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国際研究集会「ドイツにおける日本中世史研究の現在」を開催

掲載日:2018年3月14日

実施日: 2018年03月09日

 3月9日(金)、史料編纂所(山家浩樹所長)では国際研究集会「ドイツにおける日本中世史研究の現在」を開催いたしました。現在、ドイツのボン大学では共同研究センター「権力と統治―文化横断的アプローチから見た前近代史上の諸形態」が立ち上げられ、その一環として、デトレフ・タランチェフスキ氏を中心とした日本中世史研究プロジェクトが進められています。タランチェフスキ氏は、以前から史料編纂所の事業にご協力をいただいており、また、同プロジェクトに参加しておられるクリスチャン・ヴェルナー氏(ボン大学研究員)とシモン・チェルカフスキ氏(ボン大学助手)のお二人が、史料編纂所に外国人研究員として来ておられることから、お二人に研究報告をお願いするとともに、ボン大学のプロジェクトを紹介していただく機会として、今回の国際研究集会を開催しました。なお開催にあたっては、科学研究費補助金 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-26220402/「マルチアーカイヴァル的手法による在外日本関係史料の調査と研究資源化の研究」(基盤研究(S)、研究代表者:保谷徹・史料編纂所教授)との共催としました。
  当日は、まず近藤成一氏(放送大学教授・東京大学名誉教授)に、「ドイツにおける日本中世史研究の現在―ボン大学の取り組み―」として、ドイツでの日本中世史の研究状況とボン大学のプロジェクトの概要が紹介されました。続けてシモン・チェルカフスキ氏に「史料から見られる南北朝時代の菊池氏の倫理・精神状態」として、統計処理を施したデータによって南北朝期の武士の倫理観を探る試みについて報告をいただきました。最後に、クリスチャン・ヴェルナー氏から、「支配と法律を巡る鎌倉幕府関係の一考察」として、裁判・法の観点から鎌倉幕府と六波羅探題の関係を検討する報告をいただきました。あわせて、チェルカフスキ氏の報告に対しては高橋典幸氏(大学院人文社会系研究科准教授)から、ヴェルナー氏の報告に対しては近藤成一氏から、日本中世史研究の立場からのコメントが出され、おもに日本とドイツにおける方法論の相違点を中心とした議論が繰り広げられました。
  当日は、大学院生ならびに外国人研究者を含めた約40人が参加し、このテーマへの関心の高さがうかがえ、盛況のうちに閉会となりました。



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