【お知らせ】大沢真理名誉教授が「令和4年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰」を受賞


このたび、東京大学元大学執行役・副学長、社会科学研究所元所長の大沢真理名誉教授が令和4年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰を受賞されました。
  • 大沢真理 社会科学研究所 名誉教授

大沢先生は、男女共同参画の視点から新たな研究分野を切り拓いて国内外の学界に影響を与え、その先端的な研究成果や幅広い識見により政府・公的機関等の政策や事業に貢献し、男女共同参画の促進をはじめ国民生活の改善に尽力されました。大沢先生のご研究は、従来の社会政策学を拡充し、男女共同参画の視角を重視して生活保障システムを対象に据えるもので、中でも2017年度に全国の自治体を対象に実施した「女性・地域住民から見た防災・災害リスク削減策に関する調査」の結果は、内閣府男女共同参画局「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」(令和2年5月策定)に反映され、国内の政策的対応にも大きく貢献しました。大沢先生の著作は国外においても理論・実証の両面で高く評価されており、ボッフム大学国際女性学客員教授(1994年)、アジア工科大学院客員教授(1997年-現在)、ハンザ先端研究所フェロー(2006年)、英国国立日本学研究所での卓越講義(2011年)、ドイツ研究振興協会(DFG)のメルカトール・フェロー(2015-2018年)、日本学術会議第177回総会特別講演(2019年)など、多数の国際会議・研究機関等で、講義・基調講演・招待報告を行われています。

本学においては、東京大学女性教官懇話会の発足(1994年)、ハラスメント防止委員会の設置(2000年)、ハラスメント相談所の開設(2001年)、東京大学男女共同参画基本計画の策定と男女共同参画宣言の発表(2002年)等、さまざまな施策に貢献し、さらに、東京大学男女共同参画室の初代室長として、女性研究者を支える施策・活動において顕著な功績を残しています。本学がしばしば他大学・研究機関の注目を受けることに鑑みて、これらの貢献は本学に留まるものではありません。

以上のように大沢先生は、長年に渡り生活保障の比較分析を精力的に発信し、その知見を政府・公的機関等に提供することで、東京大学だけでなく日本社会全体の男女共同参画の発展に寄与され、その功績は顕著なものとなっています。

東京大学はこのたびのご受賞を心よりお喜び申し上げますとともに、大沢先生のご健勝と益々のご活躍を祈念いたします。
 理事・副学長     林 香里 
男女共同参画室長 吉江 尚子