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東京大学プレミアム・サロン ~タフな次世代リーダーを育てるために~

第回 ゲスト

ACCESS_Kamada150
株式会社ACCESS Founder / 理学博士

鎌田 富久様

日時: 2011年10月31日(月) 19:00~20:30
場所: 経済学部3階3番教室
ゲストスピーチテーマ:「ACCESS のチャレンジ」
紹介

東京大学理学部在学中の1984年にアクセス(現・ACCESS)の設立に参画。世界初の携帯電話向けブラウザの開発を牽引し、NTTドコモのiモードサービスの実現に携わる。現在では、年間1億台を超える携帯電話、スマートフォン、テレビ、ゲーム機、カーナビといったあらゆる機器にソフトウェアを提供し、全世界で類型10億台の搭載実績を誇る企業に育てあげた。


報告

<講演抜粋>

動画はこちら

28年前、ACCESSを立ち上げ、先週、代表取締役社長 兼 最高経営責任者を辞任した。今日は、記念すべき第二の人生の一日目。28年前の自分が皆さん側の席に座っているとしたら、こういう話を聞きたいのではないかと思い描きながら話したい。

<起業のきっかけ>
プログラミングができたので、「普通のアルバイトよりもっと効率よく稼げないかな。新しいことをやってみたい」と深く考えずに、荒川亨さんと一緒にやりはじめた。ソフトウェアは元手もいらないし、知恵だけで稼げる。こんなに良い領域は無いと思ってやり始めた。このとき、「大きい山をつくるためには、裾野が広くないと大きくならない。色々なことをしっかりやろう」と考えた。ネットワーク、OS、プログラミング言語等の分野で手を着けてみたものの、裾野が広いとなかなか大きくならない。山が大きくなることを実感できなく、「しんどい」と思う時期もあった。

<失敗と成功>
1990年代から、日本はなんとなく閉塞感のある20年を過ごしているが、インターネットの世界は飛躍的に拡大してきた。ACCESSはそれにかけていた。インターネットを使って、色々な機器をつなげるということをやってきた。その中で、色々な失敗もした。1995年に発表しマスコミ等にも取り上げられ話題となったインターネットテレビは、当時のネットワーク環境下では、いくら何でも早過ぎだった。最近では通信環境も整い、機器の高機能化により普及しているが、15年前では時期尚早であった。
失敗に負けず、携帯電話に挑戦した。携帯電話機にソフトウェアを組み込み、メールやブラウザの機能を付加するということだった。すでに通信環境が整っていた携帯電話では、成功すると確信していた。小さい画面での操作を簡単にするかというのがポイントだった。この技術は、世界的にも注目を浴び、海外のメーカーにも提供し、現在のiPhoneといったスマートフォンなどの先駆けとなった。

<グローバル展開>
2001年に東証マザーズに上場し、海外進出を進めていった。こうしたACCESSのような事業規模でのグローバル・オペレーションは、通信コストがただ同然の今だからこそ可能である。
海外企業の買収もあり、日本の従業員が300人に対し、国外の従業員の割合が増えてきた。現地の人を使って仕事をする中で大事なのは、直接会い、相互理解を深めること。多いときには、年間30回程の海外出張をして現地の人に会って直接考えを伝えてきた。グローバル企業をつくるとき、カルチャーの違いは大きい。例えば、休日出勤は絶対しない等、パーソナルプライオリティが違う。
会社のマネジメントパターンにもグローバルな視点から見ると、いくつかのパターンがある。アメリカは、本社で決めたことに世界中、有無を言わさず従わせるスタイルであり、ヨーロッパは、ローカルの意見も参考にしながらマネジメントするスタイルが多い。全てのことを本社決済で行うという、アメリカのようなリーダーシップスタイルはあまり日本にはそぐわない。グローバルのルールは本社で決めるが、ローカルのルールも重んじるというのが良いと思う。ローカルもやりがいがあり、能力が発揮でき、尚且つ、グローバルのルールに則っているというのが目指すところだと思う。

今後20年~30年を展望すると、中国以外の国を含め、アジアの力は圧倒的に大きいだろう。日本発の企業として、アジアの中でグローバルにうまく人々をまとめていくのは成功のヒントだと思っている。日本は、バランス感覚があり、真面目で先進的なところを活かして、アジアの中で、中心的な役割を担えたら良いと思っている。

<今後の関心>
ネットワークによって、世界が狭くなっている。欲しい人に欲しいものを届け、世の中を最適化することが可能だ。教育も同じ。学びたいという人がいて、教材を持っている人がいで、それをネットワークにつなげれば良い。スマートグリッド等、実現できるようなことをやってみたい。

<学生、若手卒業生へのメッセージ>
国境を意識しない時代。アジア全体は、すごく元気。横目で見ているのではなくて、彼らと一緒に、是非、どんどん海外に出て行ってチャレンジして欲しい。


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