日印交流プラットフォーム構築プログラム(JIEPP)第1回シンポジウム 日印交流の現状と展望 - プラットフォーム構築に向けて
日印交流プラットフォーム構築プログラム(JIEPP)第1回シンポジウム
新たな交流を創出し、持続可能で強固な日印交流を発展させるプラットフォームの構築
平成29年度に選定された本事業では、各大学・機関で実施されている日印交流事業を貫くネットワークを形成し、多様な情報を横断的に共有することで、日印の大学、企業等とともに新たな交流を創出し、持続可能で強固な日印交流を発展させるプラットフォームを構築する取組を行っております。 今回のシンポジウムでは、各採択校大学の世界展開力強化事業(インド)で展開している事業活動の紹介、日印産学官連携で活躍されている第一人者や交流プログラムに参加した学生から体験を通じて得られたことを中心に発表し、参加者が一同に情報・意見交換を行うことで、新規の日印交流や人的ネットワークの拡大を目指します。
日程 | 2018年12月20日(木) |
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時間 | 10時30分~17時30分(開場10時) |
会場 | 伊藤国際学術研究センター 謝恩ホール 住所:東京都文京区本郷3-7-1 東京大学本郷キャンパス内 TEL:03-3812-2111 |
プログラム
羽田 正(東京大学 国際担当理事・副学長)
ご来賓挨拶
進藤 和澄(文部科学省高等教育局高等教育企画課国際企画室長)
ラジ クマール スリヴァスタヴァ(在日インド大使館 臨時代理大使)
関村 直人(東京大学 国際担当副学長)
田辺 明生(東京大学 大学院総合文化研究科 教授)
- パンチャグラ マヘシュ(インド工科大学マドラス校 国際兼卒業生会担当ディーン)
- 小田 天平(東日本旅客鉄道株式会社国際事業本部インド高速鉄道部門次長)
大久保 達也(東京大学 工学系研究科長)
- 岩渕 史和(長岡技術科学大学 大学院工学研究科 修士課程学生)
- ラウル ガルグ(東京大学工学系研究科 修士課程学生)
- 嶂南 達貴(東京大学新領域創成科学研究科 修士課程学生)
モデレーター:長井 宏平(東京大学 生産技術研究所 准教授)
パネリスト:
- 武鑓 行雄(元ソニー・インディア・ソフトウェア・センター 社長)
- 中村 哲也(日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社 専務)
- 小林 幸徳(北海道大学 大学院工学院長・教授)
- 鈴木 淳史(横浜国立大学 大学院環境情報研究院 教授)
- ジェーン アンキタ(東京大学工学系研究科 博士後期課程学生)
- シャシャンク ビシュノイ(インド工科大学デリー校 土木工学科 准教授)
関村 直人(東京大学 国際担当副学長)
開催主旨
日印交流に関わる各採択校大学の事業活動の紹介、交流プログラムに参加した学生の体験談、日印産学官連携で活躍されている方々の取り組みについての情報と意見交換を行った。新たな交流を創出し、持続可能で強固な日印交流に発展させるプラットフォーム構築を目指し、第1回シンポジウムが開催された。
講演者・パネリストのご紹介
東京大学大学院総合文化研究科教授、同研究科グローバル地域研究機構南アジア研究センター長
インド工科大学マドラス校 国際兼卒業生会担当ディーン
東日本旅客鉄道株式会社 国際事業本部インド高速鉄道部門 次長
第1回シンポジウム開催報告
当日は、産官学それぞれの分野で日印交流に関わる方、日本人及びインド人学生に多数参加いただき、第1部ではプラットフォーム構築プログラムの意義と展望をテーマにご講演を頂き、第2部では世界展開力強化事業(インド)の実績と今後について日印交流学生プログラムの体験者による報告発表と「日印産学官連携と人材育成」を議題にしたパネルディスカッションが行われた。ランチタイムには大学の世界展開力強化事業(インド)採択校、科学技術振興機構および日本TATAコンサルタンシー・サービシズ株式会社がポスターセッションを行い、それぞれの取組みを紹介するとともに、来場者は自由に意見交換、人的ネットワークの構築を行った。結果、各大学・機関等の行う日印交流事業について情報が共有化され、事業の発展と人的ネットワーク構築について参加者全員で考える貴重な機会となった。
講演内容
基調講演1
田辺 明生(たなべ あきお)氏
東京大学総合研究科 田辺明生教授から、「日印知的交流の歴史と現代意義」と題した基調講演が行われた。
招待講演1
パンチャグラ マヘシュ氏
インド工科大学マドラス校(以下IITM)Mahesh PANCHAGNULA教授から「Indo-Japan Education partnership: IIT Madras experience」と題した講演が行われた。
招待講演2
小田 天平(おだ てんぺい)氏
東日本旅客鉄道株式会社 国際事業本部インド高速鉄道門次長 小田天平氏から「ムンバイ・アーメダバード高速鉄道プロジェクト」について講演された。
日印学生交流プログラム等体験者による報告
報告1
岩渕 史和(長岡技術科学大学大学院工学研究科 修士課程学生)
長岡科学技術大学修士課程学生の岩渕史和君から同大学で実施している大学の世界展開力強化事業「長期インターンシップ実績を活用した南インドとの共同実践的技術者教育プログラム」の学生交流プログラムに参加し、インド工科大学マドラス校(IITM)及び現地企業Amada Soft India Pvt. Ltd.で合計約6か月間インターンシップ活動を行った経験について発表があった。急速に発展するインドの技術開発の最先端技術を体験し、技術者としての将来に役立てるためという動機で参加し、2機関では、自身の研究に関する実践的な技術の取得に加え、IITMでの各国留学生が参加するInternational Dayに参加し和食をふるまったり、現地で友人になったインド人の日本のスタイルとは大きく違う結婚式に参加したりするなど他国の文化を深く理解する機会にも恵まれ、インド文化について身を以て理解する機会になったと述べた。
報告2
ラウル ガルグ(東京大学工学系研究科修士課程学生)
東京大学修士課程学生のラウル ガルグ君は、インド工科大学ハイデラバード校(IITH)学士課程に在籍中に、本学が実施している大学の世界展開力強化事業「日印産官学連携による技術開発と社会実装を担う人材育成プログラム(IJEP)」のインターンシッププログラムにおいて本学で約2か月間のラボステイ及び立命館大学へさくらサイエンスプログラム(科学技術振興機構)の参加で2度の日本への短期留学経験を経て、現在はJICAから奨学金の受給を受け、本学工学系研究科社会基盤学専攻の正規過程に在籍している。日本での短期滞在時の留学生活で感じた日本の利便性、他者に対する敬意、治安の良さが日本の大学院へ進学するモチベーションとなったと説明された。また、入学後も留学生支援チーム、ホストファミリープロググラム、日本語教室等のサポートで、日本での暮らしに困ることなく、ホームシックも感じず過ごすことができており、今後は自身がインド人留学生をサポートしたいと報告された。また、将来日本での就職を希望しており、更に日本語力を高めたいと抱負を述べた。
報告3
嶂南 達貴(東京大学新領域創成科学研究科 修士課程学生)
東京大学修士課程学生の嶂南達貴君はイノベーティヴな発想を持った人材を育成する教育プログラムであるi.schoolにおいて IITHで実施されたワークショップに参加したことがインドと関わるきっかけとなった。研究テーマである「自動走行システムの社会重要性の調査」は大学内にとどまらず自身で起業した会社でも展開し、産官学民かつ国をまたぐ都市計画や社会に応用していくため、関係機関と連携し、インドにおいても活動している。ワークショップ参加後も複数回インドを訪問している。アンドラ・プラデシュ州の新州都開発について日本はハード面のインフラの支援が多いことに対し諸外国では、スタートアップ企業などの進出が多くその違いについて述べた。インド経済の現状とインフラ設備の展望を調査した結果、インフラ投資とスタートアップのエコシステムへの投資を結びつけていくためには、1、国をまたいでプロジェクトを共に遂行していけること、2、かけ離れた社会同士が結束すること、3、インドと日本の間にクロスアポイントメントのシステムを確立していくことの必要性を提案し、発表を締めくくった。
日印産官学連携と人材育成についてのパネルディスカッション
パネルディスカッション
東京大学 生産技術研究所 准教授 長井 宏平[モデレーター]
各パネリストの背景について自身のインドとの関係を1枚のスライドにまとめ自己紹介がなされた後、2つのトピックスに細分化したテーマについてディスカッションを行った。
- どのようにして産官学の連携を進めていくのか。
- その目標を達成していくためにどのようなネットワークが必要なのか。