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新規発がんメカニズムの解明 HSP70メチル化による新規発がんメカニズムの解明

掲載日:2012年10月2日

メチル化HSP70とAurora kinase Bは核内で共局在する © Ryuji Hamamoto

東京大学医科学研究所の浜本隆二助教/チームリーダー・趙顯洙研究員、シカゴ大学医学部(兼)東京大学医科学研究所の中村祐輔特任教授、理化学研究所吉田化学遺伝学研究室の吉田稔主任研究員・島津忠弘研究員らの研究グループは共同で、がん細胞の異常増殖や悪性化の一因となる新規メカニズムを解明した。正常細胞の中で外界ストレス応答を担う制御タンパク質HSP70が、がん細胞の中ではメチル化され、異常な細胞局在及び細胞増殖を促進させる事を突き止めた。メチル化HSP70は正常組織ではほとんど見られず、がん組織特異的に細胞核に局在していることが観察された。また、メチル化HSP70はAurora Bキナーゼと結合し活性化させることにより、細胞分裂を促進していることが分かった。HSP70メチル化はSETD1Aというメチル化酵素により司られ、SETD1Aの発現もがん特異的に亢進していることから、このメチル化を阻害することにより抗がん治療に直結することが期待される。本研究成果は、英国科学雑誌Nature Communicationsの9月18日号オンライン版に掲載された。

プレスリリース

論文情報

Hyun-Soo Cho, Tadahiro Shimazu, Gouji Toyokawa, Yataro Daigo, Yoshihiko Maehara, Shinya Hayami, Akihiro Ito, Ken Masuda, Noriko Ikawa, Helen I. Field, Eiju Tsuchiya, Shin-ichi Ohnuma, Bruce A.J. Ponder, Minoru Yoshida, Yusuke Nakamura, Ryuji Hamamoto,
“Enhanced HSP70 lysine methylation promotes proliferation of cancer cells through activation of aurora kinase B”,
Nature Communications Online Edition: 2012/09/18, doi: 10.1038/ncomms2074.
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