【Campus Voice】The Sky Is The Limit 未来の後輩たちへ(特別編)

FairWind活動写真_2019年東大オープンキャンパスにて

The Sky Is The Limit 未来の後輩たちへ(特別編)

オープンキャンパスや五月祭がオンラインで開催されることになった今年。中高生のみなさんが東京大学の先輩たちと直接接する機会が例年よりも減ってしまったかと思います。今回はThe Sky Is The Limit 未来の後輩たちへ(特別編)として、応援メッセージ動画に加えて、少しでもみなさんに東京大学の先輩を知っていただきたく、薬学部3年の矢野未菜さん(愛媛県 愛光高等学校出身、理科二類入学)にお話を伺いました。
東大を志望したきっかけや東大の魅力とは?矢野さんから中高生のみなさんへの素敵な応援メッセージ、ぜひお読みください。

 

東大を志望したきっかけや時期を教えてください。

愛光高校に入学した時点で、なんとなく東大を意識してはいたものの、世間での東大のイメージから、自分なんかが東大に行くのは無理だと思っていました。模試で良い判定が出ても、「まだ国数英だけだからこんな判定信じちゃいけない」などと思い込んでいました。とにかく自信がなかったのだと思います。

高2の8月には東大のオープンキャンパスに行き、中学時代から薬学に興味があったので、薬学部の模擬講義を受けたり研究室見学に参加したりもしました。その当時は、「キャンパス広すぎてもはや迷路やん」「教授の話めっちゃ面白いな」など小学生のような印象を持っていました。(笑)
(その時講義していただいたのは富田教授で、薬学部で授業を受けています。高校時代に持った印象と変わらず(?) 、毎回面白い授業を展開してくださいます。)

オープンキャンパス参加後もすぐに東大志望になったわけではなかったのですが、その後の進路相談で担任に、「志望大学は?」「まだ決まってないです」「じゃあ学部は?」「薬学部です」「じゃあとりあえず理二って書いておきな」と言っていただいたこと、また、塾の先生からもそれとなく勧められていたことが後押しとなって、高2の冬頃から模試で東大理二を第一志望として書くようになりました。最初は「言われたから書くか~」という気持ちが大きかったのですが、ずっと書き続けていたら高3の12月頃、志望校を落としたくないというプライドも相まって、気づいた時には東大にしか行きたくなくなっていました。書いていただけで本気で行きたくなっちゃうの、単純ですよね。(笑)
 

中学・高校時代に熱中したことはありますか?

中学時代は吹奏楽部に入っていて、部活ばかりしていました。強豪校とかではなかったですが、楽しく楽器を吹いていました。対して高校時代は、恥ずかしいことに勉強しかしていませんでした。高校編入組だったこともあって、3年間勉強を頑張らないと私みたいな凡人は周りの生徒には追いつけないし、良い大学にも行けないぞ、という気持ちがありましたね。

ーそれだけ勉強を頑張ることができたのはどうしてですか?
 
高3になってからですが、毎日塾で一緒に勉強していた友人の存在がとても大きいと思います。みんな志望校もバラバラだけれど、お互いに分からないことがあれば教えあったり、話しながら一緒に帰ったりして、みんなで頑張っている感じでした。「みんな頭良いから現役で合格していくだろうな~、私だけ現役で受からないのは絶対嫌だ!!」と思って、必死に頑張っていました。一緒に頑張っていた友人たちのおかげで、特に勉強漬けだった高3の1年間は本当に楽しかったです。「友人がいなければ私は東大に合格できなかった」と自信を持って言えます!

ー苦手な科目はありましたか?また、それを克服するためにした工夫などがあれば教えてください。

受験数学がとても苦手でした。志望校が同じ友人と、定期テストや模試の成績表や解答用紙を見せ合っていたのですが、そこで数学の得意な友人の解答用紙を見て学んだり、数学が得意な先輩に勉強の仕方を教わって取り入れたりしていました。結局最後まで克服はできず、入試では足を引っ張らないように頑張ろう…!と思って入試に臨んでいましたね。大学に入ってからも数学に触れるのですが、数学は未だに苦手です。(笑)
ー地元を離れることに対する家族の反応はどうでした?

ありがたいことに、家族は私の決めたことはどんなことも見守って応援してくれるタイプなので、地元を離れることにも肯定的でした。母がしてくれていた日々のお弁当作りをはじめ、私が勉強に集中できるように、見える所でも見えない所でも家族みんながサポートしてくれていました。今と比べて精神的に未熟だった高校時代は、その“当たり前じゃない当たり前”がどれだけ幸せなことかに気づけなくて素直に感謝できていなかったのですが、一人暮らしを始めてから、感謝の気持ちが一層強くなりました。
  • 京都旅行で、同じクラスの友人たちと鴨川で黄昏ている矢野さん

ー​東大は女子学生が少ないですが、そのことは知っていましたか?

インターネットやテレビの情報から、東大に女子が少ないことは知っていました。ですが、自分の高校の男女比が3:1だったこともあって、女子が少ないことはあまり気にしていませんでした。実際入ってみると、女子でも地方出身でも対等に評価、尊重してくれる人がたくさんいるので、居心地がいいです。また、東大にはクラス制度があるのですが、その仲良しなクラスメート達にも助けられています。学園祭で模擬店を出店したり、ご飯を食べに行ったり、お泊まり会を開いたり(これは女子だけで笑)、旅行に行ったり(これも女子だけで笑)もしています。

大学で熱心に取り組んでいること、これから挑戦したいことはありますか?

FairWindというサークルでの活動に力を入れて取り組んでいます。地方高校生向けに東大ツアーや東大生出張セミナーを企画・運営したり、メルマガを配信したりしています。自分のこれまでの経験を活かしながら、色々な地方の高校生と交流するのが楽しいです。

実はこのサークルとの出会いは高2の時に参加したオープンキャンパスなんです。(笑)オープンキャンパスでFairWindが出展していた、地方高校生向けの企画に参加して感銘を受け、すぐにメルマガに登録し、受験までの1年半ずっと読んでいました。そのメルマガが東大受験に関する情報の収集源であり、東大に合格したら絶対FairWindに入る!と決めていて、それが受験勉強の心の支えの一つになっていました。かつて自分を支えてくれた団体で今自分が活動しているのは、とても感慨深いです。

挑戦したいこととしては、日本を出たことがないので、どんな形であれ海外に行ってみたいです。FairWindの他に国際系のサークルにも所属していて、そこで出会ったキルギス出身の友人に会いに、キルギスに行きたいなと思っています。
  • キルギス出身の友人と表参道に出かけた際に食べたパンケーキ

矢野さんにとって、東大の魅力とは。また入学してよかったと感じたことがあれば教えてください。

東大の魅力は「人」だと思います。波長が合う人や相手を頭ごなしに否定せずに尊重できる人が多いので居心地がいいし、この人すごい!と心から思える人がたくさんいて刺激になります。このように、地元では出会えなかったような人たちと出会えたことや、時間や自由のある学生のうちに東京で一人暮らしができたことは、頑張って東大に入学して良かったなぁと思える点です。
  • 矢野さんの実家から見える松山城(愛媛県)

最後に、女子中高生へのメッセージをお願いします。

勉強や学歴が全てではないし、受験勉強は必ずしも楽しいことばかりでないかもしれないけれど、東大は頑張って入学する価値のある大学だと思います。正直、都会の高層ビルや周りの優秀な人々に圧倒されて少し疲れてしまうこともありますが、地元にいたら見えなかったであろう世界が見えるようになって、波長の合う友人に囲まれて、本当に楽しいです。(ちなみに疲れちゃった時は、友人とひたすらおしゃべりしたり、スマホの写真を見返して過去の楽しい思い出に浸ったりして息抜きをしています。(笑))

また、受験勉強に関しては、友人と一緒に頑張ることをおすすめしたいです。私がそうであったように、志望校が違っても大学受験という同じ目標があれば、きっと一緒に頑張れると思います。加えて、特に地方に住んでいる中高生の方は、地方だから都会と比べて情報が少ない状況を嘆くのではなく、自ら信頼できる情報源から情報をたくさん収集して、正確かつ必要な情報を取捨選択し、活用してください。このページの最後まで読んでくださった皆さんにはぜひ、引け目を感じないで、諦めずに頑張ってもらえたら嬉しいです。