
12月2日、令和元年度グローバル・インターンシップ・プログラム成果報告会が山上会館で行われました。150か国に広がるダイキン工業の海外拠点を学生が訪れ、ビジネスの最前線を体感するプログラムです。報告者は、地域滞在型と世界一周型の2種計13チームに分かれてこの夏の2~ 3週間に貴重な経験を積んできた約50名の学生。多くの関係者が見守る場で発せられた言葉を、誌面の許す限り紹介します。東大生は何を感じ、何を得て帰ってきたのでしょうか。









地域滞在型 中国チーム |
巨大市場中国とその変貌のスピードを知る |
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地域滞在型 アジアチーム |
シンガポールでの新ビジネスチャンス/ 10 年後を見据えたブランド戦略/インドでの人的資源管理/タイの気候に応じた商品開発 |
世界一周型 | 空調の新しい製品サービス/人を基軸に置く経営とは |
地域滞在型 米国チーム |
IAQ データ分析に基づく提案/イノベーションの創り方/北米住宅用空調の新ビジネスモデル/化学事業の可能性を探る |
地域滞在型 ヨーロッパチーム | 低温技術とコールドチェーン/ヨーロッパの環境施策から考える |





ロビーでのパネル展示に続いて行われた報告会では、参加した学生による司会のもと、全13チームの代表が順に登壇してプレゼンテーションを展開。中には映画調の自作動画を活用したり、討論スタイルを導入してカジュアルな空気感を演出する工夫を見せたチームもありました。
報告の後の講評では、まず五神総長が、互いを尊重し合う重要性が増す世界の中で、学生たちが自己相対化を実践してきたこと、世界の一員としての日本を実感したことが随所でわかって本望だという感想を述べました。また、この報告会はきっかけにすぎず、各地で見た様々な姿を今後もダイキンや社会に対して伝えていくことが支援への恩返しにつながるとの見解も示しました。
学生支援担当の松木理事は、グローバル人材を育成したいという当初の思いはある程度叶った、と総括。一方で、今日のプレゼン内容を各自が振り返り、いかに無駄な言葉が多かったかを認識するようにという冷静なアドバイスと、この経験を周りの友達に伝えてプログラムを広めて欲しいという要望表明もありました。
海外赴任歴27年という筋金入りグローバル人材であるダイキンの峯野専務からは「全員が無事に帰ってきた。東大生も丈夫やな」との第一声が。多くの日本企業が落ち込む中で伸びてきたダイキンも分岐点を迎えつつあるという認識を示すとともに、日本が縮小するだけの社会にならないようともに頑張ろう、と学生たちに呼びかけがなされました。
ダイキンの米田執行役員からは、与えられた課題を解くのは得意だが課題を設定するのは苦手だという先入観が吹き飛ばされ、東大生は才能の塊だと思った、とのお言葉をいただきました。人材交流そのものがダイキン流イノベーションに一番のきっかけとなるという理解のもと、次年度以降もプログラムを拡大して続けていく決意が表明されました。
当日は学生たちでほぼ満席に。山上会館の新しい空調システムに若者の熱気と軽さが相まって、会場の「IAQ」も悪くなかった模様です。