東京大学教員の著作を著者自らが語る広場

白い表紙のセンターに青いグラデーション、青い帯

書籍名

TEXTBOOKS TSUKAMU コミュニケーション論をつかむ

著者名

辻 大介、是永 論、 関谷 直也

判型など

248ページ、A5判、並製

言語

日本語

発行年月日

2014年5月8日

ISBN コード

978-4-641-17720-8

出版社

有斐閣

出版社URL

書籍紹介ページ

学内図書館貸出状況(OPAC)

コミュニケーション論をつかむ

 本書は、現代社会の中でコミュニケーションとはいったいどういう営みであるのかを、身近な例を用いて平易に論じた書籍である。社会学、心理学、言語学など様々な研究の知見を盛り込んで複眼的にコミュニケーションを分析する視座を提供する。
 第1章「コミュニケーションの基礎」では、言語的なメッセージ・相互行為の理解の仕組みを中心に、非言語行動や動物・赤ちゃんのコミュニケーションまで幅広く取り上げて、私たちがコミュニケーションにおいて、どのように行為をし、またそれをどのように解釈しているかを概観する。哲学、言語学 (語用論)、社会学、心理学などの分野を中心に、いくつかの重要な理論を紹介しながら、コミュニケーション論の基本となる考え方を解説する。
 第2章「コミュニケーションの様相と関係性」では、コミュニケーションにおいて、情報のやりとりの基礎となる様相 (モード) とコミュニケーションによって展開するさまざまな関係性について考察する。コミュニケーションの様相として、現代におけるメディアの技術的・社会的広がりによって重要な位置を占めるようになってきた文字と映像のコミュニケーションについて考える。次に、コミュニケーションにみられる社会的な広がりについて、自己との関係に始まり、都市の空間に至るまで視野を拡大させながらそれぞれにおける特徴や考え方についてみていく。
 第3章「コミュニケーションの影響力」では、コミュニケーションのもつ影響力とは何なのか、コミュニケーションによって人はどのように影響を受けるのかという点を考える。社会学・社会心理学における説得的コミュニケーション研究、うわさ・流行などの集合的コミュニケーション研究、世論研究、マスコミュニケーション効果研究などの基本的な理論を学ぶ。
 第4章「コミュニケーションと社会」では、あらゆる社会の組織、社会現象における「コミュニケーション」の役割について考える。エンターテイメント、企業活動、スポーツ、災害などさまざまな分野をとりあげ、社会の組織あるいは社会現象の中におけるコミュニケーションの役割について考える。また、現代社会ではコミュニケーション活動そのものが社会現象や人間関係を生み出している。メディア、コミュニケーションがつくりあげる社会現象、人間関係のつながりについて考える。

(紹介文執筆者: 情報学環・学際情報学府 特任准教授 関谷 直也 / 2017)

本の目次

はじめに - コミュニケーション論のつかみ方
第1章 コミュニケーションの基礎
  unit1 コミュニケーションとは何か
  unit2 ことばとコミュニケーション
  unit3 ことば以前のコミュニケーション
  unit4 身体とコミュニケーション
  unit5 談話・文章を理解するメカニズム
  unit6 会話のダイナミクス
第2章 コミュニケーションの様相と関係性
  unit7 文字のコミュニケーション
  unit8 映像のコミュニケーション
  unit9 自己とコミュニケーション
  unit10 社会関係とコミュニケーション
  unit11 親密性とコミュニケーション
  unit12 都市空間とコミュニケーション
第3章 コミュニケーションの影響力
  unit13 説得
  unit14 うわさ
  unit15 流行と普及
  unit16 世論
  unit17 メディアの影響力 - 理論・学説を中心に
  unit18 メディアの悪影響 - 検証の方法論を中心に
第4章 コミュニケーションと社会
  unit19 マーケティング・コミュニケーション
  unit20 コーポレート・コミュニケーション
  unit21 スポーツ文化とコミュニケーション
  unit22 バーチャル空間のコミュニケーション
  unit23 情報社会とコミュニケーション・ネットワーク
  unit24 災害とコミュニケーション