新型コロナウイルス感染症に関連する対応について
東京大学の学生・教職員のみなさまへ

新型コロナウイルス対策タスクフォースの解散にあたって

このたび、令和2(2020)年2月28日に設置された東京大学新型コロナウイルス対策タスクフォースについては、令和6(2024)年3月31日をもって解散することとしました。

令和2(2020)年1月に新型コロナウイルスの国内最初の感染例が確認されてから4年余りが経過しました。当初は高い死亡率を示し、ウイルスの本質も解明されていない部分が多く、治療薬やワクチンもないという状況で、東京大学のように5万人もの多様な人々が集う環境を安全に保ちながら、大学の機能を維持することは、通常の対応だけでは十分ではありませんでした。新型コロナウイルス感染症拡大の状況に鑑み、感染症対策に全学的見地から組織的かつ集中的に対処するため、東京大学における危機管理基本規則第7条に基づく対策本部として、東京大学新型コロナウイルス対策タスクフォースが設置されました。タスクフォースでは、最新の知見に基づいて、大学の構成員の安全を確保し、大学の機能や教育研究活動の継続のために、感染拡大防止にかかる本学の統一的な対応方針の策定、本学構成員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応、感染拡大防止のための本学構成員への正確な情報提供などを行ってきました。

この4年間に経験した非常な困難は、構成員全てが苦境に陥り未曾有のものでした。キャンパス内での活動だけでなく、屋外を自由に歩くことや集まって会話をするといった、これまでの日常生活では当たり前と思っていたことが大きく制限されました。こうした事態は、本学の長い歴史においても初めての経験でした。しかし、この厳しい状況下においても、サイバー空間とリアル空間の融合によるオンライン授業やオンライン会議の実施、多様な働き方の導入により、教育研究活動・大学運営が継続されました。また、もっとも影響を受けた外国人留学生の入国に関しては、政府の規制が緩和後は、入国後も安心して生活できるよう待機に必要な宿泊や移動手段の手配、それらに要する費用の支援などが行われ、混乱する状況下であっても外国人留学生の円滑な入国が実現しました。さらに、式典や行事、課外活動等もそれぞれの状況に応じて関係者による最大限の努力のもと、その意義を重視しながら今日まで続けられてきました。新型コロナウイルス感染症により急速かつ強制的にDX化が進展し、UTokyoCompassで掲げている多様性を尊重した世界の誰もが来たくなる教育・研究環境の実現と、教職員にとって魅力ある職場環境の創出を可能にしました。

これまでの東京大学の経験と知識の蓄積は、新型コロナウイルス感染症に留まらず、いずれ発生することが避けられないであろう新興感染症・再興感染症によるパンデミックや自然災害等の危機事象においても必ずや活かされると期待されます。そして、今回垣間見ることのできた東京大学のもつレジリエンスは、さまざまな危機的状況にも的確に対応することを可能にすると確信しております。

最後に、構成員の皆様には大変な状況の中でも、オンライン講義で学びをつないだ学生のみなさんとそれを支えた教職員のみなさん、学問の情熱を持ち続け、教育研究を続けた教員、研究者のみなさん、すべての方々の熱意と努力に心から感謝の意を表します。

2024年3月25日
東京大学 新型コロナウイルス対策タスクフォース座長/理事・副学長
大久保 達也

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