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遺伝子組換え実験等の使用等実施規則

第1章 総則

(目的)
第1条 この規則は、東京大学(以下「本学」という。)において、遺伝子組換え実験等の使用等(以下「実験等」という。)を計画し、 実施する際の安全を確保するために、遺伝子組換え実験等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律、 遺伝子組換え実験等の使用規制による生物多様性の確保に関する法律施行規則及び研究開発等に係る遺伝子組換え実験等の第二種使用等に当たって 執るべき拡散防止措置等を定める省令(以下「法律等」という。)に基づき、遵守すべき基準を示し、 もって的確かつ円滑な実施を確保することを目的とする。

(定義)
第2条 この規則の解釈に関する用語の定義については、法律等に定めるところによる。

第2章 組織及び職務

(総長の責務)
第3条 総長は、本学における実験等に係る安全確保について包括的に責任を負うものであり、次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
  1. 第5条に規定する専門委員会の委員を任命すること。
  2. 法律等に基づき、文部科学大臣に承認申請する第一種使用規程に係る実験等計画の確認を行うこと。
  3. 法律等に基づき、文部科学大臣に確認申請した第二種使用等拡散防止措置に係る実験等計画の実施について、承認を与えるか否かの決定を行うこと。
  4. 実験等方法の改善の勧告、実験等の計画変更、実験等の一時停止命令及び承認の取消しを行うこと。
  5. その他実験等の安全確保に関する基本的事項を定めること。

(部局の長の責務)
第4条 部局の長は、当該部局において、実験等に従事する者(以下「実験等従事者」という。) が行う実験等に係る安全確保について直接責任を負うものであり、次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
  1. 第5条に規定する部局遺伝子組換え実験等委員会の委員及び第8条に規定する遺伝子組換え実験等部局拡散防止主任者を任命すること。
  2. 部局遺伝子組換え実験等委員会が設置されていない部局において実験等の計画がある場合は、 当該実験等が関連すると考えられる部局遺伝子組換え実験等委員会が設置されている部局の長に審査等を依頼すること。
  3. 法律等及びこの規則に基づき、当該部局に申請のあった第一種使用規程に係る実験等計画及び第二種使用等拡散防止措置に係る実験等計画 (以下「実験等計画」という。)の適合性について審査を行うこと。
  4. 前号の第二種使用等拡散防止措置に係る実験等計画のうち、文部科学大臣の確認申請の必要のないものの実施について、 承認を与えるか否かの決定を行うこと。
  5. 当該部局における実験等方法の改善の勧告、実験等計画の変更、実験等の一時停止命令及び承認の取消しを行うこと。
  6. 実験等に使用する施設・設備について、その管理保全に努めること。
  7. 実験等に係る教育訓練及び健康管理に当たること。
  8. その他当該部局における実験等の安全確保に関する基本的事項を定めること。

(専門委員会等の設置)
第5条 本学に東京大学バイオサイエンス委員会遺伝子組換え実験等専門委員会(以下「専門委員会」という。)を置く。
2 実験等を実施する部局に原則として、部局遺伝子組換え実験等委員会(以下「部局委員会」という。)を置く。

(専門委員会)
第6条 専門委員会は、バイオサイエンス委員会の管理の下に、次の各号に掲げる事項について調査及び審議し、これらの事項に関して、 総長に対し助言又は勧告するとともに、バイオサイエンス委員会に報告するものとする。また、これらの事項に関して、専門委員会は、必要に応じ、 部局の長に対し実験等の安全管理に関する報告を求めることができるものとする。
  1. 実験等に係る規則等の立案に関する事項
  2. 部局の長から、当該部局における実験等計画に係る、法律等及びこの規則への適合性の判断について要請があった事項
  3. 実験等に係る教育訓練及び健康管理に関する基本的事項
  4. 事故発生の際の必要な措置及び改善策に関する基本的事項
  5. その他実験等の安全確保に関する重要事項
2 専門委員会は、委員長及び委員若干名をもって組織する。
3 委員長は、委員の互選による。
4 委員は、関係部局の教授又は准教授若干名及び総長が必要と認めた者により構成し、総長が委嘱する。
5 委員長は、専門委員会を招集し、その議長となるとともに会務を総括する。
6 委員長に事故あるときは、あらかじめ委員長の指名する委員がその職務を代理する。
7 委員の任期は2年とし、その補欠の委員の任期は、その残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
8 前各項に定めるもののほか、専門委員会の運営に関し必要な事項は、専門委員会の定めるところによる。

(部局委員会)
第7条 部局委員会は、部局の長の諮問に応じて、次の各号に掲げる事項について調査及び審議し、これらの事項に関して、 部局の長に対し助言又は勧告するとともに、実験管理者に対し、実験等の安全管理に関する報告を求めることができるものとする。
  1. 当該実験等計画に係る法律等及びこの規則への適合性の判断について要請があった事項
  2. 実験室又は実験区域及び実験設備(以下「実験室等」という。)に関する事項
  3. 実験等に係る教育訓練及び健康管理に関する事項
  4. 事故発生の際の必要な措置及び改善策に関する基本的事項
  5. その他実験等の安全確保に関する重要事項
2 部局の長は、部局委員会の組織及び運営に関する規則等を定めるものとする。

(部局拡散防止主任者)
第8条 部局委員会を置く部局に、部局の長の任務を補佐する機関として、遺伝子組換え実験等部局拡散防止主任者 (以下「部局拡散防止主任者」という。)を置く。
2 部局拡散防止主任者は、当該部局の教授又は准教授に、部局の長が委嘱するものとする。
3 部局拡散防止主任者は、次の各号に定める任務を果たすものとする。
  1. 実験等計画が法律等及びこの規則に従って適切に遂行されていることの確認
  2. 実験等の安全性について、部局の長に対する助言又は勧告
  3. 実験等の安全性について、実験等従事者に対する指導助言
  4. その他実験等の安全確保に関する必要な事項

(実験管理者)
第9条 実験等を実施しようとするときは、実験等計画ごとに、当該実験等従事者のうちから実験管理者を定めなければならない。
2 実験管理者は、個々の実験等計画の遂行について責任を負うものとする。
3 実験管理者は、部局委員会及び部局拡散防止主任者との連絡の下に、実験等計画の申請、及び次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
  1. 実験等計画の立案及び実験等実施における適切な管理及び監督
  2. 実験等従事者に対する教育訓練
  3. 実験等に係る記録の作成及び保存
  4. その他実験等の安全確保に関する事項

第3章 実験室等の管理及び安全

(実験室等の管理保全)
第10条 実験管理者は、実験等に使用する実験室等を法律等に従い、その管理保全に努めなければならない。

(実験室等の使用)
第11条 実験管理者は、実験室等の使用に当たっては、法律等を遵守した措置をとらなければならない。

(実験等試料の取扱い)
第12条 実験等従事者は、実験開始前及び実験中において常時実験等に用いられる核酸供与体、ベクター、 宿主等が生物学的拡散防止措置の条件を満たすものであることを厳重に確認するとともに、実験等試料(遺伝子組換え実験等)の取扱いについては、 法律等に定める拡散防止措置のレベルに応じて厳重に行わなければならない。
2 実験等従事者は、遺伝子組換え実験等を譲渡し、若しくは提供し、又は委託して使用等を行わせる場合は、文書等により情報提供しなければならない。
3 実験等従事者は、遺伝子組換え実験等を譲受しようとする場合は、文書等により情報提供を受けなければならない。
4 前2項の情報提供の方法及び内容については、別に定める。

第4章 実験等計画の審査

(審査基準)
第13条 専門委員会及び部局委員会が、実験等計画の安全性について審査する場合の基準は法律等の定めるところによるものとする。
(第一種使用等)
第14条 第一種使用等をしようとする実験管理者は、法律等及びこの規則の定めるところにより、 第一種使用規程に関する関係書類を添えて部局の長に申請しなければならない。
2 部局の長は、前項により申請があった第一種使用規程を当該部局委員会に諮問し、同委員会の審議を経て、第一種使用規程について、総長を経由して、 法律等の定める主務大臣の承認を求めなければならない。

(第二種使用等)
第15条 第二種使用等をしようとする実験管理者は、法律等及びこの規則の定めるところにより、 第二種使用等拡散防止措置に関する関係書類を添えて部局の長に申請しなければならない。
2 前項に定めるもののほか、安全性の確認方法等の手続に関する必要な事項は、部局の長がこれを定める。
第16条 部局の長は、前条により申請があった第二種使用等が法律等において拡散防止措置が定められていない実験等(大臣確認実験)の場合には、 部局委員会の審議を経て、当該第二種使用等について、総長を経由して、文部科学大臣の確認を求めなければならない。
第17条 部局の長は、第15条により申請があった第二種使用等が法律等において拡散防止措置が定められている実験等(機関実験)である場合には、 部局委員会の審議を経て、当該第二種使用等を承認することができる。
2 部局の長は、前項の規定により第二種使用等を承認した場合は、すみやかに実験管理者に通知するとともに、総長に報告しなければならない。
第18条 第14条から第17条までの規定については、実験等計画を変更する場合も同様とする。
第19条 第15条に規定する第二種使用等のうち、法律等において拡散防止措置が定められている実験等(機関実験)である場合の申請書の様式は、 別記様式のとおりとする。

(改善の勧告、計画等の変更又は承認の取消し)
第20条 総長は第17条第2項の規定により、部局の長から報告のあった実験等計画に関し、実験等の安全性等について疑義が生じた場合は、 実験等方法の改善の勧告、実験等の計画変更又は承認の取消しの決定を行うことができる。
2 部局の長は、第17条第1項の規定により承認を与えた実験等の安全性等について疑義が生じた場合は、 部局委員会又は部局拡散防止主任者の勧告に基づき、実験等方法の改善の勧告、実験等の計画変更又は承認の取消しの決定を行うことができる。

第5章 教育訓練及び健康管理

(教育訓練)
第21条 部局の長及び実験管理者は、実験等従事者等に対し、実験等開始前に、法律等及び本規則を熟知させるとともに、 次の各号に掲げる教育訓練を行わなければならない。
  1. 危険度に応じた微生物安全取扱い技術
  2. 拡散防止措置に関する知識及び技術
  3. 実施しようとする実験等の危険性に関する知識
  4. 事故発生の場合の措置に関する知識
2 実験管理者は、前項の教育訓練の計画及び実施に関して、部局拡散防止主任者に協力を求めることができる。

(健康管理)
第22条 部局の長は、実験等従事者の健康管理について、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。また、実験等従事者は、 自己の健康管理に努めるものとする。
  1. 実験等従事者に対し、実験等実施期間内に定期的に健康診断を行うこと。
  2. 実験等従事者が病原微生物を取り扱う場合には、東京大学研究用微生物安全管理マニュアルに従い、所定の措置を行うこと。
  3. 実験室内感染の疑いがある場合には、直ちに医師の診断を受けさせること。

第6章 異常事態発生時の措置

(緊急時の措置)
第23条 部局の長は、実験室等において、事故若しくは地震、火災その他の災害のため生物災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、 直ちに適切な措置を講じなければならない。

(実験管理者等のとる措置)
第24条 実験等従事者は、実験室等において異常事態を発見した場合は、直ちに実験管理者及び部局拡散防止主任者に通報しなければならない。
第25条 実験管理者は、異常事態発生の通報を受けた場合及び異常事態を発見した場合は、実験室等の使用禁止又は立入禁止の措置を講ずるとともに、 消毒その他の必要な措置をとり、部局拡散防止主任者の指示をあおがなければならない。
第26条 異常事態の結果、障害を受けた者又は障害発生のおそれのある者が生じた場合は、実験管理者は、 部局拡散防止主任者の指示によって救急措置をとるとともに、医師の診療を受けさせなければならない。
第27条 実験管理者及び部局拡散防止主任者は、異常事態の経過及び措置等に関する報告書を作成し、 部局の長及び部局委員会委員長に提出しなければならない。
第28条 部局委員会委員長は、前条の報告を受け必要と認めた場合には、部局委員会を招集し、対策等について審議しなければならない。
第29条 部局の長は、第23条から第28条までの規定による報告を受けた場合、及び措置又は対策等を講じた場合には、 すみやかに異常事態発生の状況及び応急措置の概要等を総長に報告しなければならない。

第7章 記録

(記録・保管)
第30条 実験管理者は、次の各号に掲げる事項を確実に記録し、部局拡散防止主任者と緊密な連絡のもとに、その記録を5年間保存しなければならない。
  1. 実験等計画書及び実験の記録
  2. 遺伝子組換え実験等の授受、保存及び廃棄
  3. 異常事態の経過及び措置
  4. 健康診断受診の記録(本学が実施する定期健康診断の記録を除く。)

第8章 雑則

(他の規則との関連)
第31条 実験等が他の規則(東京大学ヒト生殖・クローン関連実験規則、東京大学研究用微生物安全管理規則、東京大学動物実験実施規則等) の適用を受ける場合には、実験等従事者はそれぞれの実施要項等を遵守しなければならない。

(庶務)
第32条 専門委員会にかかる庶務は、研究協力部において処理する。

附 則

1 この規則は、平成16年12月17日から施行する。
2 東京大学組換えDNA実験実施規則(昭和54年10月16日制定)(以下「旧規則」という。)は、廃止する。
3 この規則の施行前に法律等の趣旨に則り行った第二種使用等の文部科学大臣の確認については、旧規則の定めにかかわらず、 第15条及び第16条の規定に基づいて行ったものとみなす。
4 旧規則の定めに基づいて行った届出又は承認の実験(この規則の規定による大臣確認実験に該当するものを除く。)は、 法律等において定められている拡散防止措置を確認することにより、第15条及び第17条の規定に基づく申請及び承認・報告があったものとみなす。 この場合において、旧規則の組換えDNA実験計画書における動物作成実験又は植物作成実験に該当する区分が「P2」又は「P2に準ずる」 と記載されているのは「P1A」又は「P1P」と読み替えるものとする。
5 この規則施行の際、東京大学バイオサイエンス委員会組換えDNA実験安全専門委員会委員の任にある者は、 第6条第4項の規定に基づき委嘱されたものとし、その任期は、第6条第7項の規定にかかわらず平成18年3月31日までとする。

附 則

この規則は、平成17年6月24日から施行する。

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