本日、ここに、東京大学創立百三十周年記念式典が挙行されるに当たり、一言、お祝いの言葉を申し上げます。
東京大学は、明治十年、我が国で初めて創設された高等教育機関であり、開学以来、教育・研究を通して、多くの有為な人材を社会に送り出し、我が国のみならず、世界の発展に重要な役割を担ってこられました。
また、平成十六年の国立大学法人化を、創立期の「第一の創業」、戦後改革の「第二の創業」に次ぐ「第三の創業」と位置づけ、学生支援の充実、教育・研究の活性化、国際交流の推進、産学連携・地域貢献の促進に力を注ぐとともに、経営戦略の確立など法人化のメリットを最大限に活用し、世界のトップユニバーシティに値する活動を世界規模で展開されております。
これまでの幾度もの変革期を乗り越え、東京大学が創立百三十周年を迎えられましたことは、誠に意義深いことであり、これもひとえに、歴代の総長、各教職員をはじめ関係の皆様の御尽力の賜物と心から敬意を表します。
「知の時代」とも言われるこの二十一世紀において、我が国が国際社会の中でリーダーシップを発揮し発展していく上で、知的創造と継承を担う拠点として我が国を牽引してこられた東京大学の役割は極めて重要であると考えます。
東京大学は、このことを十分認識され、東京大学憲章の中で「人類普遍の真理と真実を追究し、世界の平和と人類の福祉、人類と自然の共存、安全な環境の創造、諸地域の均衡のとれた持続的な発展、科学技術の進歩などに貢献することを決意する。」と謳われています。
今後とも、東京大学が、活力溢れる大学として、最高水準の知の創造と活用を通して我が国と国際社会に貢献され、「世界の知の頂点」となられることを期待しております。
最後になりますが、本日、御臨席の皆様におかれましても、引き続き、東京大学に対しまして、御指導と御支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、東京大学及び皆様方のますますの御発展を心から祈念し、お祝いの言葉とさせていただきます。
平成十九年十一月十日
文部科学副大臣 池 坊 保 子
