銀河が奏でる行進曲 すばる望遠鏡が明らかにする宇宙初期の大質量銀河の成長
東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構のジョン・シルバーマン特任助教、名古屋大学大学院理学研究科の柏野大地氏(博士課程前期課程2年)、杉山直教授、国立天文台などのメンバーからなる国際研究チームは、100億年前の銀河で新しい星々が非常に活発に形成されている様子を捉えました。また、大質量銀河を取り巻くガスは重元素やダスト (星間固体微粒子) を豊富に含んでいることを確かめました。これは大質量銀河がこの時代にすでに十分に成熟していたことを示唆します。今回の研究成果は、すばる望遠鏡に搭載されたファイバー多天体分光器(FMOS)を用いて1000個以上の遠方銀河を観測し、100億年前の宇宙の地図を作るプロジェクトの一環です。100億年前の宇宙の地図が完成することは、初期の宇宙から私たちが住んでいる現在の宇宙に、どのようにして変化してきたのかを明らかにする手がかりとなります。
論文情報
D. Kashino, J. D. Silverman, G. Rodighiero et al.,
“The FMOS-Cosmos Survey of Star-Forming Galaxies at z~1.6 I. Hα-Based Star Formation Rates and Dust Extinction”,
The Astrophysical Journal Letters volume 777, L8 (2013), doi: 10.1088/2041-8205/777/1/L8.
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すばるの新しい眼、ファイバー多天体分光器 FMOS (2010年11月19日 すばる望遠鏡プレスリリース)