学内広報東京大学
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東大オンライン授業の現在地

コロナ禍の影響で今年度の授業開始を大幅に遅らせる大学がほとんどだった中、東京大学は、当初の学事暦を変更せずに、すべての授業をオンライン化して行ってきました。十分な準備や時間があったとはとてもいえない中で、5000科目超を数える多くの授業を東大はなぜこなしてこられたのか。それぞれの現場でできる最大限の努力を厭わず続けてきたキーパーソンの皆さんの振り返りトークから迫ります。

総力を結集して5000科目超を学事暦通りに展開中

オンライン授業を全学で進めるためのシステムを整備

田浦健次朗教授
情報基盤センター長 教授
田浦健次朗

――どんなことを担ってこられましたか。

「大勢の人がZoomを活用できるよう契約を行うとか、情報セキュリティを担保するとか、オンライン授業を進めるための基盤整備です。学習管理システムの ITC-LMSや学務システムのUTASはもちろん、GoogleやMicrosoftの各ツールも全学的に契約して使えるようにしてありましたが、そのことを知らない人も多く、情報を周知しないと、とは以前から思っていました。 授業を全てオンラインで行う宣言が出る少し前、3月6日にセンター内で話し合った直後に大学総合教育研究センターから連絡があり、9日には栗田先生・吉田先生と会ってできることをやろうと話しました。その日の夕方には福田理事に全学向け説明会の開催を打診し、13日に開催しました」

――それが全学の最初の取組みでしょうか。

「3月頭の科所長会議の際、Polycom※1のようなシステムを導入しなくてもGoogleのG Suiteを使えば簡単にオンライン会議ができる旨を情報共有したことはありました。きっかけは生産技術研究所の喜連川優先生から聞いたオンライン学会の話でした。 何十人も参加する部屋が複数あり、計400人が参加したとのこと。慎重にシステム選定をしないといけないのでは、と身構えましたが、現場を仕切った先生に聞くと、ツールは何でもいいとのこと。13日の説明会をオンライン配信して、数百人でも大丈夫だと実感しました」

※1 代表的なテレビ会議システム。利用するには専用の機器を揃える必要があります。東大でも以前から情報基盤センターをはじめとする部局が導入して活用してきました

――この間で最も苦心した点は何ですか。

突貫作業でUTELECONを開始

「教養学部長の太田邦史先生が新入生向けメッセージを出す19日までの間が、一番の突貫作業でした。オンライン授業に備えるやり方が誰でもわかるポータルサイト(UTELECON※2)へのリンクをメッセージに入れる必要があり、その準備が大変だったんです。問い合わせ窓口をサイトに載せたんですが、メールが非常に多く、応答作業が4月以降も続きました。 相当負荷が高く、教職員が総出で何とかこなした感じです」

オンライン授業・Web会議 ポータルサイト@東京大学
※2 複数の人が情報を共同で編集・更新しやすいツール「GitHub Pages」を用いて立ち上げられたUTELECON(UTokyo+Teleconference/ユーテレコン)のトップページ。多いときは情報更新回数が1日100件に迫るほど頻繁にアップデートが重ねられました。名前は当初はUT-Onlineを縮めて「ユートン」とする案もあったとか
ITC-LMS ログインユーザ数の折れ線グラフ
ITC-LMS ログインユーザ数の推移。右側の崖が2020年度。2019年度に比べると3倍以上になっています
問い合わせメール件数の折れ線グラフ
問い合わせメール件数の推移。3月19日から授業開始まで急激に増加しましたが、FAQの設置やコモンサポーター制度の運用によってしだいに沈静化しました(両グラフは田浦先生提供)

――システムの負荷などはいかがでしたか。

「基本的には多くの授業が行われても問題ありません。 皆が同じ教室から何百人も繋いだりするとそこの無線LANの容量をオーバーする懸念はありますが、各々自宅から繋ぐ分にはキャンパスへの負荷はかからず、社会全体のネットワークへの影響も現時点では大きくありません。気にすべきは容量制限がかかった端末のほう。契約上の問題です。 サーバーは増強しましたが、ITC-LMSとUTASのためです。 授業のURLを知るのに必須なのに重くて入りくいという問題があり、ITC-LMSは従来の約4倍に増強しました」

「あとはアカウントの問題ですね。Zoomは個人でも無料で使えますが、東大では機能が拡充されたProアカウントを契約しました。これでログインすれば1000人まで参加できるのに個人アカウントで設定したために100人しか入れないなど、大学アカウントに紐づかないことが原因の案件が多発しました。一時、Zoom荒らしも騒がれましたが、当初はIDに10桁の番号が付くだけで、適当に数字を入れるとどこかのZoom会議に当たる確率がそこそこありました。設定でパスワードをつける、最新の暗号方式を用いるためにZoomのバージョンを更新する、授業URLを不特定多数が見る場に書かない、といった情報の周知も重要な仕事でした」

準備が早かったから何とかなった

――これまでの成功の要因は何でしょうか。

「成功と言うにはまだ早いですが、準備と情報提供が間に合ったからだと思います。各部局が具体的な検討を始める前に、こうすればできるという情報を説明したことに意味がありました。悪い流れはやり方が示される前に方針だけが降りてくるパターン。それを受けて各部局が動き出すと努力が重複し、我々が何もしなければしばらくして白い視線が集まり(笑)、そこから説明しても前向きな雰囲気になりにくそうです。東大では早い時期に情報を共有し、その後に総長が全学でやるぞと宣言した。この流れはよかったと思います」

――見えてきた課題は何でしょうか。

「学生の反応がわかりづらいとは感じます。それが知りたくてビデオONを求める先生もいますが、私は求めないほうがいいと思います。 年輩の人は抵抗がないようですが、若い人だと顔出しを嫌がる人が一定数います。教室で距離を置いて見えるのとカメラ越しにアップでも見られるのとでは違います。よいのはオンラインと対面の混在で、学生は大学に来たければいつ来てもいいのが理想です。構内の好きなところでオンライン授業が受けられる環境を整えられるとよいのですが」

「学生は教室で知り合った友達とのつながりがなくて寂しい思いをしていると思います。大学の価値は知識伝達だけではなく、学生間、学生・教員間の人間関係を築くことにあり、オンライン授業が長期化するとその部分が顕在化するでしょう。その辺りと、学生の精神を含めた健康状態が課題になると思います」

説明会を通してオンライン授業に必要な情報を学内に周知

栗田佳代子准教授
大学総合教育研究センター 准教授
栗田佳代子
吉田 塁特任講師
大学総合教育研究センター 特任講師
吉田 塁

栗田3月6日、授業のオンライン化について何ができるか、と福田理事に聞かれたのがそもそもの発端です。田浦先生にお声がけいただいて参加した9日のミーティングが、情報基盤センターと大学総合教育研究センターの連携のスタートでした。

吉田大学としての意思決定を見据えて先に準備を進めよう、まず説明会が必要だ、と話して3月13日に行ったのが、「授業のオンライン化を念頭に置いたTV会議ツールと使い方説明会」です。慎重な題名にしていましたね。

栗田理学部の講義室を2つ使って席幅を確保して開催し、同時にWebexでも配信しました。参加者は合わせて約350人程度だったかと思います。福田理事がオンライン授業推進の意向を述べた後、どんなツールが使えるのか、UTASとITC-LMSの関係はどうなっているのか、などを田浦先生が紹介しました。

吉田19日には「オンライン基礎講座Zoomの使い方」を開催。最大定員の1000人を超えてしまい、関心の高まりを感じました。下地という意味で重要だったのは、共通ID のUTokyo Accountが全員に配布されていたことです。これを基盤にZoomとWebexが利用できるようになっています。実際に使うにはアカウントを有効化する作業が必要で、そこを構成員に知らせる必要がありました。

栗田こうした情報の周知を、部局ごとの説明会を通じても進めました。教育学部、経済学部、医学部、学生相談室に対し、要請に応じて行いました。授業を行う教員への情報提供が責務と考え、UTELECONなどで通知をして多様な説明会の開催を続けてきました。

吉田「ライブ配信ではないオンデマンド型オンライン授業」「Sセメスター開始2週間を経ての振り返り」「著作権について」などの説明会を実施しました。また、4月22日からはより気軽に参加できるよう昼休みの時間に情報交換会※3をシリーズ開催しています。

学生から見たオンライン授業についてオンラインで報告
※3 昼休みの情報交換会第10回(6月18日)ではUmeeT編集部の武居悠菜さん(教養学部)が学生から見たオンライン授業について報告。約200人の教職員がリアルな声に接しました

学生とともに授業を支える2制度

栗田一方、クラスサポーター制度を4月16日に開始しました。TAより軽い負荷でオンライン授業を支援する学生を配する制度です。たとえば、音声の不調を先生に伝えるとか、Zoomのテストをして慣れてもらうとか。先生が個別に学生を見つけてもいいし、こちらでマッチングも行います。これまでに約440の授業でクラスサポーターが活動しています。

吉田ただ、マッチングした例は少ないですね。学生は約160人が希望してくれましたが、教員のニーズがあまりなかった。アルバイトができず困っている学生のオンキャンパスジョブにつなげるのが今後の課題です。

栗田GW明けに始めたのは、オンライン授業に関する質問に答を提供するコモンサポーター制度です。UTELECONの全ページにチャット画面※4が出て、質問にふさわしい答をボットが自動で表示し、解決しない場合には学生オペレーターが答えます。登録した50人ほどの学生が時給ベースで働いています。

吉田sincloというチャットツールを使用し、細かく50以上の分岐を用意する作業もコモンサポーターの学生が担当しました。ポータルサイトには1日5000~7000アクセスがあるなか、ボットを利用するのは50人程度で、オペレーター対応に入るのは5人ほどです。

栗田UTELECONへのオンライン授業に関する問い合わせメールはそれまでに5000件以上来ていて、対応が大変でした。コミュニティの誰かが答の文案をつくって誰かがOKを出すとメールを返信する仕組みです。質問数が多すぎてチャットボットが必要だった面もあります。コモンサポーターのおかげもあり、届くメールの数は確実に減りました。

チャットウィジェットの画面
※4 UTELECONのチャットウィジット。まずボットによる自動応答でトラブルサポートを試みて、解決できない場合はオペレーター対応を行います。オペレーターを務めるコモンサポーターは学部も研究科も文理もさまざま

成功例を体系的に共有したい

吉田課題は人手不足です。現状を回すので手一杯。本来ならセンターとして新しい授業の手法などの提案もしたいのですが。

栗田たとえばZoomのブレークアウトセッション※5はグループワークに適していて、オンラインでも学生が主体的に学べる授業ができます。オンライン授業だからこそのいいところを体系的に共有したいですね。

吉田今後、対面授業でこそできることは何なのかが問われるはず。教育が変わる機運を感じます。オンラインでもそこそこやれるぞと多くの先生が気づいたことが重要ですね。

栗田振り返ると、今回のオンライン授業に向けた動きは、推進委員会のようなものができてそこから指示がおりるというような形ではありませんでした。組織の縦割りに縛られず、有志の各々が相互にうまく連携しつつ最大限のことを自主的にやってきた。今回はこうした動き方が機能したのかなと思います。

吉田現場の動きを田浦先生が逐一理事に報告してくれたので、私たちは作業に集中できました。教育系のセンターと情報系のセンターは、東大に限らずあまり連携していないことが多かったようです。今回はその連携ができたことが一つポイントだったと思います。

※5 ホストが参加者を最大50のグループに分けて分科会を行う機能。実際の教室と違い、各グループの話を先生が把握しにくいという難点があるものの、情報交換会ではそれを補うためのアイデアもいくつか報告されています

2506の授業をオンライン化する駒場のタスクフォースを牽引

四本裕子准教授
総合文化研究科 准教授
四本裕子

――タスクフォース発足は3月12日ですね。

「当初はオンライン授業など無理だと思っていました。北京大学が全面オンライン化すると聞いて「東大では難しいよね」と愚痴ったのを思い出します。3月に取り組んだのは、どう一斉に移行するか、新入生にどう履修方法を伝えるか、オリエンテーションをどう行うか、ツールの使い方をどう共有するかなど。皆よれよれになりながら1ヶ月後には何とか動き出し、オンライン開講した前期課程の科目数は2506を数えます。フィールドワーク主体のものなど開講を順延したものはありますが、自信がないと言った先生はいても、やりたくないと言った先生はいませんでした」

「5月には学生の負担が問題となりました。課題が増えているんです。オンラインだと受講態度が見えず、毎回課題を出したほうがフェアな成績評価につながる、と多くの教員が考えました。一つの授業で見れば少しの増でも全体では過大な負担になります。いまはオンラインでテストをどう行うかがテーマです。300~500人規模の授業ではレポートの全てをフェアに採点するのは難しい。オンラインでテストをやるのか、レポートをがんばって採点するのか、悩ましいところです」

解剖の様子を家で撮って教材に

――実験が必要な授業はどのように?

「部会によりまちまちですが、教員が実験を行う様子を説明しながら撮影し、それを学生が見てレポートを書く形が多いようです。私の場合、家で豚の脳と眼球の解剖を撮影したり脳波計で自分の脳波を測定する様子をYoutubeに載せ※6、レポートを書かせました。また、所属コースの実験演習では、脳機能計測のソフトウェアをダウンロードさせ、データを配布してZoomで中継しながらデータ解析を行いました。もちろんオンラインでできないこともあります。危険な薬品を使う実験や、高価な機械を使う実験や、高性能のコンピュータを使う演算も無理。その辺りをAセメスターでどう埋め合わせるかが課題です」

MRI脳波キャップをかぶった様子
※6 四本家で撮影されたビデオ教材(脳波測定)より。KOMCEE EASTのシールドルームにあるMRIの使い方を紹介するビデオも自撮りで提供したそう

――体育や語学も実習が必須ですよね。

「3月、ほとんどの部会から問い合わせが来るなか、スポーツ・身体運動部会からは何もなかったんです。心配して太田先生が電話すると、当然準備していますよ、とたのもしい返事が。トレーニングなどのビデオをつくって準備を進めていたそうです※7。タスクフォース一同、勇気づけられました。もちろん語学も心配でした。英語だけで3300人という規模での初の試み。不安も負担も大きかったはずですが、語学の先生方は、独自の課題を工夫するとか、ネット環境がよくない学生に逐一声をかけるなどのケアをしていると聞きます」

「ただ、学生のストレスは相当です。悲鳴は窓口閉鎖の代替として設置した学生用Googleフォームなどに届いています。必修授業の先生には、連続欠席の学生がいたら連絡するよう頼み、そうした学生に学生支援チームから電話しています。私の講義で匿名の質問を募ったら、ノイローゼになりそうといった学生がいました。愚痴を言う時間を設けたら、課題の多さ、人に会えないつらさ、大学に入れない不満……と出るわ出るわ。受験生時代よりいまのほうがつらいといった学生もいてショックでした。仲間と相談する機会、愚痴を言い合う機会が足りていないと思います」

※7 「講義を聴いた後、体操などの実技を家で行い、その内容と、1週間に自分が行った運動内容をまとめて書いて提出するのが、体育の授業の基本形。お手本の動画は、自分で収録したものを学生に見せる先生もいるし、Youtubeにある適切な動画を見せてそれに従ってやりなさいという先生もいます。私の場合は家の1部屋がスタジオのようになっていますね。部屋が狭かったりして運動がとてもできないというケースもあることを考慮し、運動する姿を撮って提出させることは基本的にやっていません」とは、スポーツ・身体運動部会の八田秀雄先生。オンライン化により、1限に行う身体運動科学の講義が過去最高の履修人数を記録するというプラス面もあったそうです

オンラインだと学生が減らない!

――オンラインの長所と今後の展開は?

「チャットだと書きやすいのか、学生の質問がとまらないですね。あと、例年、6月にもなると大学にこない人が増えますが、オンライン授業だと人数が減りません。オンライン講義は今後も欠かせないように思えますが、対面との併用は実は困難です。3限がオンラインで4限が対面だとすると、結局大学に来ないといけない。狭い構内で皆がオンライン授業に参加する環境や、空き時間の居場所も問題。Wi-Fi環境も増強しないと無理。そうした準備をすべてAセメまでに終えないといけません。時間割に手を入れ、火曜は完全オンラインの日、などとできればよいのですが、駒場の授業規模だと難しい。ジレンマです」

――学事暦を変えずにやれてきた要因は?

「教養学部では、太田先生が早くから危機感を持ち、最悪の事態を前提に、対応をフレキシブルにしたのが大きかった。たとえば、学生用情報サイト制作には民間のブログサービスを使いました※8。通常はNGですが、緊急事態ゆえに認められました。学生側の協力も見逃せません。Wi-Fiルーターの無料貸出は、駒場では200個ほど。3月半ばにオンライン授業に必要な環境を整えるよう手紙でお願いしたら、対応してくれた人が多かったようです。自分より環境が悪い人がいたらそちらに回すよう書いてあるのを読み、涙がこぼれた日もありました。ただ、美しい話として振り返るのは尚早です。教員がある程度手応えを得る一方で、学生はストレスにさらされています。達成感を分かち合うのはまだ先です」

学生向け情報サイト
※8 Wix.comの無料Webページ作成ツールを使用してつくられた、駒場の学生向け情報サイト。「一緒に進める履修の第一歩」「履修相談会スライド」「東大履修登録等カレンダー」など、学生有志が作成した参考情報へのリンクも貼られています

障害のある学生とオンライン授業

中津真美特任助教
バリアフリー
支援室
特任助教
中津真美

授業がオンライン化され、障壁が減った学生もいます。社交不安がある人は実際の教室に入る際の不安を感じなくてすむ。発達障害の人が教室の雑音を気にせずにすむこともありますし、車椅子の人は荒天の日に苦労して移動しなくていいわけです。一方でより困難が増したのは、聴覚障害の学生です。オンデマンド型なら事前に字幕をつけられますが、東大ではライブ型が多く、リアルタイムに音声を文字化して伝える必要が生じました。

方法は大きく3つ。一つは音声認識アプリ「UDトーク」を使って先生の話を文字にする方法。学生サポートスタッフが授業をZoomで視聴しながら文字を逐次修正し、それを聴覚障害の学生が端末で読む仕組みです。 二つ目はGoogleドキュメントを共有する方法。学生サポートスタッフが先生が話す言葉をGoogleドキュメントに逐次入力し、それを聴覚障害の学生が読みます。もう一つは「MetaMoji Share」というアプリを使う方法。文字入力が難しい語学や、数式や図形を使う授業で、学生サポートスタッフが端末に手書きしたものを聴覚障害の学生に共有します。

実は、ひたすら自動認識された文字列を見続けるのは相当な目の疲労になるので、Googleドキュメント方式に切り替える例が見られます。話の網羅より要約を希望する状況は始めてみてわかったことでした。学生サポートスタッフには事前に90分の講習会を課し、なるべく主観を入れずに要約する練習をしており、現在8名の学生が活動中です。対面授業だと学生サポートスタッフが隣にいるのでケアができますが、オンラインではそうはいきません。 指示語を使わないとか、ゆっくりはっきり喋るとか、先生側の配慮がより求められます。たとえば発音が明瞭な先生の授業では、聴覚障害の学生が直接音声認識アプリを使うという可能性もあるでしょう。

今後もオンライン授業の選択肢があることが重要だと思います。障害特性に応じて授業形態を選べるようになるとよいですね。

zoomやMetaMoji Shareなどの使用例
↑聴覚障害のある学生さんの受講の様子。複数の端末を注視する必要があるため、目の疲労が大きくなります