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世界の卒業生紹介14/ベルギーでNATOと日本をつなぐ森田健司さん|広報誌「淡青」34号より

掲載日:2017年6月23日

実施日: 2017年03月07日

文系から理系、ビジネスから学究、芸術から政策と縦横無尽に地球規模で活躍する東大卒業生14名の姿から、世界と共にある東大を浮き彫りにします。
 

ブリュッセルでNATOと日本をつなぐ外交官
森田健司さん Kenji Morita
在ベルギー日本国大使館
一等書記官
http://www.be.emb-japan.go.jp
2003年経済学部卒業


 

東大時代の森田さん

卒業旅行で訪れたローマのコロッセオにて。

 森田さんの職場はベルギーの日本大使館。安全保障班所属の一等書記官が主に担当するのは、ブリュッセルに本部がある北大西洋条約機構(NATO)と日本との協力関係進展と関連案件に関する調整業務です。

 「実際には、日本からの訪問者のお世話や、いわゆる事務作業など、一般的な仕事も多いですよ。でも、外務省とNATOの間で自らが主体となって調整した案件が成就したときの充実感は、何物にも代え難いです」

 駒場時代は香川県人寮で同郷の仲間と濃密な人間関係を築き、経済学部の伊藤正直ゼミで物事を大局的に考察する姿勢を学んだ森田さんは、「受験生の頃から英語は全く不得意」。2003年に入った防衛庁では部隊運用、人事、予算、法令等に関する業務を行ない、国土交通省では国内物流を支える内航海運に関する仕事に従事したそうです。一見、海外で活躍する現在の姿につながらない気もしますが、そこには納得の経緯がありました。

 「自衛隊の国際貢献という未踏の分野で貢献したいと思ったのが防衛庁に入るきっかけでした。職員向けプログラムを利用してロンドンの大学に留学し、アフガニスタンの治安回復に関するNATOの取り組みに着目する論文を執筆したのが、結果的には現職につながったのかと思います」

 日本と違うイベントが多く、気軽にゴルフができるベルギーで、ご家族との生活を楽しみながら、日本の安全保障に貢献したいという思いで、一等書記官は日本と世界の関係を日々調整しています。
 

おまけQ&A
東大時代、一番印象的だった思い出は?
「年に1回のゼミ合宿。中でも、ソウルで高麗大学と行った回です」
東大キャンパスで好きだった場所は?
「アカデミックで荘厳な雰囲気の総合図書館。卒業後も利用しています」
東大に対して言いたいことは?
「企業には難しい、多様な価値観を含む柔軟な組織を志向してほしい」
東大が目指すべき国際化とは?
「留学生を増やす以外の、日本人学生への取り組みをさらに期待します」


※本記事は広報誌「淡青」34号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。

 


大使公邸における自衛隊記念日レセプションにて、奥様と。
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