東京大学
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書籍名

열사의 탄생 - 한국민중운동에서의 한의 역학

(『烈士の誕生 - 韓国の民衆運動における「恨」の力学』韓国語訳)
著者名 真鍋 祐子 、金 景南 (訳)
判型など 344ページ
言語 韓国語
発行年月日 2015年05月01日
ISBN コード 978-89-285-0777-1
出版社 民俗苑
出版社URL 書籍紹介ページ
学内図書館貸出状況(OPAC) 열사의 탄생 - 한국민중운동에서의 한의 역학
 原著『烈士の誕生―韓国の民衆運動における「恨」の力学』は1997年に平河出版社より刊行された。本研究の着想は、盧泰愚政権末期の韓国に滞在中の1991年、デモに参加していた一学生の戦闘警察による殴打致死事件に端を発し、学生や労働者による抗議の焼身自殺がその後、約一か月間にわたり全国で頻発する様子を目撃したことによる。一人の死に対する弔い合戦がやがて激烈なシュプレヒコールを伴うデモとなり、投石、火炎瓶と催涙弾を交えた民主化闘争へと展開される。そうした最中でさらなる抗議の自殺が企てられ、またデモの渦中での圧死事件などが起こると、闘争はいっそう過熱し、政治的な死が再生産される。毎年このような現象は、民主化運動勢力が、4・19学生革命 (1960年) と5・18光州民主化抗争 (1980年) の精神継承を掲げながら、これらの歴史的事件における死者を祀るための闘争を活発化させる4月と5月に集中して起こり、90年代半ばまでは、いまだ名誉復権されていなかった光州抗争に対する弔い合戦の意味を強く帯びていた。
 本研究は韓国の民主化運動における死者の扱いと、死者をめぐる内在的動機づけという点に注目し、シャーマニズムや儒教倫理に軸をおいた儀礼論の視座から、これら伝統的死生観に逆行する「不孝の死」、ひいては反共の国是に逆行する「アカの死」が、価値逆転的に「烈士」として祀り上げられることで民主化闘争の動因となり、87年の民主化宣言や94年の光州聖域化宣言を勝ち取るまでの歴史的動態として韓国現代史を解体したものである。本書では特に、1970年に勤労基準法遵守を訴えて抗議の焼身自殺をとげた裁縫工・全泰壹を起点とし、80年の光州事件を機に急増した抗議の自殺者たちの死がどのように受け止められ、運動理念としていかに合理化され、それが遺族たちも巻き込みながらいかなる運動として結実し、87年の民主化宣言へと韓国社会を導いたかについて、儒教倫理における「孝」-「不孝」、シャーマニズムにおける「恨」-「恨プリ」という二つの軸から、具体的には死者が「烈士」として祀り上げられるまでのプロセスを儀礼論的に分析した。
 1987年の民主化宣言以降、1998~2007年の進歩的な金大中~盧武鉉の政権期、2000年の南北首脳会談などをへて、民主化運動とその動因となってきた抗議の自殺は殆ど衆目を集めなくなっていたが、李明博から朴槿恵の政権にかけて反動化した政治状況は、再び民主化勢力にとって予断を許さないものとなった。そして2014年4月のセウォル号の惨事と、2015年11月の民衆総決起集会で放水銃による犠牲者が出たことに加え、いわゆる「崔順実ゲート」により財界と癒着した朴政権の腐敗が明るみにされると、民主化勢力は再び力を得て、毎週末の「ろうそく集会」を重ねることになった。かくして朴政権は民主的な手続きによって倒され、故・盧武鉉元大統領の側近だった文在寅が新しい大統領に選出された。こうした、さる10年間の韓国情勢の推移と現状に鑑みて、本書の研究史的意義が追認された結果、原著出版から18年後にして韓国で翻訳・出版されることになり、改めて本書の真価が問われることになった。ちなみに訳者の金景南牧師は、1974年の民生学連事件に連座した民主運動家であり、70~80年代にはT・K生を中心とした日韓連帯による民主化運動に深く関与した、いわば本書を織りなした主役たちの一人である。

(紹介文執筆者: 東洋文化研究所 教授 真鍋 祐子 / 2017)

本の目次

『열사의 탄생』 한국어판 축사_조헌정 (『烈士の誕生』韓国語版祝辞: チョ・ホンジョン)
『열사의 탄생』 한국어판 축사_박재묵 (『烈士の誕生』韓国語版祝辞: 朴在黙)
『열사의 탄생』 한국어판 축사_최길성 (『烈士の誕生』韓国語版祝辞: 崔吉城)
『열사의 탄생』 한국어판 서문_마나베 유코 (『烈士の誕生』韓国語版序文: 真鍋祐子)

서장 (序章)
들어가며 (はじめに)
제1절 연구과제의 설정 (第一節 研究課題の設定)
제2절 약간의 개념규정 및 분석의 시점視點 (第二節 若干の概念規定および分析の視点)

1열사 탄생과 생성 과정 (第一部 「烈士」誕生生成過程
  1. ‘열사’의 탄생(1970년대) - 전태일의 삶과 죽음을 둘러싸고 – (第一章 「烈士」の誕生 <1970年代> - 全泰壹の生と死をめぐって -)
제1절 ‘한국의 예수’=전태일에게서 보는 ‘열사’의 모델 (第一節 「韓国のイエス」= 全泰壹にみる「烈士」のモデル」)
  1. 왜 ‘전태일’인가? (1.なぜ、「全泰壹」なのか?)
  2. 전태일 죽음의 파문波紋 (2. 全泰壹の死の波紋)

제2절 전태일의 생애사와 사회·문화적 배경 (第二節 全泰壹のライフヒストリーと社会・文化的背景)
  1. 유소년 시절 (1. 幼少年時代)
  2. 방랑시대 (2. 放浪時代)
  3. 노동자 시절 (3. 労働者時代)

제3절 신화적인 ‘이야기’를 통한 ‘열사’ 모델의 형성 과정 (第三節 神話的な「語り」を通した「烈士」モデルの形成過程)
  1. 전태일이 그린 전태일 (1. 全泰壹の描いた全泰壹)
  2. 이소선이 그린 전태일 (2. 李小仙が描いた全泰壹)
  3. 조영래趙英來가 그린 전태일 (3. 趙英來の描いた全泰壹)

제4절 신화로서의 『전태일평전』과 그 사회적 배경 (第四節 神話としての『全泰壹評伝』とその社会的背景)
  1. 순교자 모델의 형성 (1. 殉教者モデルの形成)
  2. 사회와의 상호작용 관계 (2. 社会との相互作用関係)
  3. 전태일 사건을 전후한 사회적 배경 (3. 全泰壹事件に前後する社会的な背景)

2열사의생성 과정(1980년대) (第二章 「烈士」生成過程 <1980年代>)
제1절 1980년대의 민중운동 (第一節 1980年代の民衆運動)

제2절 획기적 사건으로서 ‘1986년’- 필리핀 ‘2월 혁명’의 영향력 - (第二節 画期としての「1986年」- フィリピン「二月革命」の影響力)
  1. 필리핀 ‘2월 혁명’을 둘러싼 한국의 사회상황 (1. フィリピン「二月革命」を取り巻く韓国の社会状況)
  2. 필리핀 ‘2월 혁명’을 둘러싼 신화적 ‘이야기’ (2. フィリピン「二月革命」をめぐる神話的「語り」)
  3. 소결 (3. 小括)

제3절 죽음의 수용과 의미부여의 과정 (第三節 死の受容と意味付与の過程)
  1. ‘열사’를 둘러싼 ‘공상황公狀況’의 형성 (1. 「烈士」をめぐる「公状況」の形成)
  2. 죽은 사람의 ‘상징적 불사不死’의 획득 (2. 死者における「象徴的不死」の獲得)
  3. 산 사람에 의한 ‘상징적 불사不死’의 대행代行 작업 (3. 生者による「象徴的不死」の代行作業)

2열사유족들의 운동권에의 참여 과정 (第二部 「烈士」遺族たちによる運動圏への参与過程)

제1장 이소선李小仙에 보이는 어머니 모델(1970년대) (第一章 李小仙にみる母親のモデル <1970年代>)
제1절 ‘불효’를 둘러싼 가치 역전의 과정 (第一節 「不孝」をめぐる価値逆転のプロセス)

제2절 이소선이 보인 어머니의 모델 -『어머니의 길』- (第二節 李小仙の示した母親のモデル -『オモニの道』)
  1. 비애를 둘러싼 세 가지 과정 (1. 悲哀をめぐる三つの過程)
  2. 목요기도회와 인혁당人革黨사건을 둘러싸고 (2. 木曜祈祷会と人革党事件をめぐって)

2유가협 남겨진 부모들(1980년대) (第二章 「遺家協」されたたち<1980年代>)

제1절 ‘유가협’의 개요 (第一節 「遺家協」の概要)

제2절 남겨진 부모들의 사례 (第二節 遺された親たちの事例)
  1. 김종태 어머니의 경우 (1. 金鍾泰の母親の場合)
  2. 박영진朴永鎭 부친의 경우 (2. 朴永鎮の父親の場合)
  3. 박종철 부모의 경우 (3. 朴鍾哲の両親の場合)
  4. 이석규의 모친의 경우 (4. 李錫圭の母親の場合)
  5. 강경대姜慶大 어머니의 경우 (5. 姜慶大の母親の場合)

제3절 남겨진 부모들에게서의 ‘비애의 작업’ (第三節 遺された親たちにおける「悲哀の作業」)
 1. 비애를 둘러싼 심리 과정 -‘원怨’에서 ‘한恨’으로 – (1. 悲哀をめぐる心理過程 -「怨」から「恨」へ -)
 2. 애도의 형식과 의례 장치 (2. 哀悼の形式と儀礼の装置)
 3. 비애를 둘러싼 사회 과정 - 유지遺志의 사회화로 – (3. 悲哀をめぐる社会過程 - 遺志の社会化へ -)

종장 (終章)

요약과 전망 (要約と展望)
저자 후기 (著者あとがき)
역자 후기 (訳者あとがき)
참고 문헌 (参考文献)
찾아 보기 (索引)