NO.1424

  

地球観測データ統融合連携研究機構
アフリカ河川流域における地球観測および能力開発に関する国際ワークショップ

 1月12日(木)から14日(土)の3日間、ケニア・ナイロビにある国連コンファレンスセンターにて、「アフリカ河川流域における統合的な水資源管理のための、地球観測と能力開発に関するGEO- ユネスコ共同ワークショップ」(GEO-UNESCO Joint Workshop on Earth Observations and Capacity Development for Integrated Water Resources Management at River Basins in Africa)が開催された。本国際ワークショップは、当初、昨年9月にナイジェリアの首都アブジャにて開催予定であったが、会議直前に会場としていたユネスコオフィスが爆弾テロのため被害を受け、開催を延期していたものを、今回、場所をナイロビに変更して実現したものである。
 GEO とは、Group on Earth Observations の略称で、スイス・ジュネーブに本部事務局をおく「地球観測に関する政府間の枠組み」であり、GEO 事務局と、本学の当機構、ユネスコ(UNESCO 国際連合教育科学文化機関:United Nations Educational, Scientifi c and Cultural Organization )のパリ本部水文科学課、同ナイロビ現地事務所が合同で本国際ワークショップをバックアップした。日本からは、アフリカ水循環調整イニシアティブ代表の小池俊雄教授(当機構・工学系研究科)ほか、宇宙研究開発機構(JAXA)、水資源機構、国際協力機構(JICA)などが参加した。
 また、アフリカからは、チャド湖、ニジェール川、ナイル川、マジェルダ川、セネガル川、ザンベジ川、オカバンゴ川の各流域委員会の専門家が参加し、それぞれの流域から、多様なニーズ、データ情報の共有、水資源管理の現状などが報告された。
 アフリカ17 カ国(ボツワナ、ブルキナファソ、チャド、コンゴ、ガボン、ケニア、モザンビーク、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、南アフリカ、スーダン、チュニジア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)を含む参加者総数は、73 名であった。

本件に関するお問い合わせ先:
地球観測データ統融合連携研究機構 事務局
editoria@editoria.u-tokyo.ac.jp



救援・復興支援室
岩手県陸前高田市「学びの部屋」学習支援ボランティアの活動報告

 救援・復興支援室ボランティア支援班では、年末年始に引き続き、「陸前高田市教育委員会」等が主催する被災生徒等を対象とする学習支援事業「学びの部屋」に協力し、2月〜3月の期間には、陸前高田市の中学生の学習を支援する学生ボランティアを派遣した。
 2月18日(土)〜2月19日(日)はA班10 名(学部学生4名、大学院学生6名)が、2月25日(土)〜2月26日(日)はB班9名(学部学生5名、大学院学生4名)が、3月3日(土)〜3月4日(日)はC班8名(学部学生2名、大学院学生6名)が、3月17日(土)〜3月18日(日)はD班8名(学部学生4名、大学院学生4名)が陸前高田市内の3箇所の小・中学校の教室を利用しての「学びの部屋」において、個別学習や期末試験・高校入試の準備学習に取り組む中学生の学習サポート活動を行った。なお、3月18日には、濱田純一総長が激励に教室を訪れた。
 この活動は、今後も引き続き実施していく予定である。



地球観測データ統融合連携研究機構
第3回アフリカ水循環国際シンポジウム

 本年1月中旬に行われたナイロビでの国際ワークショップに続いて、2月27日(月)から29日(水)の3日間、第3回アフリカ水循環シンポジウムがガボンの首都リーブルビルにて開催された。現地ガボン宇宙庁がホストとなり、GEO と本学の当機構が共催した。平成21年に開催されたチュニジアでの第一回のアフリカ水循環シンポジウム、平成23年度のエチオピアでの第2回会合を経て、第3回目となる当シンポジウムでは、次の二点を開催趣旨として取り組んだ。(1)アジア水循環イニシアティブのための、実行計画案について議論する。また、特にアフリカ大陸に特長的である、国境をまたぐ越境河川流域のひとつをデモンストレーション流域として選定して、研究者、ステークホルダー、資金援助団体などが相互に連携するための枠組みを実現する場となるワークベンチの開発と、その成果目標、目的などを明確にする。(2)国連の持続可能の開発会議(Rio+20:本年6月にブラジル、リオ・デ・ジャネイロにて開催)の主要テーマとなる、グリーン経済(環境に配慮した経済成長)への貢献をテーマに、本会合の成果を、Rio+20 に向けた提言とし取りまとめることとする。この文書は、Libreville Statement(リーブルビル提言)として策定される予定である。
 ブルキナファソ、ボツワナ、コンゴ、ガボン、ガーナ、ケニア、ニジェール、ナイジェリア、ウガンダ、セネガル、南アフリカ、ザンビア、ジンバブエのアフリカ諸国から河川流域の専門家および流域委員会の代表者らが招聘され、アフリカ水循環イニシアティブの代表である本学の小池俊雄教授、GEO 事務局の水分野の科学者Douglas Cripe 氏、またGEO Water 代表のRick Lawford 氏が会議をリードし、白熱した議論が展開された。どのようなデータが必要なのか、GEO の枠組みが本研究に対してどんな支援ができるのか、現地の流域委員会と本学をはじめとする、高等教育機関がどのように連携することができるのか、など様々な質問に答えるかたちで議論が進められた。アフリカ14 カ国および欧米、日本を含む、当シンポジウムへの参加者総数は81 名となった。今後は、2012年秋にデモンストレーション実施計画策定のためワークショップの開催、また、2013年の1月に実行計画の推進にむけ第4回シンポジウムを開催し、共同実施計画案を採択し、実利用へ向けた開発を進める予定である。

本件に関するお問い合わせ先:
地球観測データ統融合連携研究機構 事務局
editoria@editoria.u-tokyo.ac.jp



総括プロジェクト機構
太陽光を機軸とした持続可能グローバルエネルギーシステム総括寄付講座(Global Solar+ Initiative:GS+I)がサウジアラビア、アブダラー国王原子力再生可能エネルギー都市(KACARE)とMOU を締結

 2月1日(水)に東京プリンスホテルで開催された日本サウジアラビア産業協力フォーラムにおいて、「KACARE(アブダラー国王原子力再生可能エネルギー都市)−東京大学間の再生可能エネルギー技術協力に関するMOU( Memorandum of Understanding) 」の調印式が行われた。当日は国会開催中にもかかわらず枝野幸男経済産業大臣が駆けつけ記念スピーチを行い、在サウジ日本大使館からは遠藤茂特命全権大使らが臨席した。



 MOU の内容は以下の通りである。
@KACARE と東京大学は再生可能エネルギーの分野における共同研究開発を実施する
AKACARE は
・サウジアラビアでのプロジェクトの方向性、成果計画に関するリーダシップをとる
・MOU の目的達成に必要なサポートを行う
・サウジアラビアでの再生可能エネルギープラントの商業化を推進する
B東京大学は
・技術、リサーチスキルを提供する
・サウジアラビアの研究者、技術者の教育機会を準備する
・再生可能エネルギーに関する世界最先端の研究および教育を推進する
C対外的発表にあたっては相互に書面による了解をとる

 2月2日(木)、前日のMOU 調印を受け、KACAREの戦略担当コンサルタントのイブラハム・バベリ氏が本郷キャンパスに来訪され、KACARE が策定するサウジアラビアのエネルギー戦略と、サウジアラビアに対する東京大学の今後の関わり方について、本学GS+I 担当教員及びスポンサー企業代表者らと意見交換を行った。
URL:http://www.gsi.u-tokyo.ac.jp

国際本部日本語教育センター
東京大学日本語教育連絡協議会・講演会を開催

 3月8日(木)、日本語教育センターで、第12 回東京大学日本語教育連絡協議会と第9回東京大学日本語教育講演会が行われた。
 本学には、全学の留学生・外国人研究者等を対象に各種の日本語教育を提供している「日本語教育センター」のほか、研究科や専攻によっては、それぞれの所属留学生等のために日本語教室を設けているところがあり、全体で10 余りの日本語教室があるため、年1 回程度、本センターが呼びかけて、その連携をとるべく、これらの会を開催しているものである。今回も、学内から合計約30 名の日本語教授者が参加して行われた。
 第一部の「連絡協議会」は、各教室がそれぞれの活動の様子を示す説明資料(掲示物・展示物等)を持ち寄っての情報交換会として実施され、他の教室の活動をヒントに自分の教室の運営に活かそうと、参加者らによる熱心な質疑応答や意見交換が行われた。また、第二部「講演会」では、一橋大学国際教育センターの石黒圭准教授による講演「コーパスから予測文法を考える」が行われ、講演後には、その内容を教育に応用することを念頭に置いて活発なディスカッションが続けられた。
 本学の留学生・外国人研究者の日本語能力の向上に寄与するという同じ目的をもった参加者たちが、その教育方法等についての考えを深め、また、親睦も深めることができる有意義な機会となった。

本部留学生・外国人研究者支援課
東京大学アサツー ディ・ケイ中国育英基金奨学生 大学院修士課程修了報告会

 3月13日(火)11時30分から、第二本部棟国際センター・日本語教育センター会議室において「東京大学アサツー ディ・ケイ中国育英基金奨学生大学院修士課程修了報告会」が開催された。
 この報告会は、「東京大学アサツー ディ・ケイ中国育英基金」による奨学生が、平成24年3月に修士課程を修了する予定であることを機に、寄附者である株式会社アサツー ディ・ケイ 稲垣正夫相談役・創業者をお招きし、奨学生および本学関係者から修了の報告とこれまでの支援に対するお礼を述べる機会とし、関係者と懇談を行うことを目的に開催されたものである。
 会は、修了が間近である学生へのお祝いと、支援をいただいた株式会社アサツー ディ・ケイに対するお礼を述べる濱田純一総長の挨拶に始まり、次いで、稲垣相談役・創業者から奨学生に対して、「東京大学での経験を生かし、日中両国の懸け橋になっていただきたい」との激励の言葉が贈られた。
 奨学生一人ひとりからの修了報告では、二年間の留学生活の思い出や、今後の抱負、また、支援をいただいた株式会社アサツー ディ・ケイに対する感謝の意が述べられた。
 昼食をとりながらの懇談は、稲垣相談役・創業者をはじめADK 関係者、濱田総長ほか本学関係者と奨学生との間で和やかに進み、会の終盤では、稲垣相談役・創業者から奨学生に対して記念品の贈呈があった。その後、江川雅子理事から閉会の挨拶があり、報告会は閉会となった。



バリアフリー支援室
「2011年度東京大学バリアフリーシンポジウム〜大学の防災とバリアフリー〜」開催される

 バリアフリー支援室と環境安全本部は、3月18日(日)に経済学研究科棟第一教室において「2011年度東京大学バリアフリーシンポジウム〜大学の防災とバリアフリー〜」を開催した。
 開会に先立ち武藤芳照理事・副学長より挨拶があり、大学として災害など有事の際のバリアフリー支援について検討し対処していくことの重要性や、本シンポジウムをきっかけに、バリアフリーを通して防災の新たな視点を見出すことへの期待が語られた。
 シンポジウム第一部では、田中淳環境安全本部防火防災部長(大学院情報学環教授)から、災害時の要援護者の避難対策に関する国や都道府県の取組み及び本学の防災に関する取組みについて報告があり、大学として多様な構成員の命を守るのに加え、長期的に生活再建や教育・研究の早期再開をいかに円滑に進めるかが課題として提起された。松ア丈宮城教育大学准教授からは、3.11 後の被災地における聴覚障害学生への支援活動について報告があり、全国的な大学間ネットワークが東北地区の聴覚障害学生への授業支援の早期再開に活かされたことが報告された。また、学生が積極的に情報にアクセスし判断する力を養う教育の重要性が指摘された。熊谷晋一郎先端科学技術研究センター特任講師からは、震災時の体験を踏まえつつ、「想定外」をいかに学習資源にしていけるか、また、支援の冗長性・頑強性・公平性を確保するために依存度をいかに分散させるかなど、震災後の社会を当事者研究の観点から問い直す問題提起があった。最後に、丹下健バリアフリー支援室本郷支所長(農学生命科学研究科教授)から、本学における災害時の障害のある構成員への対応に関する取組状況及び「個別(チーム)の緊急災害時マニュアル」の整備状況について報告があった。
 次いで第二部は、池田信雄バリアフリー支援室長(総合文化研究科教授)が座長を務めるパネルディスカッションが行われた。第一部の話題提供、事例報告を受け、星加良司氏(教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター講師)から、@多様なネットワークを構築する上での大学としての関わり方、A震災により見出されたバリアフリーの多様なニーズへの対応、B支援の冗長性、公平性及び頑強性の構築・維持、C情報保障の整備等に関するコメントがあり、活発なディスカッションが行われた。
 最後に、小島憲道副学長(環境安全本部長)から、全体総括があり、シンポジウムを締めくくった。



救援・復興支援室
遠野市「東日本大震災・後方支援の集い〜『縁』が結ぶ復興への『絆』〜」へ出席

 3月18日(日)午後、濱田純一総長は遠野市主催「東日本大震災・後方支援の集い〜『縁』が結ぶ復興への『絆』〜」に出席し、市民・関係者で埋めつくされた遠野市市民センター大ホールにて、「人の絆、組織の絆− 『絆』を明日へ−」と題した基調講演を行った。また、支援団体の1つとして、本学の支援活動に対して遠野市から感謝の楯が贈呈された。
 本学は、被災地における救援・復興に関する活動に携わる本学の教職員・学生に対する便宜を供与するため、「東京大学救援・復興支援室遠野分室」を遠野市役所西館に開設している。また遠野市は、大槌町などの湾岸被災地に対する後方支援の拠点となっている。
 以下のURL に総長の基調講演(全文)を掲載している。
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/recovery/info_20120321_j.html



救援・復興支援室、本部社会連携推進課
大槌町との連携協力に関する協定を締結

 3月19日(月)、本学は岩手県大槌町との間に連携協力に関する協定を締結した。大槌町には大気海洋研究所附属国際沿岸海洋研究センターがあり、1973年に設立以来、岩手県を中心とした沿岸域における海洋科学研究等を通じて交流をしてきた。本協定は、東日本大震災を受け、本学と大槌町との関係をより一層強化し、持続的かつ効果的な活動を進めるため、震災復旧及び復興に向けて相互に連携・協力して取り組むことを目的として締結されたものである。
 なお、本協定の調印式は、大槌町役場町長室において行われ、本学からは濱田純一総長、道田豊大気海洋研究所教授、中井祐工学系研究科教授が、大槌町からは碇川豊町長、阿部六平町議会議長、高橋浩進副町長が出席した。



部局ニュース

大学院工学系研究科・工学部
ラリー・モンテカルロ・ヒストリック完走

 工学系研究科国際工学教育推進機構バイリンガルキャンパス推進センターでは工学系研究科共通科目「創造性工学プロジェクト」、工学部共通科目「創造的ものづくりプロジェクト」を提供している。その中のヒストリックモンテ参戦プロジェクト(担当;草加浩平特任教授、森村久美子准教授)では、1月30日(月)から2月4日(土)にかけて欧州で開催された第15 回ラリー・モンテカルロ・ヒストリックに1975年式トヨタTA22 セリカと1973年式トヨタTE27 トレノの2台で出場した。
 メンバーは事前に渡欧し、船で輸送した車両の引き取りや車両整備などの準備を行った。また、世界ラリー選手権のラリー・モンテカルロ観戦、イギリスでのフォース・インディアやメルセデスGP のF1 チーム施設見学も行い、欧州と日本の車文化の違いを肌で感じることができた。
 そして昨年5月から目指したヒストリックモンテ本番を迎え、30日(月)19時にイタリア・トリノをスタートした。競技中、学生はサポート隊として各地点で給油や車両点検などを行う。



 初日にセリカがクラッシュし、一時はリタイアも考えたが、応急修理の後にチーム一丸となって戦略を練り直し、再スタートを切る。
 競技2日目以降は大きなトラブルなく進めることができた。そして全行程約2500km を走りきり、目標であった「ヒストリックモンテ完走」を果たした。



 結果は出走291 台(完走214 台)中セリカが213 位、トレノが119 位であった。ラリーは何が起こるかわからない、その中で最終目標に向かって、最後まで諦めずに進むことの過酷さと面白さを学んだ大会であった。
 大会後の表彰パーティには、国際化教育の一環として日本文化を発信するため、男性陣は袴、女性陣は着物で出席した。皆、半年かけて習った着付けの成果が出て、海外の方々から高い評価をいただき、日本の伝統を大切にせねばならないと身を持って感じる機会となった。表彰パーティには和服で臨み、注目を浴びた



 4月末の報告会をもって23年度プロジェクトは終了するが、このプロジェクトで学んだものづくり・目標達成まで諦めない精神、日本伝統文化の大切さを、個々の今後の活動に活かしていくことを期待する。また、本プロジェクトにご協力いただいた多くの方々に、紙面を借りて謝意をお伝えしたい。

生産技術研究所
先進モビリティ研究センター(ITS センター)「社会人のためのITS 専門講座」開催される

 2011年度「社会人のためのITS 専門講座」を先進モビリティ研究センター(ITS センター)主催で2月8日(水)に生産技術研究所コンベンションホール、2月9日(木)に千葉実験所の2日間で開催した。
 この講座は、ITS センターのメンバーを中心とする研究成果の発表、研究室見学、研究者とのディスカッション等によりITS センターの日頃の活動をご理解いただくとともに、研究成果の社会還元とITS の技術開発及び事業化と地域展開に必要な人材を育成することを社会貢献と考え、主に企業の技術者、地方自治体の担当者や政策立案者、大学の研究者などを対象に2004年より毎年開催してきた。
 1日目は、野城智也所長と須田義大センター長の開講挨拶のあと、当センターの専任メンバーから研究成果の報告があった。最新の研究テーマとして、滝口清昭特任准教授による準静電界のITS への応用、東北大学から医工学研究科研究科長の松木英敏教授をお招きし、電気自動車の走行中給電システム、新領域創成科学研究科大和裕幸教授にオンデマンド交通システムの研究成果の各講演があり、参加者156 名が熱心に聴講していた。昼時間を利用した当センター所属の10 研究室の研究室見学も行われた。パネル説明のほか、体験型の研究室見学も多数あり、非常に有意義な研究室見学となった。
 翌2日目は、初日とは別の当センターの専任メンバーによる講演が、新領域創成科学研究科居村岳広助教による最近の電気自動車へのワイヤレス充電の動向や技術的課題の取り組みなどの紹介があった。さらに、東北大学未来科学技術共同研究センター副センター長である長谷川史彦教授による被災地域の知の拠点として震災復興へ地域とともに取り組む東北大学の活動の講演、大震災に関連し、生産技術研究所の岸利治教授によるコンクリートの自己治癒技術の講演が、海中工学国際研究センター長である浦環教授からは震災後の海底の実態調査の報告があり、熱心な質疑もあった。初日同様、千葉実験所の広大な敷地を活かした研究見学を実施し、講演で聴いたものをすぐ自分の目で見学できると72 名の参加からご好評をいただいた。
(プログラム:http://www.its.iis.u-tokyo.ac.jp/shakaijin/shakaijin2011.pdf



大学院農学生命科学研究科・農学部
平成23年度 第4回農学生命科学研究科技術職員研修会開催される

 3月1日(木)13時から2日(金)12時まで、大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟中島薫一郎記念ホールにおいて、農学生命科学研究科主催による第4回農学生命科学研究科技術職員研修会が開催された。
 今回の研修会では、「教育支援」を共通テーマに、全附属施設の代表9名で構成された実行委員会が中心となって企画・運営を行った。
 1日の研修内容は、特別講演として森林科学専攻の丹下健教授による「農学教育で期待される技術職員の役割」、生産・環境生物学専攻の根本圭介教授による「農場実習:最近における改革とその成果」が行われたあと口頭発表6題の発表があった。2日には共通テーマ6演題、自由テーマ11 演題のポスター発表、退職記念講演として生態水文学研究所の後藤太成技術専門員による「森を育て、水を測って40年」、技術基盤センターの中谷操子技術専門員による「42年間の出会いに感謝」が行われた。
 参加者は、農学生命科学研究科の技術職員50 名のほか、理学系研究科・工学系研究科の技術職員合わせて10 名、教員・研究員22 名、事務職員5名、学生4名の合計91名であった。
 今回はこれまで以上に各施設の業務・技術・教育支援内容が披露され、相互理解・情報交換が行われやすくなったと感じられる研修会となった。

 ご協力いただいた長澤研究科長をはじめ、すべての教職員に御礼を申し上げます。



分子細胞生物学研究所・医科学研究所
平成23年度分生研・医科研合同技術発表会を開催

 3月1日(木)、インテリジェント・モデリング・ラボラトリー棟3階分生研大会議室において平成23年度「分子細胞生物学研究所・医科学研究所合同技術発表会」が行なわれた。本会は、両研究所に所属する技術職員の発表を通じて、研究所内外の情報、意見交換を図ることを目的として開催しており、5名の技術職員が代表として各自の職務、担当する研究課題、および技術職員研修について発表した。
 当日は20 名の教職員・学生の皆様に参加頂いた。技術発表のテーマは、有機合成による新規化合物の生理活性評価から、実験動物の系統維持管理、スーパーコンピュータを利用したゲノム研究など多岐にわたり、普段関わることのない分野であることがかえって活発な議論を呼んだように思う。また、研究データを出す上で不可欠なデータの正しい取扱いに関する知識や、全学研修や実験機器メーカーによる実技講習の様子を聞くことができ、今後の実務、技術的スキルアップを考える上で大いに参考になった。
 発表会終了後、ごく短時間ではあるが両研究所の技術職員で懇親会を開き、地理的にも普段は接点のない研究所の様子を知ることが出来る良い機会となった。
 所内外からの参加者の皆様には、多数の貴重なご質問、ご意見を頂いた。技術職員一同それらを生かし、更なる技術力向上に努めたい。
 開催にあたり多大なご協力を頂いた秋山徹分生研所長、多羽田哲也分生研副所長および加藤茂明分生研技術部長と、全ての参加者の皆様に深い感謝の意を述べると共に、今回の発表会の報告とする。



低温センター
平成23年度低温センター「研究交流会・利用者懇談会」を開催

 3月5日(月)、小柴ホールにおいて「第3回低温センター研究交流会」が開催され、93 名の参加者があった。
 工学、理学、農学にまたがる広い分野の若手研究者15 名(うち大学院生8名)による口頭発表が行われ、普段はあまり聞くことのできない異分野の研究内容に触れることができ、大変活発な質疑応答がなされた。今回から設けられたポスターセッションでは、若手研究者を中心に計24 名(うち大学院生18 名)の発表があり、1時間半にわたって活発な議論が行われた。
 専門的な研究を異分野の研究者に分かり易く説明する点で優れた発表を行った大学院生やポストドクなどの若手研究者に与えられるベストプレゼンテーション・アワード(口頭発表)とベストポスター・アワード(ポスター発表)は、大学院理学系研究科・化学専攻の生井 飛鳥さん(特任助教)と大学院工学系研究科・物理工学専攻の張 奕勁さん(修士1年)にそれぞれ授与された。
 研究交流会終了後に「低温センター利用者懇談会」が小柴ホールホワイエで開催され、43 名の参加者があった。リラックスした雰囲気の中で、利用者間あるいは利用者とセンター教職員間の情報交換や親睦を深めることができた。席上、ベストプレゼンテーション・アワードとベストポスター・アワードの発表と賞状および副賞のクリスタル製盾の授与式が行われた。受賞されたお二人のますますのご活躍を期待する。



医科学研究所
「医科学研究所共同研究拠点事業

 平23年度共同研究成果報告会」が開催される
 3月13日(火)13時より、医科学研究所1号館講堂において、医科学研究所共同研究拠点事業平成23年度共同研究成果報告会が開催された。
 今回の成果報告会は、「疾患システム共同研究領域」、「先端医療研究開発共同研究領域」、「感染症・免疫共同研究領域」にそれぞれテーマを定め、発表を行うもので、当日は、清野宏所長の開会挨拶に引き続き、各研究領域それぞれ4名の研究者から発表が行われた。また、特別講演として、本研究所先端医療研究センターの稲生靖先生による「がんのウイルス療法」についての講演があった。
 所内外の研究者、学生等の多くの聴講者の参加があり、発表後は、聴講者と発表者の間で活発な質疑応答が行われ、本事業の今後の発展が強く期待されるものであった。
 今回の発表は以下のとおり。

【発表課題】
疾患システム共同研究領域
テーマ:自己免疫疾患研究
@「転写制御因子IκBζによる骨代謝と免疫システムの制御」
発表者:岡本 一男 先生 (東京医科歯科大学)
A「炎症性疾患における骨髄系CBM 複合体関連自然免疫活性化経路の役割の解析」
発表者:原 博満 先生 (佐賀大学)
B「遺伝性自己炎症疾患の細胞株を利用した炎症シグナル伝達の解析」
発表者:井田 弘明 先生 (久留米大学)
C「Lrp4 抗体陽性重症筋無力症の神経筋接合部病理」
発表者:吉村 俊祐 先生 (長崎大学)

先端医療研究開発共同研究領域
特別講演「がんのウイルス療法」
発表者:稲生 靖 先生 (医科学研究所)

テーマ:免疫学的アプローチによる先端医療開発
@「肝移植後における制御性T 細胞・キメリズムと病態」
発表者:高木 章乃夫 先生 (岡山大学)
A「原発性免疫不全症に対する臍帯血ミニ移植後の混合キメリズム解析と免疫学的再構築」
発表者:森尾 友宏 先生  (東京医科歯科大学)
B「新規肺がんペプチドワクチン療法の臨床開発研究」
発表者:醍醐 弥太郎 先生 (滋賀医科大学)
C「移植片対宿主病に対する新規分子標的療法の開発研究」
発表者:山田 健人 先生 (慶應義塾大学)

感染症・免疫共同研究領域
テーマ:HIV および 感染実験動物としてのサル
@「HIV 抗原を提示するHLA/ ペプチド複合体特異的抗体の樹立」
発表者:立川 愛 先生 (医科学研究所)
A「HIV-1 Nef のウイルスレセプター発現抑制作用と病態との関連」
発表者:上野 貴将 先生 (熊本大学)
B「動物由来感染症のサル類を用いたヒトへの感染性評価」
発表者:柳井 徳磨 先生 (岐阜大学)
C「ヨザルAotus lemurimus の形態学的特性」
発表者:日下部 健 先生 (山口大学)



生産技術研究所
土木研究所と連携・協力協定を締結

 3月15日(木)に独立行政法人土木研究所と生産技術研究所の連携・協力協定の締結式が開催された。本協定は、両機関の研究開発能力と研究資産等を活かし、先進的・実用的な研究開発及び次世代を担う人材の交流・育成に関して連携・協力することによって、我が国の学術及び科学技術の振興と研究成果の社会還元に資することを目的とし、以下の3項目について連携・協力するものである。
1.共同研究等の研究連携・協力
2.人材交流・人材育成のための協力
3.その他目的を達成するために必要な連携・協力

 この協定締結を記念して、土木研究所からお招きした講師(田村敬一 耐震総括研究監と小山内信智 土砂管理研究グループ長)による講演会を3月22日(木)に生研で開催した。また、3月27日(火)には生研から派遣した講師(目黒公郎教授と大原美保准教授)による講演会が土木研究所で開催された。
 土木研究所では、以下の4項目に関する研究と技術開発が重点的・集中的に実施されている。茨城県つくば市内をはじめとする広大な敷地に各種の大規模実験装置を保有し、さらに、開発した技術を実際の事業で採用・展開する体制が整っている点が特徴的である。なお、魚本健人理事長は、生産技術研究所に長く在籍されて副所長も務められた本学の名誉教授である。
@東日本大震災に代表される甚大な被害をもたらす地震、津波による災害、台風や豪雨による洪水や土砂災害、雪崩などの雪氷災害といった自然災害の防止、軽減、早急復旧に資する技術開発
Aバイオマス等の再生可能なエネルギー活用やリサイクル資材等による低炭素・低環境負荷社会の実現に資するグリーンイノベーション技術開発
B老朽化していく道路や橋などの社会インフラの効率的な維持管理やその機能増進、長寿命化に資する技術開発
Cアジア等への技術普及など土木技術による国際貢献

 生研にも、土木技術に関連の深い専門分野の教員が在籍し、また、先進モビリティ研究センターや都市基盤安全工学国際研究センターなどで、多様な社会基盤施設とこれらを運営・管理するシステムを対象とした研究が進められている。
 今後は、両機関の連携・協力により、従来の土木技術の枠にとらわれない広範な分野での研究を推進し、より効果的で円滑な研究成果の社会還元を実現していくことが期待される。



情報基盤センター
教育用計算機システムの見学会を開催

 情報基盤センターでは、3月23日(金)に駒場キャンパスの教養学部情報教育棟において、2012年3月に更新した教育用計算機システム(以下、ECCS2012)の見学会を開催した。
 ECCS2012 は学生及び教職員が教育・研究のために利用するコンピュータやネットワークからなるシステムである。専用の教育研究用端末が本郷キャンパス情報基盤センター本館や駒場キャンパス教養学部情報教育棟をはじめとして、本郷・駒場・柏の各キャンパスの図書館や教室に配置されている。今回の更新では、教育研究用端末のデスクトップ環境へ学外からもアクセス可能とし、さらに教育・研究業界では初となるネットプリントサービス連携により、教育研究用端末からの印刷出力を学外でも行えるようにした。同時に、システム運用コストの抑制や省電力化、災害時のサービスの継続性向上等を実現した。
 まず、柴山悦哉教授より情報基盤センターやシステムの概要説明があり、続いて丸山一貴助教よりECCS2012のプレゼンテーションが行われた。参加者からの質疑応答後、丸山助教の説明で実際に機器が設置されているサーバー室や、教育研究用端末が多数配置されている演習室の見学を行った。
 ECCS2012 の詳細については、情報基盤センター情報メディア教育部門のウェブサイトに掲載している。
http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/



大学院人文社会系研究科・文学部
第3回PESETO 三大学人文学会議を開催

 大学院人文社会系研究科・文学部では、3月24日(土)9時から本郷キャンパス法文2号館において第3回PESETO 三大学人文学会議を開催した。
 本会議は韓国のソウル国立大学の発案で、2007年から隔年で開催され、中国の北京大学(Peking University)、韓国のソウル国立大学(Seoul National University)、および本学(The University of Tokyo)の三大学(PESETO)により日中韓三カ国の人文学の学術交流をめざしている。第1回はソウル国立大学、第2回は北京大学で開催され、両国の研究者16 名を迎え、今回初めて本学で開催する運びとなった。
 第3回となる本会議では、冒頭、各大学学部長・研究科長による三大学における過去2年の人文学領域の動向報告があり、その後、特別セッションとして本研究科基礎文化研究専攻の池澤優教授(宗教学)による「東アジアの文化と現代の死生観−岸本英夫と傅偉勲の事例に見る宗教学者の死」の報告が行われた。
 総合テーマには「東アジア諸文化における翻訳:その歴史的・今日的意義」が掲げられ、6つの研究報告と各報告に対する他国研究者からのコメント、および各セッションにおいて参加者との質疑応答が行われた。
 第一セッション「歴史の中の翻訳」では、アジア文化研究専攻の蓑輪顕量教授(インド哲学)が「仏典の翻訳に関連する三国の様相」と題し、第二セッション「翻訳の今日(そして明日)」では、欧米系文化研究専攻の柴田元幸副研究科長(現代文芸論)が「『仰ぎ見る』翻訳・『対等』な翻訳−外国小説の日本語訳、日本小説の外国語訳」と題して報告を行った。
 本会議の特徴の一つとして、各国の言語を尊重し、会議中は英語等の共通言語は使用せず、逐次通訳を通して行うので、質疑応答では3ケ国語にて議論が盛り上がった。
 次回の会議は、2年後にソウル国立大学で開催される予定。

















キャンパスニュース

本部入試課
第2次学力試験(前期日程)の合格者、同(後期日程)第1段階選抜結果の発表

 平成24年度本学入学者選抜の第2次学力試験(前期日程)の合格者3,008 人の受験番号及び第2次学力試験(後期日程)の第1段階選抜合格者の大学入試センター試験試験場コード・受験番号が3月10日(土)12時30分頃、本郷構内で掲示により発表された。
 また、併せて、合格者の科類別成績(最高点・最低点・平均点)も発表された。
 なお、各科類の合格者数等は次のとおりである。



本部入試課
第2次学力試験(後期日程)、外国学校卒業学生特別選考の合格者発表

 平成24年度本学入学者選抜の第2次学力試験(後期日程)の合格者100 人及び外国学校卒業学生特別選考合格者第1種(外国人であって日本国の永住許可を得ていない者)の合格者20 人、第2種(日本人及び第1種以外の外国人)の合格者17 人は次のとおりである。





 なお、過去3年間の入学志願者数及び合格者数の推移、高校卒業年別の合格比率、出身校所在地別合格者数及び比率は次のとおりである。