費 無料
申込方法 事前申込不要
お問い合わせ先 駒場博物館
03-5454-6139
komabamuseum@adm.c.u-tokyo.ac.jp

戸田盛和(1917-2010)は、戦後の日本を代表する物理学者の一人です。研究面では、統計力学・物性物理学、特に液体理論に関する論文・著作でも知られていますが、もっとも顕著な業績は、非線形格子力学における「戸田格子」の発見とこれに関わる理論の展開です。太平洋戦争勃発直前に大学を卒業した戸田は、戦前の旧制高校教養主義の洗礼を受け、特に寺田寅彦に強く魅了されたこともあって、同時代の俊秀が蝟集した原子核・素粒子の分野には進まず、日常生活の中で抱いた疑問に正面から向かい合う物理学の研究を理想としました。戸田が、自然の中にはよく見られながら、先端の物理学によっても取り扱うことが困難な非線形現象の解明に大きな貢献を行うことになったのも、偶然ではないかもしれません。

戸田はまた、日本の物理学史において特異な位置を占める東京帝国大学工学部の力学教室や、1941年から1945年までの4年間のみ存在した京城帝国大学理工学部に勤務したという、珍しい経歴を持っています。さらに、おもちゃの収集家や解説者、および膨大な物理学関連の書籍の著者としてもよく知られています。絵画や作句にも関心を広げていた戸田の生涯や活動の全貌を理解しようとするには、戸田のそれに匹敵する知的体力が必要でしょう。

本展は、学者を「本書く派」とそうでないものに分類し、自身を前者に含めていた戸田の、著述家としての側面のごく一部を紹介しようとする試みです。戸田の他領域の活動や、著述家としての全体像は、また別の機会を設けて提示いたします。ただし、本展のささやかな試みからも、戸田が、専門分野で顕著な業績を挙げながら、一方で余人のなしがたい分量の著作を行っていたことはご理解いただけるでしょう。

なお、本展の一部は、本学大学院総合文化研究科で科学史を専攻する大学院生により、企画、制作されています。


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