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生殖行動における、メスの脳とオスの脳の違いをメダカで発見 メスだけが性ホルモンの影響を受ける脳の部位

掲載日:2012年11月7日

メダカ脳内の生殖行動に関係する部位での女性ホルモン受容体
© Kataaki Okubo

東京大学大学院農学生命科学研究科の平木十和子を中心とする大久保範聡准教授の研究グループは今回、メスだけが性ホルモン(男性ホルモンや女性ホルモン)に反応する脳の部位を、メダカで発見した。その部位は、生殖行動を支配するとされる脳の部位と一致しており、今回の発見は、メスのみで生殖行動が性ホルモンの影響を大きく受けることを意味する。多くの動物種では、オスは常に生殖行動を行うことができるのに対し、メスが生殖行動を行う時期や条件が限られているが、このしくみを解明する糸口として注目される。また、メスの脳だけに見られる性ホルモンへの反応性は、卵巣を摘出し、男性ホルモンを与えると消失することも分かり、メダカの脳の性別は、生まれつき決まっているのではなく、生後のホルモン環境で変わり得ることが明らかとなった。魚類に見られる性転換現象のしくみの解明にも繋がると期待される。

プレスリリース

論文情報

Towako Hiraki, Akio Takeuchi, Takayasu Tsumaki, Buntaro Zempo, Shinji Kanda, Yoshitaka Oka, Yoshitaka Nagahama, Kataaki Okubo,
“Female-specific target sites for both oestrogen and androgen in the teleost brain”,
Proceedings of the Royal Society B Biological Sciences (Online Edition) 2012/10/17 (Japan time), doi: 10.1098/rspb.2012.2011.
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