視野が広がった!現役学生のおすすめ授業|『Stay Home, but our Heart is on Campus!』第8回

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第8回『視野が広がった!現役学生のおすすめ授業』

新型コロナウイルスの感染拡大のため、学生同士で直接情報交換ができなかったり、オープンキャンパスに行けなかったりと、在学生・受験生の皆さんは大変な時期をお過ごしかと思います。

今回は、そんなお悩みを解決すべく、教養学部や2年次後期以降に受けられるおすすめの授業について、在学生4名に教えていただきました!

2020.6.16, 17
インタビュー/学生ライター村上 芽生(医学系研究科 修士課程2年)

授業を通して広がる、横のつながり

1回目のインタビューでは、現在、教養学部文科三類 2年の松島かれんさんと、医学部医学科 4年横山果南さんにお話を伺いました。
 
  • 座談会写真


―まず、松島さんのおすすめの授業を教えてください。

(松島)私は自然が好きなので、フィールドワークの多い授業をとっていました。夏休みなどに開講される集中講義が多いのですが、特におすすめなのは「森林環境資源学」です。Sタームに開講されていて、土日などを利用してフィールドワークへ行っていました。平日は駒場で授業を受け、その週末に愛知や千葉の演習林に行って、例えば授業で学んだ「樹高」について、実際にはどう測るのかなど、実践的なことを教えていただきました。また、授業で学んだ森林の状態についても、肌で感じることができ、とても面白かったです。

「問題解決のための思考法」もおすすめです。事前に事例を読み、受講しているメンバーと話し合いをしてから、授業では学生全体で意見交換をする、学生が主体の授業です。一方的に授業を受けるだけでなく、毎回意見を求められるので、積極性が身につきます。

どちらも内容は全く違いますが、同じ目標を持った同年代と出会えるなど、人との繋がりが広がる点は共通しています。合宿の移動中等に、先生や他の学生と普段できないような話ができ、ディスカッションを通じて一緒に遊びに行くような仲になったりすることもできました。

―松島さん、ありがとうございます。次に、横山さんのおすすめの授業を教えてください。

(横山)学部1年生(駒場)のS1タームでとれる「国連と文化」です。国内での授業と、S2タームや夏休み等を使って国際研修へ行ける機会がセットになっています。国際社会では経済などが中心に回ってきましたが、これからは人の心に訴えかけることが重要である、と考える国連職員の先生が担当されている授業です。

どのような方々が国際教育に関わっているか、国連職員の方がどのように文化を使っているかを、講演形式で伺うことができます。一部の希望者は、夏休みにニューヨークの国連本部へ行って、国連の第一線で働いている方から実際に起きていることや最新の情報についてお話を伺う機会があります。教育の大切さを学ぶことができ、自分の進路を考える上でとても重要な授業だったな、と思います。また、授業を受けた人で、もっと行動したいという有志が立ち上げたサークルがあることもポイントです。
 
―文化を用いた支援とは、具体的にどんなものがありましたか?

(横山)ユニセフの方がいらした時は、スマーフやハローキティなど、子供から人気のあるキャラクターを使うことで、SDGs(持続可能な開発目標)のゴールをわかりやすく伝えられるようにしている、と伺いました。

驚きの再会

「横山さんにお会いしたことがあって・・」と、突然切り出した松島さん。

聞けば、「高校3年生の時、駒場祭の受験生相談室(未来の東大生応援プロジェクト)に行った時に、横山さんにお手紙を書いていただいて。受験期に毎日手帳に入れて持ち歩き、すごい勇気をもらったのでいつかお会いできたらいいな、と思っていました」とのこと。実際に、2年前に横山さんが書いたお手紙も見せてくれました。

横山さん、筆者は「すごい!!」と驚き、松島さんも「すごいびっくりしています、運命みたいで嬉しいです!」と、全員で感動しました。受験生・在学生の皆さんも、ぜひ様々なチャンスに飛び込んでみてくださいね!意外な出会いがあるかもしれません。
 

研究や卒業論文を見据えた講義も

2回目のインタビューでは、現在、文学部人文学科 4年のWさんと、教育学部4年のKさんにお話を伺いました。お二人は4年生ということもあり、卒業論文や専門科目にまつわる授業も紹介してくださいました。
  • キャンパス

―まず、Wさんのおすすめの授業を教えてください。

(Wさん)私のおすすめは、後期課程(3・4年生や院生)のSセメスターに本郷キャンパスで開講している「社会心理学概論I・II」です。I・IIは別の授業なので別々に受けることができます。社会心理学について広く学ことができます。心理学が専門ではないけど興味がある人にはとっつきやすく、一番大きな教室で開講されるのでどんな人でも受けやすい授業だと思います。質問などもしやすい雰囲気で、先生たちは授業後もにこやかに対応してくださいます。

社会心理学の教授の先生たち4~5名が毎年交代で担当しているため、当たる先生によってメインとなる内容・シラバスも異なり、今年は興味がある内容だから受ける、ということもできます。私が受けたときは、I・IIのどちらかで社会心理学の全体の内容を学びました。もう一つでは、カリキュラム後半に先生の専門である公共政策や犯罪心理学をメインに学びました。

(Kさん)授業によってトピックが違うのでしょうか?

(Wさん)先生は一緒ですが、確かに毎回トピックが違います。私が受けたときの先生の専門は犯罪心理学だったので、その分野のゲストスピーカーの方が来てお話ししてくださることもありました。

―Wさん、ありがとうございます。次に、Kさんのおすすめの授業を教えてください。

(Kさん)「フィールドワークの理論と実践」です。非常にわかりやすくフィールドワークの理論と実践を解説していただけます。ほぼ毎回、個人やグループでのインタビューや参与観察(現場に行って様子を観察する方法)の実践や練習があります。卒業論文で利用する人やこれから実践する人には、入門としてとてもおすすめです。
フィールドノーツは、同じものを見ているのに表現や着眼点、解釈が学生ごとに異なっていて、こんなにも違うんだなと実感し、人によって視点が違うことは自分自身、自覚しておくべきだと痛感しました。
※フィールドノーツ:実際に小学校等へ行く時に小さいノートを持っていき、キーワードや気になったことを書き留め、後で情報をまとめるための参考資料

他にも4つおすすめの授業があります。

「進路指導・生徒指導」1・2年生時に受講でき、指導方法などの技法を学ぶのではなく、進路指導や生徒指導の変遷について、社会情勢との関わりや相互作用など社会学的な観点から学ぶことができます。

「教育の臨床現象学」学生同士で意見交換できる授業で、恋愛の回もありました。理論と自分の生活を繋げて考えられることが面白かったです。

「教育相談I」教職科目の一つです。心理学寄りで、カウンセリングの方法や認知行動療法を学ぶことができます。先生が実際に関わった人のお話や、漫画や小説を具体例に解説してもらえるので、とてもわかりやすかったです。

「ディスアビリティスタディーズ」(障害学)ゼミ形式の授業で、どういう風に障害ができていったか、社会で解釈されているか、障害者がどう見られているか、ということを概観できました。

第二外国語はどうしていた?

Wさんは、中学生から学んでいた韓国語を履修したとのこと。教養学部時代は授業や課題が多く忙しいので、少しでも知見のある言語の方が学びやすいとアドバイスをいただきました。

また、Kさんはナポリに行ってみたいとの気持ちでイタリア語を履修されたとのこと。ミーハーな理由だとモチベーションが保たれにくいので注意、だそうです!

あとがき

インタビューにお答えいただいた4名は、全員が共通して「自分の興味のある科目をどんどん履修する」「授業開講前はシラバスとにらめっこしている」など、学ぶことに貪欲な姿勢がとても印象的でした。

高校生、大学院進学をお考えの皆さん、これまでと異なる日常でストレスも多く大変な時期を過ごされていると思います。どうか健康に気をつけて、最後まで諦めず頑張ってください。キャンパスでお待ちしています!

今回インタビューにお答えいただいた、松島さん、横山さん、Wさん、Kさん、貴重なお話をどうもありがとうございました!