ICTを活用して障がい児の学習・生活支援を行う「魔法のプロジェクト2014 ～魔法のワンド～」の成果報告会を開催記者発表

平成27年1月24日

東京大学先端科学技術研究センター
ソフトバンクモバイル株式会社
株式会社エデュアス

2015年1月24日（土）に、携帯情報端末を活用した障がい児の学習・生活支援を行う事例研究プロジェクト「魔法のプロジェクト2014 ～魔法のワンド～」（以下「魔法のワンドプロジェクト」）の成果報告会（主催：東京大学先端科学技術研究センター）を開催いたしました。

「魔法のワンドプロジェクト」は、東京大学先端科学技術研究センターとソフトバンクモバイル株式会社、株式会社エデュアスが2014年4月より開始した事例研究プロジェクトで、特別支援学校、特別支援学級に加えて、通常学級も含めた計76校に所属する児童・生徒と教員を2人1組にした79組に、携帯情報端末を貸し出し、実際の教育現場および日常生活の場で活用いただいています。今回の成果報告会では、20校の事例を報告し、各校の取り組み内容を会場内に展示しました。

また、報告会の最後には、「魔法のプロジェクト※」初の取り組みとして、2人の先生を「魔法のティーチャー」として認定しました。2009年から実施してきた「魔法のプロジェクト」では携帯情報端末の機能やアプリを障がいのある子どもたちの学習・生活の支援にどのように生かしていくべきかを理解し、個々の教育的ニーズに合わせた支援を実践できる先生の育成に力を入れており、今後も「魔法のティーチャー」を増やしていきます。

※ これまでに、携帯電話を活用した障がい児の学習支援「あきちゃんの魔法のポケットプロジェクト」（2009年度）、iPadを活用した障がい児の学習支援「魔法のふでばこプロジェクト」（2011年度）、支援を学習の場だけでなく生活の場に広げた「魔法のじゅうたんプロジェクト」（2012年度）、これらのプロジェクトの集大成として行った「魔法のランププロジェクト」（2013年度）、特別支援学校・特別支援学級の障がい児に加え、初めて通常学級の発達障がい児も対象にした「魔法のワンドプロジェクト」（2014年度）を実施。

記

1．日時
2015年1月24日（土）　午前9時45分～午後4時30分
※ 受付は午前9時15分より、3号館南棟ENEOSホール 報道関係者受付にて行います。
※ 終了時間は多少ずれる可能性があります。

2．場所
東京大学先端科学技術研究センター 駒場IIキャンパス 3号館南棟ENEOSホール
（所在地：東京都目黒区駒場4丁目6番1号）
3．プログラム
午前9時30分　 一般受付開始
午前9時45分　 開会
午前9時50分　 共通シンポジウム「タブレット・医療・教育」
中邑 賢龍（東京大学先端科学技術研究センター 人間支援工学 教授）、
三宅 琢（東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員）
午前10時20分　グループ別シンポジウム（実践事例紹介）
① 肢体不自由、重度重複障がい
沖縄県立那覇特別支援学校、東京都立北特別支援学校、福井県立福井東特別支援学校、香川県立高松養護学校、香川県立善通寺養護学校
② 知的障がい、自閉症
沖縄県立西崎特別支援学校、大阪府立和泉支援学校、社会福祉法人光朔会オリンピア住吉、大阪府立寝屋川支援学校、大分県立大分支援学校
③ 感覚障がい、発達障がい
松江市立古志原小学校、高知県立高知ろう学校、町田市立本町田東小学校、福生市立福生第二中学校、名護市立大北小学校
午後0時15分　 昼休み、ポスターセッション
午後1時45分 基調講演「インクルーシブ教育のあり方～コンフリクトマネジメント」
中邑 賢龍（東京大学先端科学技術研究センター 人間支援工学 教授）
午後2時45分 インクルーシブ実践事例発表
東京都狛江市立緑野小学校、沖縄県立鏡が丘特別支援学校、青森県立浪岡養護学校
午後3時30分 優良実践事例発表
長野県稲荷山養護学校、松江市立意東小学校
午後4時30分 閉会

＜ご参考：携帯情報端末の活用事例＞
・写真やシンボルを使ったコミュニケーションを通じて、自閉症により、理解の度合いを測ることが難しかった生徒が、想定以上に高いレベルで理解してコミュニケーションができていることが分かり、手書きの文字での意思の表出につながりました。また、双方向コミュニケーションのツールとしてSNSを活用しています。

・肢体不自由の障がいにより教科書やノートなどの持ち運びや、一人で学習の準備をすることが難しいなど、自分が思うようなペースでの学習が困難な生徒の負担を軽減するために、携帯情報端末を利用した教材やノートテイクを活用しています。

以上