ARTICLES

印刷

第20回東京大学文学部北見公開講座を開催

掲載日:2016年10月24日

実施日: 2016年10月07日

 大学院人文社会系研究科・文学部では、2016年10月7日(金)に北海道北見市において第20回東京大学文学部北見公開講座を開催しました。
 本公開講座は、人文社会系研究科附属北海文化研究常呂実習施設がある北海道北見市と、2000年から現地で共催しています。
 
 高校生を対象に北海道常呂高校で行われた特別講座では、「世界文学への誘い ~未踏の沃野のヒロイン、ヒーローは君たちだ~」と題して、本研究科欧米系文化研究専攻の沼野充義教授(現代文芸論)が講師を務め、「夏目漱石は『どこの国の作家』なのか?」という問題提起や、鶴がロシア語では男性名詞であるため、「鶴の恩返し」はロシア語では「サギの恩返し」と訳した方がより自然になることを紹介するなど、身近な例を交えて「世界文学」を紹介しました。講演後の質疑応答では多くの高校生から質問が寄せられ、予定時間をオーバーするほどの盛況となりました。
 
 一般の方を対象とした一般講座は毎年北見市内において会場を変え実施しており、本年は常呂町公民館で開催しました。まず「古文書の様式と身体」と題して、本研究科日本文化研究専攻の高橋典幸准教授(日本史学)が講師を務め、古文書の署名に花押や、指の長さ・関節の位置などを描く「画指(かくし)」、ものによっては手形が使われることを紹介し、古文書の署名に身体の延長となるような表象が用いられるという講演を行いました。
 続いて、「自由な文化遺産」と題して、本研究科文化資源学研究専攻の松田 陽 准教授が講師を務め、富士山や和食、ピラミッドなどが並列に扱われる「文化遺産」の共通点は何かを切り口に、考古学・歴史学と文化遺産の相違点などについて、阪神タイガース優勝時に道頓堀に投げ込まれたカーネル・サンダース像が文化財修復のプロによって補修されたことなども紹介しつつ講演しました。

 普段は東京にいる本学教員が現地に赴き公開講座を定期的に開催することにより、長期にわたる北見市との関係を深める実績に繋がっており、次回以降の公開講座への期待が多く寄せられました。
 

関連URL:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/tokoro/public/extension.html



常呂高校での講演風景(沼野教授)

講演を行う高橋准教授

常呂町公民館での講演の様子(松田准教授)
アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる