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東京大学

第14回 東京大学ホームカミングデイ 14th UTokyo Homecoming Day
東大卒業生の総合サイト
東大アラムナイ/東京大学校友会

第14回東京大学ホームカミングデイ報告 「おかえりなさい。ようこそ思い出のキャンパスへ」

10月17日(土)、ホームカミングデイ当日―。午前中は雨模様というあいにくの天候にもかかわらず、多くの卒業生やそのご家族、近隣の方々などが参加されました。メインイベントの会場となった安田講堂には、ノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章教授がサプライズ登場。詰めかけた来場者はホットな先生の登場に沸き、引き続き開催した特別フォーラム・パネルディスカッションでは熱心に耳を傾けていました。
その他にもキャンパスは銀杏並木フェスタ、年次ごとの周年学年会、リユニオンが主催する講演会や各種イベントで賑わい、卒業生たちにとって親睦を深める1日となりました。
なお2016年は10月15日土曜日に開催予定です。

特別フォーラム

安田講堂の改修と歴史的背景

千葉学教授 「安田講堂の元々の価値、将来の価値を見据え、かつての図面や歴史を紐解きながら、修復にあたりました」

―今回の改修工事では、全体のデザイン監修という立場。東日本大震災がきっかけで改修することになったが、天井は重く、いつ落ちてもおかしくない構造だった。従来の重さの6分の1程度の天井材を使用し、震度7でも落ちないよう改修。もう一つ大事にしたかったのは光。当時は電気事情もよくなく、いかにきれいに光を落とすか苦心されたことがよくわかる。採光も元に戻すため、遮光フィルムをはがして屋根裏ハイサイドライトに電動カーテンを設置。創建当時の自然光を取り入れる姿に戻した―

藤井恵介教授 「安田講堂が完成してからは、大学の本部機能を果たす施設としての役割が大きかったようです」

―歴史の中で安田講堂はどういうものだったか。東大の歴史の中でどういう経緯を経てきたのかを考えたい。安田財閥の寄付により講堂と天皇のお休み処である便殿が作られた。大講堂は天皇がいらっしゃることが大前提の建物であり、天皇は毎年卒業式に限って行幸するという慣例があった。
安田講堂ができる以前、東京大学は神田錦町、虎ノ門、本郷にばらばらに学部があり、それぞれで卒業式を行っていたが、完成後は大学の本部校舎としての顔となり、1928年以降は安田講堂で全体の卒業式を開催。安田講堂の役割は大きかった―

吉見俊哉教授 「安田講堂は塔から蔵へ―文化的資源構想として、将来は講堂の地下に知識の蔵を作りたい」

―安田講堂には改修前までは講堂の上に、貴重な資料を収蔵する東京大学史史料室があった。東大百年史を編纂し、収集した資料や成果を引き継いで昨年度、東京大学文書館が設置された。文書館の未来構想は、東京大学が持っている貴重な資料を、安田講堂にある中央食堂のような壁面に並べられるようなスペースを作りたい―

安田講堂の意義と活用

藤井恵介教授 「都市型の大学は町の中にキャンパスが融合している。東京大学も谷中・上野地区との融合を」

―安田講堂ができてからは、本郷通りに向けたキャンパスの中心軸、骨格ができたが、一方で安田講堂の裏側の地区との融合ができていない。他大学の例を見ると、オックスフォード、早稲田大学、駿河台一帯の日大などヨーロッパ型、都市型の大学は町の中にキャンパスがうまく融合、溶け込んでいる―

千葉学教授 「大学はさらに地域社会とつながっていく必要があると思います」

―安田講堂は本郷台地の正面性が強く、谷中根津地区は裏側っぽくなっている。将来的には病院側も新しい大学の中心として考えたい。たとえば2つの東大施設の軸線が交わる第二食堂の施設は唯一局面が使われている建物。第二食堂がいい形で改修され、谷中根津地域と融合し、学生たちが集まる施設にできればいい―

吉見俊哉教授 「南原総長時代の文教地区構想と未来のキャンパス作りに光を」

―戦後南原総長は、上野公園、不忍池、小石川、湯島一帯にオックスフォードのような文教地区を作ろうと、丹下健三さんや岸田日出刀さんと一緒に提案。上野は芸術地区、本郷は大学研究地区、湯島は国際交流地区、小石川はリクリエーション地区といった構想だった。キャンパス作りの理想は、学生たちが知識の蔵で養分を吸い、上に出てきて開く花のようなもの。根本には知識の蔵が大学にあるといい―

陣内秀信教授 「以前、東京大学はもっと本郷の町とつながっていた。将来は上野谷中地区も含め、大学が町とつながるのが理想」

―安田講堂は、東京大学のシンボルと言われながら、長く使われていなかった時代がある。ある時期より歴史的に重要な施設を残し、また新しいものを生み出し、キャンパスを作っていこうという気運が高まった。大学紛争以降しばらく使われていなかった講堂は25年前に改修され、不死鳥のように見事によみがえった。今回の改修ではさらに復元的にかつ耐震補強をして万全の構えを整えた。将来的に積極的に開かれた安田講堂が、社会に向ける発信の可能性を探っていきたい―

モデレータ

陣内秀信 じんない ひでのぶ

法政大学デザイン工学部教授

パネリスト

藤井恵介 ふじい けいすけ

東京大学大学院工学系研究科教授・工学博士

吉見俊哉 よしみ しゅんや

東京大学大学院情報学環教授

千葉学 ちば まなぶ

東京大学大学院工学系研究科教授・建築家

周年学年会

卒業後20周年、30周年、35周年、40周年、45周年の5つの同窓会を開催。五神総長は5つの周年学年会すべてに参加。「私の構想しているビジョンの一つである『知の協創の世界拠点』構築には、産学官民からの参画を得て進めることが肝要であり、その中でも様々な世代の卒業生が主要なパートナーであると考えている。今後とも大学の取り組みに協力、ご支援ください」と挨拶。卒業後初めて集まる若手の20周年学年会では「私の任期中に140周年を迎えます。大学の活動を理解していただき、ともに社会に向けて発信していきましょう」と呼びかけた。

20周年学年会

30周年学年会

35周年学年会

40周年学年会

45周年学年会

銀杏並木フェスタ

ふだんは学生たちが行き交う静かな銀杏並木が、模擬店で賑わいました。東大蔵元会による利き酒会、近隣商店街からの出店、卒業生や在学生サークルによる屋外パフォーマンスで、メインストリートはお祭り気分満載。

東大蔵元会による利き酒会

模擬店は生協なども参加出店

軽快なメロディが人気の在学生サークル

活動を続ける卒業生グループ

子どもにも人気の大道芸

リユニオン主催イベント

東京大学校友会に登録している卒業生団体が企画、参加。卒業生のネットワーク、協力ならではの多彩な催しです。

Global Business Leaders Summit/外資系銀杏会

東大のびのび広場

東大落語会寄席/東大落語会

講演会/さつき会

安田講堂音楽祭

オペラコンサート/スタンフォード・シリコンバレー赤門会

サッカーフェスティバル/東大LB会

学部等

各部局、研究科でも、子どもから大人まで楽しめる多彩なイベントを開催。

駒場キャンパスでの選抜学生コンサート

文学部

理学部

その他

特別フォーラムの冒頭、サプライズ登場した梶田隆章先生。張富士夫校友会会長よりお祝いの品を贈呈。