NO.1426

  

部局ニュース

大学院農学生命科学研究科・農学部
附属牧場新築牛舎お披露目会を開催

 農学生命科学研究科附属牧場では、5月9日(水)に今年3月に完成した新築牛舎のお披露目会を開催した。
 お披露目会には、長澤寛道研究科長をはじめ学内関係者の他に山口伸樹笠間市長、歴代牧場長などが来賓として出席し、新築牛舎とそれに伴い一新された搾乳機、自動給餌機の見学が行われた。その後、先の福島第一原子力発電所の事故により被災し、警戒区域より救出された当場預かりの原種豚(学内広報第1415号で紹介)と当場で生まれた仔豚たちの見学などが行われた。
 式典は、あいにくの空模様のため慌ただしいなかでの開催となった。冒頭、塩田邦郎牧場長から、福島第一原子力発電所の事故以来茨城県より放牧自粛の要請が出されたため当場に屋内の飼育設備がなかったことから原乳の出荷を自粛していたこと、この度の新築牛舎完成で乳牛の舎飼可能となったことにより本年5月から原乳出荷を再開したことに加えて、搾乳機・自動給餌機の更新により、一頭一頭に対する適正な給餌によるより最適な栄養管理が行わるようになったことなどが説明された。






 当場では、乳牛(ホルスタイン種)26頭を飼養しており、従前以上の収入増とともに費用対効果を図り安定した経営に取り組む。また、飼養管理と衛生管理を含めた飼養、搾乳と乳質検査などを体験でき、一層高度で先駆的な教育実習を行う場として、獣医学専修の学生を中心に多くの学生実習に供される。




低温センター
平成24年度低温センター安全講習会(第一回・第二回)開催

 平成24年度低温センター安全講習会(第一回5月10日(木)、第二回5月15日(火)、いずれも15時〜16時30分)を、小柴ホールにおいて開催し、学生及び教職員など合計345名が出席した。
 講習会では、福山寛センター長(理学系研究科・教授)から、低温センターの紹介と液体寒剤(液体窒素・液体ヘリウム)の物理的性質や自然科学分野での活用例に関する講義があった。続いて、センター技術専門職員から、液体寒剤や高圧ガスボンベの安全な取り扱い方と、本郷地区キャンパス内での各種規程や関連法令の説明があった。液体窒素の汲出しと窒素高圧ガスボンベの使い方の実演もあり、参加者一同興味深く見入っていた。
 本安全講習会は、高圧ガス保安法で義務付けられている保安教育の一環であり、本郷地区キャンパス内で寒剤を取り扱う者は必ず受講することが義務づけられている。今後も学内各部局の協力を得て、使用者が液体寒剤の性質を理解し安全な取り扱いを習得するよう、鋭意取り組んでいきたいと考えている。なお、今年度第3回目の安全講習会は10月〜11月に開催予定である。




大学院新領域創成科学研究科、物性研究所、大気海洋研究所、宇宙線研究所、カブリ数物連携宇宙研究機構
「柏キャンパス in 駒場」開催報告

 柏キャンパスにある、大学院新領域創成科学研究科、物性研究所、大気海洋研究所、宇宙線研究所、カブリ数物連携宇宙研究機構の5組織の協力のもとに、5月12日(土)の午後、1・2年生のための交流イベントとして、「柏キャンパス in 駒場」(素粒子、生命から地球、宇宙への旅)が初めての試みとして開催された。
 本学の三極構造の一翼を担う柏キャンパスは、学融合を目指した最先端科学の研究と大学院での教育を使命としているが、駒場の1・2年生にとっては、あまり馴染みがないと言えよう。しかし、若く柔軟な頭脳をもつ1・2年生が、自らの大学院修士課程修了までの6年間ないし、博士課程修了までの9年間の生活やその後のキャリアパスを考えていく上で、本学のもつ広範な最先端科学の研究・教育の拡がりを認識し、進むべき道を考えていくことは重要であると考える。本イベントはそのような駒場の1・2年生の手助けになることを期待して企画された。
 幸い、上記5組織の全面的な協力が得られ、本学が誇る研究者としても一流の各組織トップの教員による講演が行われた。
(1)「人工生命への挑戦」 新領域創成科学研究科 上田 卓也 研究科長
(2)「物性科学と物性研究所」 物性研究所 家 泰弘 所長
(3)「大気・海洋の謎に挑む」 大気海洋研究所 新野 宏 所長
(4)柏キャンパス紹介ポスターセッション
(5)「ニュートリノ・重力波・宇宙線で宇宙を探る」 宇宙線研究所 梶田 隆章 所長
(6)「宇宙は何でできているのか」 カブリ数物連携宇宙研究機構 村山 斉 機構長

 いずれも、最先端科学研究の現状と将来展望について、科学の夢を拡げるとともに、初心者にも分かりやすい講演であった。
 駒場の1・2年生等からは55名の参加があり、総参加者数は95名となった。ポスターセッションや講演後の質問も活発に行われ、参加者の評判も良く、有意義なイベントとなった。柏キャンパスの部局を越えた交流という意味でも意義は大きかったと言える。柏キャンパスの研究・教育活動を盛り上げるためにも、継続的な努力をしていきたい。
 ご協力いただいた柏キャンパス各組織の関係各位に、感謝いたします。




大学院人文社会系研究科・文学部
第2回東京大学文学部公開講座を開催

 大学院人文社会系研究科・文学部では、5月12日(土)の14時から本郷キャンパス法文2号館において第2回東京大学文学部公開講座を開催した。今回のテーマは「縄文人と動物たち」、講師は本研究科基礎文化研究専攻の設樂博己教授(考古学)が務めた。
 本公開講座は、平成12年より文学部考古学実習施設のある北海道北見市で開催している「東京大学文学部常呂公開講座」を、より多くの方に参加いただき、社会連携をより一層深めるために、本郷キャンパスでも昨年より開始したものである。
 熊野純彦副研究科長による司会のもと、冒頭に中地義和人文社会系研究科長から開会の挨拶があり、本研究科の最近の活動が報告され、本講座への期待が語られた。
 設樂教授による講義は、縄文時代、弥生時代の動物形土製品に表現されている動物の変化を通して、縄文人や弥生人の動物観、ひいては彼らの生活や思想の変化を浮き彫りにするもので、専門学生ではない参加者にも分かりやすいように工夫されていた。
 小学生から80代の方まで老若男女、考古学に関心のある幅広い方々に来場いただいた。予想をはるかに上回る220名の参加者をお迎えしたため、急遽隣室で講座の様子を投影した。質疑応答でも熱心な質問がいくつも出され、大盛況であった。聴衆の7割の方からアンケートをいただき、次回以降の公開講座への期待の声が数多く寄せられた。中には、小学生からの回答もあり、絵入りで「さいしょは大人ばかりでむずかしいのかと思ったけど先生の話で、すきになって(じょうもんじだいやイノシシ)しまいました。ありがとう!」と嬉しい内容であった。
 次回の第3回文学部公開講座は、本年秋の開催予定。なお、北見市での公開講座は10月5日(金)に開催される。




大学院法学政治学研究科・法学部
新入生歓迎会、外国人留学生等との懇談会を開催

 5月17日(木)18時から、山上会館1階談話ホールにて法学政治学研究科総合法政専攻の新入生歓迎会および法学政治学研究科による外国人留学生等との懇談会があわせて開催された。
 ゲストの学生、客員研究員、チューター、教職員等、総勢101名が出席し、熱気あふれるパーティとなった。
 高原明生教授(総合法政専攻長)の司会進行で、山口厚研究科長の挨拶、西川洋一副研究科長による乾杯の後、歓談に入った。
 宴たけなわになった頃、学生の代表として法学部4年生のバイガルマー・ツォフーさん(モンゴル出身)が、「ビエルゲー」という曲に合わせてモンゴル舞踊を披露した。次に、総合法政専攻博士課程1年生の出川永さんが、留学先から帰国した後の心境の変化と研究活動への心構えを披露した。最後に、総合法政専攻修士課程1年生の洪兆承さん(台湾出身)が、アルゼンチン・タンゴの名曲「Por Una Cabeza(ポル・ウナ・カベーサ)」をバイオリンで演奏し、3人のパフォーマンスに対し会場は拍手喝采で盛り上がった。
 新入生たちは、新しい環境に早く打ち解けようと積極的に交流し、いつも学業に忙しい留学生たちも、この日ばかりは教員や友人と大いに親睦を深め、20時の中締め後も名残惜しそうに歓談していた。




大学院経済学研究科・経済学部
留学生社会科見学・懇談会を実施

 大学院経済学研究科・経済学部では5月18日(金)の午後に、社会科見学として東京証券取引所を訪問した。参加者は留学生33名(学部生5名、修士24名、博士2名、交換留学生2名)及び引率の職員5名の計38名であった。
 現地では、英語のガイドつきの館内見学ツアーに参加した。初めに東証案内ビデオ(英語版)を見た後、2階ギャラリーで東証アローズの説明を受けた。証券取引も、現在ではすべて電子媒体で行われているが、1991年以前はすべて指文字とジェスチャーで行われていたそうで、ガイドからクイズ形式でその一部の手ほどきを受けた留学生たちは、興味深そうに再現していた。その後、1人1台のコンピュータによる模擬売買を体験し、赤字を記録した留学生もいれば堅実な取引を行った留学生もいた。30分間ではあったが、有意義な時間を過ごすことができた。
 また、留学生懇談会を5月30日(水)18時から東大病院入院棟15Fの上野精養軒ブルークレールにおいて開催した。学内での開催ということもあり、当日飛び入りで参加した教員もおり、最終的には15名の教員が参加し、留学生は在学生69名のうち50名近くが参加し、大変賑やかな会となった。
 国友直人研究科長のオープニングメッセージから始まり、馬場哲研究科主任の乾杯の発声後、歓談を経て、各専攻代表の教員からのショートメッセージと、3人の留学生からスピーチが行われた。窓からはライトアップされた東京スカイツリーの美しい姿も眺められ、参加者全員が美味しい食事と交流を堪能した後、青木浩介准教授(留学生担当)のクロージングメッセージで、懇談会は無事終了した。
 留学生たちは毎年の留学生向けイベントを心待ちにしているようで、今回も学年や専攻を超えた交歓を満喫していた。







史料編纂所
日露関係史料をめぐる国際研究集会を開催

 5月21日(月)、史料編纂所では、ロシア・サンクトペテルブルク市から研究者を招聘し、日露関係史料をめぐる国際研究集会を開催した。研究集会は日本学士院(久保正彰院長)と共催し、同院のUAI関連・未刊行在外日本関係史料の調査事業の一環として行われた。
 通算12回目となるこの研究集会では、以下の3報告があった。第1報告は、ロシア国立海軍文書館セルゲイ・チェルニャフスキー館長による「ロシア国立海軍文書館史料にみられる海軍専門用語について」である。報告には詳細な海軍用語集が添付され、遅れて創設されたロシア海軍がさまざまな外来の術語を取り入れていったことが紹介された。さらに19世紀当時の航海日誌の様式とその変化について追加報告があった。
 第2報告はロシア国立歴史文書館アレクサンドル・ソコロフ館長による「ヤルトロフスク市保存フォンド保管センターから返還されたロシア国立歴史文書館史料について」である。核戦争の危機にあった1960年代末、当時のソ連は国内の文書館が所蔵する貴重史料の一部をシベリアへ疎開させた。これが近年原蔵館に復帰しており、歴史文書館では元老院文書を中心に書架に換算して4.3q分の史料群が戻ってきたという。報告は「唯一無二」の貴重な原本史料の内容を紹介し、その活用による可能性を示すものになった。
 第3報告は、ロシア科学アカデミー東洋古籍文献研究所ワジム・クリモフ上級研究員が「1862年の日本使節団―ドイツからロシアへの旅」と題し、現地の史料を用い、文久期の竹内使節団がドイツ・ベルリンから海路クロンシュタットをへてサンクトペテルブルクへ到達する道筋を詳細に明らかにした。荒れるバルト海で使節が口にしたのは日本から持参した米を炊いた秘伝のおかゆだったという。
 研究集会の終了後、ロシア研究者の一行は、プロジェクト代表の保谷徹教授らの案内で戸田造船郷土資料博物館(沼津市)を訪問し、幕末のロシア使節プチャーチンの足跡を追って下田市の史跡や博物館を見学した。




大学院教育学研究科・教育学部
留学生懇談会の開催

 大学院教育学研究科・教育学部では、5月23日(水)に留学生懇談会を開催した。留学生12名、教職員28名、日本人学生15名の計55 名が出席した。
 高橋美保准教授(国際交流委員会委員)の司会で進行し、冒頭の市川伸一研究科長による開会の挨拶では、今年も新入留学生を迎え留学生懇談会を開催することが出来た喜びが語られた。
 続いて、今年度新しく国際交流委員会委員に着任した高橋美保准教授、村上祐介准教授、森田賢治講師の3名を含む国際交流委員5名から自己紹介があった。恒吉僚子教授(国際交流委員会委員長)による乾杯の後、歓談を挟んで、4月から研究科に仲間入りした新入留学生6名の自己紹介が行われた。来日して数カ月の留学生から既に日本で数年間生活している留学生までそれぞれが、出身、研究テーマ、将来の抱負などを、明るく、思い思いに語った。



 歓談に続き、国際交流室のチューターの自己紹介が行われた。今年度はチューターの公募に例年以上の応募があり、6名の新しいチューターを含む12名が、チューターとして国際交流室のイベント、留学生、日本人学生のサポートにあたる。また、司会の高橋准教授から国際交流室で予定されている3つの国際交流イベントについても紹介がなされた。



 新学期ということもあり、新入留学生の他にも初めて留学生懇談会に参加する教職員、日本人学生もおり、新入留学生の歓迎と共に、留学生、教職員、日本人学生がリラックスした雰囲気の中、お互いに親交を深める良い機会となった。
 川本隆史副研究科長による閉会の挨拶では、「留学」の歴史を通してアジア各国が切磋琢磨してきたことを踏まえ、研究科へ新しく入った留学生達へ歓迎と励ましのメッセージが送られた。




東洋文化研究所
東文研・ASNET共催セミナーが50回目を迎える

 東洋文化研究所は、日本・アジアに関する教育研究ネットワーク(ASNET)と共催で、毎週木曜日の夕方に東文研の1階ロビーで東文研・ASNET共催セミナーを開催している。本セミナーは、本学に所属する、広くアジア研究に携わる若手研究者などに発表と学術交流の場を提供することを目的とし、2010年5月に始まり、2年を経た2012年5月24日(木)に50回目を迎えた。
 本セミナーでは、本学の若手研究者や外国人訪問研究者、日本学術振興会特別研究員などをお招きし、日頃の研究や在外研究の成果や、刊行された著書について30分ほど発表していただき、その後、活発に議論を行っている。アジア研究を共通項に、様々な分野・国籍の研究者が集い、報告者・参加者双方にとって、新たな研究の視点を発見できる、貴重な学術交流の場となっている。
 記念すべき第50回は、寺田悠紀氏(日本学術振興会特別研究員)に「イランにおける現代美術−美術館が映し出す継続性」と題してお話しいただいた。テヘラン現代美術館のコレクションと展示のスライドを交えつつ、イランにおける現代美術の継続性について発表があり、続いて、参加者を交えて活発な議論が行われた。その後、簡単なパーティーが開かれた。
 今後も本セミナーは毎週木曜日の夕方、東洋文化研究所1階ロビーで開催していく予定である。

 詳しい開催案内は、東洋文化研究所ホームページ(http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp) 及びASNETのホームページ(http://www.asnet.u-tokyo.ac.jp)に掲載している。




大学院農学生命科学研究科・農学部
「第三回放射能の農畜水産物等への影響についての研究報告会」が開催される

 5月26日(土)13時から安田講堂において、「第三回放射能の農畜水産物等への影響についての研究報告会」が開催された。
 今回は、新たな試みとして、Ustream による報告会の模様のライブ配信及びTwitter による質問の受付などを試行で行った。
 当日は好天の中、約400名の参加者が来場した。研究報告会は、長澤寛道研究科長の開会の辞から始まり、各研究報告が行われた。
 まず、中西友子教授より「農学生命科学研究科全体の取組について」の報告があり、当研究科の震災復興支援に関わる取組について、述べられた。次に福島県農業総合センター作物園芸部 佐藤誠 稲作科長より「水稲における放射性セシウムの吸収解析と低減対策」について報告があり、福島県の取組について、述べられた。
 続いて、森田茂紀教授から「被災農地の農業再生のデザイン−資源作物の栽培とエネルギー化」について、藤原徹教授から「福島水田におけるイネのセシウム吸収の品種間差」について、溝口勝教授から「自然凍結融解を利用した農地除染の試み」について、眞鍋昇教授から「警戒区域内で原発事故後105日間飼養された原種ブタの生殖機能について(中間報告)」、金子豊二教授から「海水魚のエラからセシウムが排出される」について、高田大輔助教から「事故当年にモモ樹体内に移行した放射性核種の本年度の動態」について、細野ひろみ准教授から「放射性物質と食の安全を市民はどう捉えたか」について、各々の報告が行われた。
 最後に長澤研究科長の閉会の挨拶をもって、会は盛況のうちに終了した。

















キャンパスニュース

本部学務課
平成24年5月1日現在学生数
―学部学生14,018人、大学院学生13,624人、研究生等612人―

 本学では、毎年5月と11月の年2回、同月1日現在の学生数を調査し「学内広報」に掲載している。本年5月1日現在の学生数は次のとおりである。
 なお、標題の「研究生等」とは学部研究生、学部聴講生、大学院外国人研究生、大学院研究生、大学院特別研究学生及び大学院科目等履修生の合計である。


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