EVENTS

印刷

特別展「物理もおもちゃも本描派―戸田盛和生誕100周年」(総合文化研究科 駒場博物館)

掲載日:2017年7月11日

基本情報

区分 展示
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生
開催日(開催期間) 2017年7月15日 — 2017年9月18日
開催場所 駒場地区
会場 目黒区駒場3-8-1
大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館1階展示室
参加費 無料
申込方法 事前申込不要
お問い合わせ先 駒場博物館
03-5454-6139
komabamuseum@adm.c.u-tokyo.ac.jp

戸田盛和(1917-2010)は、戦後の日本を代表する物理学者の一人です。戸田の関心は多くの方面に及んでいますが、物理学上の主要な業績は、「戸田格子」と言われる、非線形格子力学におけるモデルの発見と、そこに生ずる孤立した波、いわゆるソリトンの研究です。この業績は国際的にも高く評価されましたが、今日多くの人が戸田の名前を目にするのは、その大量の著作によってでしょう。戸田は、学者を「本書く派」とそうでない者に分け、自分を前者に分類していました。著作の種類も多岐にわたり、専門の研究を解説したものから、小学校から大学院段階にまで及ぶ物理学・理科の教科書・参考書、物理学に題材をとった随筆などを世に送り出しています。

戸田はまた、物理学の原理を巧みに用いたおもちゃにも強い関心を寄せていました。初めはおもちゃの原理を解説しながらこれを教材として使うことに意味を見出していたようですが、次第に、世界各地にある多種多様なおもちゃを集めること自体を楽しむようになったようです。戸田の著作の中にはおもちゃを主題にしたものも数多くあり、一群を成すに至っています。
さらに、戸田の著作には、他の著者のものにはあまりない大きな特徴があります。それは、著者自身による挿絵が多いという点です。戸田が本格的に絵を習うようになるのは、常勤の職を退いて時間の余裕ができてからですが、そのはるか以前から、自身の著作、とくに物理やおもちゃの解説書、あるいは気軽な読み物の中で、自分の絵を挿画として使っていました。「本書く派」を「本描く派」とそうでないものに分ければ、前者はごく少数になるでしょうが、戸田はその代表格だったと言ってよいでしょう。

本年2017年は、戸田盛和生誕100周年に当たるとともに、1966年に発見され、翌年に広く世界に知られるに至った戸田格子の誕生50周年でもあります。本展に先駆けて、当館では、「本書く派戸田盛和」(2016年9月10日~10月2日)、「おもちゃと波と金平糖―戸田盛和生誕100周年」(2017年3月6日~4月14日)を開催し、戸田の事績を振り返ってきましたが、本展ではそれらを組み合わせて若干の修正を加え、物理学研究においても、おもちゃ蒐集においても、著作家としても、挿画家としても、一流であり多産であった戸田の事績を振り返ります。展示の企画・制作には、本学大学院総合文化研究科で科学史を専攻する大学院生と、本学教養学部基礎科学科・学際科学科・教養学科の学生(当時)が当たりました。


関連リンク

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる