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平成27年度東京大学大学院理学系研究科大学院修士課程入学試験 天文学専攻専門科目における出題ミスについて記者発表

平成27年度東京大学大学院理学系研究科大学院修士課程入学試験
天文学専攻専門科目における出題ミスについて

平成26年9月10日

東京大学


このたび、平成27年度の理学系研究科修士課程入学試験の専門科目「天文学1」の問題の一部に出題ミスがあることが判明いたしました。出題ミスが確認された経緯、出題の誤り及び本学の対応は次のとおりです。
なお、入学試験合否判定においては、不利益を被る受験者がないよう措置します。

 

1. 出題ミスの内容
平成26年8月26日(火)に実施した理学系研究科の修士課程入学試験における筆記試験の専門科目「天文学1」(別紙)で出題した第2問で用いる式の下記の部分
n(ν, T)dνR(t)3 = n(ν0, T0)dνR(t0)3
が、正しくは
n(ν, T)dνR(t)3 = n(ν0, T0)dν0R(t0)3
であるべきであった。
宇宙マイクロ波放射のエネルギー密度を現在(添え字0)と黒体とみなせる過去(添え字なし)とを比較する際に、この光子数保存の式を使うことが本小問の意図したところである。このとき、正しい式を用いるとプランクの式が導かれるが、誤りの式をそのまま用いると係数が残ってしまい、そのために受験者がこの問いに答えられなかった可能性がある。

 

2. 出題ミスの発見の経緯
本科目の受験は数学・物理・天文学の基礎知識を必要とする天文学専攻が、選択科目のひとつとして受験生に課している。
当該科目で出題された問題は数学2問、物理2問、天文学2問の計6問で、このうち数学と物理学をそれぞれ少なくとも1問を含む4問を選択し、解答する。
本専攻の募集人員は23名で、全体受験者数34名中、当該問題受験者数は22名であった。
試験日から報告まで採点等の入試業務では指摘が無かったが、9月4日の面接試験後(14時頃)に教員の1名からの指摘により、明らかとなった。作問委員と本専攻入試委員長が検討した結果、間違いであることを確認した。

 

3. 採点方法及び受験者への周知について
天文学1の小問(2)について未記入を含め,すべて正答として採点した。当該科目の筆記試験受験者全員に、このミスと対応について記述した通知文書を9月9日(火)に速達で郵送した。

 

4. 出題ミスの起こった原因とチェック体制について
当該問題については、各問題の出題委員が問題案を作成後、別の教員によって、試験実施前の複数回の問題点検および試答を行っていた。しかし、脱字についての検証が不十分であり、出題ミスの発見に至らなかった。

 

5. 今後の対応
今後、入学試験問題の出題に当たっては、このようなことがないよう、各担当教員に厳しく周知徹底するとともに、今回の件が脱字を見過ごしたことが原因であったため、現在よりも誤字脱字のチェック回数を増やすなどの対策を講じて、同様の出題ミスが起こらないよう再発防止に努めたい。

 

問題文の抜粋


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