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ヒト甘味受容体における人工甘味料の認識機構の解明  

掲載日:2012年5月1日

甘味を示す化合物は糖・アミノ酸・人工甘味料など、その化学的構造が非常に多様であるにもかかわらず、たった一つのヒト甘味受容体により受容される。これらの多様な甘味物質群をヒト甘味受容体がどのように識別しているのかについて、不明な点が多かった。

甘味受容体における低分子甘味物質の認識に関与する領域 © Masaji Ishiguro

甘味受容体における低分子甘味物質の認識に関与する領域 © Masaji Ishiguro
ヒト甘味受容体のhT1R2サブユニットの細胞外領域モデルにおいて、低分子甘味物質の認識に強く関与する10残基を表示した。低分子甘味物質の化学的性質によって、認識に必要なアミノ酸残基が異なることが判明した。

東京大学大学院農学生命科学研究科の三坂巧准教授らの研究グループは、人工甘味料として用いられている低分子甘味物質群を用いて、構造の異なる甘味物質をヒト甘味受容体がどのようにして識別しているのかについて明らかにした。

甘味物質の認識に関わる受容体側アミノ酸残基を複数突き止め、ヒト甘味受容体がそれらを巧妙に使い分けることにより、化学的性質の異なる多種類の低分子甘味物質を受容していることを明らかにした。  本研究は、財団法人サントリー生物有機科学研究所、東京大学、新潟薬科大学との共同研究として行われた。

プレスリリース

論文情報

Katsuyoshi Masuda, Ayako Koizumi, Ken-ichiro Nakajima, Takaharu Tanaka, Keiko Abe, Takumi Misaka, and Masaji Ishiguro,
“Characterization of the modes of binding between human sweet taste receptor and low-molecular-weight sweet compounds”,
PLoS ONE オンライン版 doi: 10.1371/journal.pone.0035380.
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大学院農学生命科学研究科

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